区の図書館より予約の本の準備ができたとメールがきていた。1冊の本を借りるにもバスを利用する。
12時頃のバスに乗ったが、途中、窓の外には先生に引率された30人ほどの子供たちの列が見えた。授業を終えた1年生が途中まで引率されるのだろう。みな真新しいランドセルを背負っている。ぴっかぴっかの1年生だ。この街の小学校は10日が入学式だった。
子供たちには列をはみ出る子もなく、俯きかげんで行儀よく歩いている。学校には慣れたのだろうか。
子供たちの列を追い越してバスが進んでいくと、先の道路の曲がり角、小さな空き地など所々に若いお母さんが立っている。立ち話をしている人、小さい児の手を引いている人さまざまだ。下校の子供を待っているお母さんたちに違いない。どんな学校生活か心配だったのだろう。足下に飛ぶ紋黄蝶が眼を引いた。
子供たちが近づいているよと教えたくなる。
下校の子を道に待つ母紋黄蝶 千字