ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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役者による小説のススメ ~四月の風景・タイミング~

2006-04-06 10:46:50 | 舞台関係
4月5日。『役者による小説のススメ』を聞きに行った。今回でvol.3である。
毎度毎度、小説の黙読では得られないなんとも不思議な感覚をもたらしてくれる、このススメ。前回までは、オイラが手に取ることもないような作品だったのだが、今回はイワユル誰でもが知っている作家がラインナップされていた。

■夏目漱石 『永日小品』より「心」 …や乃えいじ
■梶井基次郎 「桜の木下には」 …嶋田典子
■久坂葉子 「幾度目かの最期」 …蟷螂襲
■川端康成 「心中」「貧者の恋人」 …蟷螂襲・や乃えいじ・嶋田典子

「うひゃ 教科書に載ってる作家ばかり~。でも、読もうと思わない人ばかり~」
ってのが、ラインナップを見たときの感想(笑)まぁ、梶井は読んでましたがね。
でもねぇ、このススメの素晴しいところは、この「うひゃ」が「うひょぅ」に変るところ。(←意味解りません)要はですね、「うぇ・・・難しくて入りにくいよぉ・・」と思ったものが、聞いているうちに「こんな話やったんかぁ」となり、最後のトークで「いろんな発展があるなぁ」となる訳なのです。
この最期の「トーク」っちゅーのがこのススメの醍醐味でもあると思うのですがね(笑)

目から入る活字と耳から入る活字。そして、そこから膨らむトーク。
今回のテーマが「四月の風景・タイミング」と言うことだったんだけど。
4月はある意味狂っている。心を惑わす何かがある。命の芽吹く底知れないパワー。幻想的な開花。。。4月はある意味狂っているのかもしれない。

トークの中の嶋田さんの言葉が心に残っている。
「春は、心の迷路が感じられる時期かもしれない」
「忙しい中にも、何かふっと心にゆとりのある時、タイミングが合うのかもしれない」


個人的に今回とても気に入った作品が、「貧者の恋人」である。
嶋田さんが主人公の生き方がカッコイイと評したように、物語の最後のレモンの描写が主人公の貧者にもたらした大きさを表しているように思う。こういう生き方をしたいとは思わないけれど、こんな風に別れてもなお、鮮やかに心に残るってのは素敵だな。と思った。

泣きそうになって聞いたのが「幾度目かの最期」
これは、あまりにも生々しい言葉で綴られていて・・・「おばさま」の繰り返しに泣きそうになった。事実、この文章は生々しいものであって然りだと言うことをトークで知って、なおさら泣きそう


一つ一つは短い朗読だったけれど、同じ作品でも3人が3人、捉え方が違ったり、トークの内容とか、トークの暴走さ加減とか(笑)かなり充実したものであった。
今までは蟷螂さんと嶋田さんのお二人の進行でしたが、今回はや乃えいじさんが新たに参加。オイラは舞台で観た事がなくてお初の方だったんですがね。。。ええ声の人でした。やさしい少し低めの響く声でね、ナレーション部分の時に「うわぁ・・・ええ感じや」と浸ってしまいましたね。


この日お客さんの中にお誕生日の人がいた。
彼女は蟷螂さんや嶋田さんのお友達といっても良いくらい(いや、友達なのかもしれない)観劇をし、密な間柄の人なのである。なので、役者さんからBDプレゼントの愛をプレゼントされていた。そのおすそ分けがコレ

役者さんだって人間ですもの。大事なファンには感謝を送るのです。こういったアットホームな演出も、小さいカフェ公演ならではですよね♪ほほえましくも嬉しいひとコマでありました。BDでないオイラも幸せ気分。
ちなみに、グラマシーニューヨークのホールケーキでした。ごっつ美味しかった。スポンジがね、シフォンみたいにふわふわだったのら~♪
そしてトップの写真は、朗読中に頂いた「春キャベツときゅうりの金山寺味噌和え」と「たけのこのかか煮」それに、焼酎でございます

ほかにも、この公演では常連さんになっている方とか、いろいろお話できて♪ホンマ、ええ時間を過ごせたなぁ・・・と、しみじみ思うのでありました。