ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

コメント大歓迎!BUT訳の解らない書き込みはザクザク消しますッス!

ガムランの調

2006-04-19 18:56:41 | 舞台関係
4月16日。南十字星を観に行った。
東京で2公演見た作品なのであるが、波乱含みの東京で観た時より、遥かに心に迫る作品になっていた。
この日、オイラは友達と行こうと思っていたのだが、この日の観劇後に急遽用事が出来たので、友達を誘わず2枚持っていたチケットの1枚を、行ってくださる心優しい方に譲った。そうして当日会ったその人は、非常に美人さんで、感じの良い方だった・・・ラッキー♪

以前見たときは、リナが麻美ちゃんだった。麻美ちゃんは大好きだし、麻美ちゃんは麻美ちゃんでいい所いっぱいなんだけど、今回の大平さんリナにはいたく感動した。
実は、前回は泣かなかったのだ。綺麗なぁ、とか、すごいなぁ、とかは思ったけれど、作品から何も伝わってこなかったのが前回。特に、BC級戦犯の話ということで、以前に見た井上ひさしさんの『闇に咲く花』と比べてしまった事もあるかもしれない。闇に咲く花は生々しかったからね。

大平さんのリナは、歌ももちろんいいのだが、演技が非常に良かった。そっと伏せる眼、とか、震わす肩、とか。細やかな背中の演技が私好み。落ち着いた声の響は、保科より年上に感じちゃうけれど。

そして、今回一番ぐぐ・・・っと来たのが、弟の最期の書付を読む時の春子さん。今、思い出しても泣ける。国民としての誇りと、家族としての悲しみと、その無念と。語尾がね、自然と震えているのだ。武さんの瞳があまりにも美しいから、余計にこの悲しみが心に沁みた。

島村中将のセリフにも、当時の戦犯と判決され、処刑された方々の持つ大きな意味を考えさせられたし、このセリフが、保科を潔く断頭台の露と消えさせたことも否めない。
何か心に決めた人の歩みの強さにも、心が痛い。

前回感じられなかった事が、沢山感じられた今回の観劇。

ガムランの響は大好きだ。ぼわ~んとしながらも、力強い。そしていつまでも余韻が耳に残る。のどかで緑で豊かなインドネシアの風景を感じられる音。
この音が散りばめられた南十字星。
田植えのシーン、アンサンブルさんが沢山いるので、一人一人を認識するのは難しいけれど、あのゆったりとした動きは、見ごたえがあると思う。狭い限られた舞台の上に、涼やかな水の音と風を感じる事が出来るはず。

風を感じながら見ていると、とってもね、筋肉がカチッカチの男性アンサンブルさんを発見した。(笑)お顔の確認はしてないんだけど・・・皆様もちろん筋肉割れまくりなんだけど、あの筋肉かなりです。ちょっと触ってみたいかも・・・

個人的な意見としては、物語としての完成度はイマイチなところもあるんだよね。こう、あの時間内でアレだけの内容とか踊りとかを詰め込むには散漫かな、って思うのだ。ただ、前回よりも伝わる分が多かったので、これからの作品の熟成度によって、かなり雰囲気が変わるかも・・とも思うのだ。
・・・まぁ、あくまでも素人の呟き、個人的意見ですけどね。
今回の観劇では、顔がボロボロになるくらいの泣きでしたし。まぁ、感動するところはキッチリ抑えているって事だぁ。