ぶつぶつ地蔵

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平清盛展

2012-07-10 08:58:05 | 呟き
京阪の株主切符を使わなければ、10日で無効になっちゃうので頑張って行ってきました。
京文博で開催中の平清盛展


時間に余裕のある時にはガイドを借りることにしております。
ゆっくり解説を聞きながら見た方が、見るだけの時より、より興味を持って見ることができますから♪
今回のガイドの声は深キョンでした。時子が話している風に編集してあるので、自然と展示物を見ながら平氏の人間のような気持ちになります。
とつとつと話す時子(深キョン)のガイド、個人的にはとっても良かったです。

オイラが楽しみにしていた国宝の紺糸縅の鎧は前期の展示物だったのでなかったのですが、レプリカの赤糸縅の鎧がありました。
いやはや、こういった武具の隅の隅まで芸術に高めていてるんだからすごいですね。
糸のより方も布の貼り方も。基本的にシンメトリーである中に、アンシンメトリーな栴檀板と鳩尾板(左右で名前が違うってのもこだわりですよねぇ)も。
背中部分の紐の組み方さえも優美に見えました。
桓武平家に伝わる鎧は、赤糸縅の鎧であったと将門公にハマっていた時に読んでいたので、どうしても棟梁の鎧は赤糸縅がいいと思ってしまいます。

鍬形の展示も素晴らしかったですね。
奉納されたものの一部らしいですが、現物とレプリカが並んでいて、磨滅や破損している部分をレプリカで確認しながら見ることができます。
細かい文様やその文様に込められた意味など、興味深かったですね。

今まで全く興味のなかった書簡に関しても、一昨年の正倉院展の戸主事件以降、楽しみの一つになりました。
今回も文字系、萌えましたね(笑)
清盛の文字、花押などは比較的力強いんですが、お写経の文字は筆圧が軽く、並んで書いている(というか続きを書いている)頼盛の文字の方がずっしりしてました。
紺地に金文字。。。その文字一つ一つが素晴らしく美しくって、癖をあまり感じさせません。その集中力足るや、いかほどのものであったのでしょうね。お写経をするオイラですが、想像できません^^;
書簡や日記、お写経など、どの文字もけっこう読みやすい楷書で書かれておりましたが、西行の文字はゆるゆるっと柔らかい感じでしたね。女文字ほど崩れてはいませんが、けっこう崩して書いてました。写経などと違って、歌を書くときには性格が出ているのかもしれませんね。

個人的な意見ですが、全体的に文字が読みやすい楷書だったのは、時代の反映でしょうかね?
研究家じゃないので証拠はないんですけれど、以前読んだ本に、貴族社会の平安時代は、装束も緩やかな体に沿った曲線で、直垂も風になびくような作りであったと。それが鎌倉時代に入り武士の世になると、装束に糊を利かせカッチリとした直線的なラインが出るように仕上げられ、直垂にも芯を入れピンと立ち上がってから垂れる形になった・・・とありました。
これはきっと文字も同じじゃないかと思うんです。
万葉仮名や草書体のようなたおやかな文字は貴族が好んだのではないでしょうか。
比較的カッチリした楷書の文字は、武家社会に移行してる時代を反映してるんじゃないかなぁと思ったのであります。
あくまで、オイラの感想ですが。

最大の楽しみだったのが平家納経。
くぅ~~~!しびれますよ、まったくもう。スンバラすぎます。
返しの扉絵の素晴らしさももちろんですが、お経の上下にちりばめられた絵や切金の素晴らしいこと。銀が酸化しちゃってるのが残念ですが、そこに当時の光を想像するのも楽しい作業であります。
事前にNHKで平家納経の特集を見ていたおかげで、描かれている絵の意味や隠し文字にも気づくことができて、ホントにウハウハでございました。
欲を言えば、お経の面だけでなく表紙部分も写真でなく肉眼で見たかった!!!装飾金具がスンバラらしいのだもの。透かしから打ち出しの丸みまで、すべてがパーフェクトらしいんですもの。この見返しの裏にその技術があると思ったら・・・しくしくしく。
今気づいたけれど、軸の水晶を見忘れた!!!←大ばか者^^;
お経さんを止める紐もスンバラです。厳島組の名前の由来になった組み方で、普通の組紐の組み方とは違うらしい。生って素晴らしいですね。

木曽義仲の生涯を描いた屏風の中に、巴御前を見つけてニヤリとしたり、重盛様の凛々しいお顔にウットリしたり、敦盛の肖像に涙したり。。。
見てるだけでも大忙しです。
しかし清盛展と言いながら、清盛を描いたものの記憶がございませんぞよ。

展示の一番最後が、入水から助け出された健礼門院徳子が籠った寂光院に後白河法皇が訪ねてきているところでした。
訪ねてこられた法皇に徳子が平家の六道、盛衰を語っているところを描いているそうです。
この場面の時子の語りがとても心を揺さぶります。

そして最後、平家は滅びたけれども、平家の築いた礎の上に武士の世が来た誇りを語り、平家物語の冒頭部分に繋がります。


祇園精舎の鐘の聲、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらは(わ)す。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ



この言葉を最後に、清盛展が終了します。






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