ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

KAIGO.介護 巻の四十 VS貧血&呼吸困難タッグ!!

2010年08月24日 13時49分07秒 | 介護な日々
2008年12月1日(月)

深夜の電話は不吉な知らせ・・・

ちい兄のことろへT先生からの緊急電話が入りました。深夜に、です。
「呼吸状態がよくありません。」
つまり、父が呼吸困難な状態だというのです!
風を引いて鼻づまりになっただけでもなんだか息苦しいのに、
呼吸不全とは、溺れそうな状態ということか・・・
痛いのもイヤだけど、息苦しいのはどんなに辛いか・・・
私も喘息様の息苦しさは経験があるので少しはわかりますが
あれはホント苦しいですよ・・・

朝になって連絡をもらった私は急いでSセンターに駆けつけました。
呼吸困難な状態ではあるけれど、
酸素吸入を受けてだいぶ楽になっていた父を見てちょっとばかり安心し、
それからまたT先生の長い長い講義のお時間・・・

当時一生懸命メモをとって書いた説明を記します・・・(試験に出る?)

「消化管出血による貧血という状況には変化ありません。
昨日血液検査をした結果を見ますと、
胃や十二指腸ではなく大腸からの出血が多いようです。
正常値が50未満になる、とある検査法があるのですが、
それを見ますとHさんは865もありました。非常に多いということですが
こんな高値は外来では見たことがありません。
実はこの1ヵ月半の間に1万を越えたこともありました。
最近は300くらいになってきていたのですが・・・。
それから、血液中のヘモグロビンの値が、正常値は8以上ですが7.6です。
そしてアルブミンは2.4から2.5は必要なんです。
そのため昨日輸血を250mlとアルブミン投与をしました。

アルブミンは血液中に水分を取り込み、維持する働きがあります。
これが不足すると血液中の水分が浸出して肺の辺りに溜まります。
輸血とアルブミンの投与で、この溜まった胸水を血管に引き戻すのですが
昨日はこれが急激に起こったものと考えられます。
肺には血管がたくさんありますが、この血管に水が戻る過程で、
肺の、本来空洞であるはずの肺胞の中に水が入った状態になり
結果呼吸困難を起こしたと思われます。
この状態は二次的に心不全をも引き起こします。
そうすると次には腎不全も起こします。
そして更に腎不全になると尿ができにくくなります。
実際に、夕べ9時頃から尿が出ていませんでした。
ですので今朝から利尿剤を投与しています。
普段の4倍量を投与しても出ないので8倍量にしたら何とか出始めました。
尿が出だしたので少し落ち着きましたが、一時的なものかもしれません。
心不全腎不全ともに少し悪化したと思われます。

消化管出血が止まらないと先へ進めない状況は変わりません。
また危ない状況になる可能性は十分あります。
今後の治療についてですが、
強心剤のドーパミンという薬があります。
今は2γ(ガンマ)という単位まで使っていますが、最高5γまでは使えるかと思います。
あまり使いすぎるとかえって心臓に無理がかかるので注意が必要なのですが、
科学的な根拠は実はよくわかっていないのですが
この薬は腎臓に良いということがわかっていますので
そのためにも使っていきます。
また、ドブタミンという強心剤も5単位まで使えると思います。
但し、これらは正直言って完全に延命治療でしかありません。
消化管出血には何の効果もありません。

それでも強心剤を使うかどうかはご家族で話し合って返事をください。
また、強心剤はいうなれば心臓のポンプ機能を強化するので、
どんな種類のものでも急激に血圧をあげてしまい、
結果的に心停止を引き起こすリスクは持っています。
そのことを含み置いてお答えください。
また、呼吸困難がひどくてあまりしんどいようでしたら
鎮痛剤を投与することも出来ますが、
そうするとご本人はずうっと眠ったような状態になります。
苦痛はなくなりますが、同時に意識もなくなるような状態ですので、
どうしてもというときは苦痛を取り除くことを優先ということで使います。
もちろんその場合は直前にご家族の了解を得てからにしますが
そういう選択肢も用意しているということで了解ください。」

・・・・・・・・。

今度も、前と同じように胸水がたまったので、
それを抜いたら退院できると思っていました。
・・・のに、次から次へと問題が起こり、
さほど悪くなかったところまで悪くなり・・・まさに悪循環です。

病院に入ったら余計悪くなるとはこういうこと?
でも、入院治療するしかないですよね。


ところで、母は意外にも結構元気です。
先生から自由な外出許可もでているし、
体制が整えば外泊も構わないといわれています。
歩行困難ですからドコでもと言うわけではありませんが、
車イスに乗っけて散歩も行くし、介助すれば車への移乗も出来るので
ちょっとしたドライブなら連れ出せます。

そう・・・父の病院まで車に乗せて会いに行くことも可能なのです。
前回入院した時はそうやって連れていきましたし。
でも、父が入院してから、今回は一度も会いにいっていません。

何故かって??

父の、男の意地でございますよ。

弱っていることろを見せたくない、見られたくない、心配させたくない。
前回連れて行きましたら
「連れてこんでええねん!」「なんで連れてくるんや!!」とたいそうご立腹でした。
・・・も~、ほんまは嬉しいくせに・・・やれやれ・・・
ですから今回も・・・
われわれは万一このまま会えずに終わったら・・・
というのを心配して
「お母さん、連れてこうか?」と聞きましたが
「いらん!!!」とソッコー拒絶。
「退院してからでええ!」
・・・やせ我慢と言うべきなのか、意地と言うべきなのか・・・。
それとも、絶対良くなって、元気な顔を見せるんやという決意の表れ、
あるいは願懸けなのでしょうか・・・

とにかく本人が頑として言い張るものを無視もできず
意志を尊重して様子を見ようとここまで来てしまっていたのでありました。

2009年のお正月、そのお正月にかこつけて
母をSセンターのデイ・ルームまで連れて行ったのに、
「そこまで連れて来てるねん、会わへんか?」
にもガンとして首を横に振るほどの意地っ張り。
・・・結局この時も会わせられないままでした。

無理やりにでも病室に連れて行くべきなのか・・・
もし母が認知症ではなく、足腰が多少弱っているだけなら
きっと素直に会ってくれたでしょう。
でも、この状態では余計な心配とストレスを与えるだけだと、
母に悪影響を及ぼすだけだと思ったようです。

それと・・・母笑っていわく
「お父さんはええかっこしいやからな。
くたばってるとこ見られんのいややねんで。」
・・・そですね、そのとおり・・・。


この後、しばらくは同じような低レベルでの小康状態が続きました。
母の方も特に状態に変化はなく、
良くもならなければ悪くもならない状態でした。
・・・現状維持なら良しとしよう・・・なんて状況ではないのですがね・・・。


それにしても、このころは介護・・・というより看護する家族も
気分的に大変な状態でした。
T先生の同居強要がなにより強烈でした。
まあ・・・先生は患者のことを思うあまりの熱心さなんでしょうが
それ以外でも、何かあると深夜だろうが朝方だろうが
バンバン電話をかけてこられました。
それも、早くお知らせしておくべきだと思われての行動なんでしょうが、
「すぐ行きます!」「なるべく早く行きます!」と申しますと
「いや、それほど急なことじゃないんですけどね。」とか
「今すぐどうこうというほどじゃないですけどね。」とか
「今度こちらにこられるときで良いんですけどね。」とか・・・

だったら真夜中に電話せんといてくれやああ~~~!!!

おかげさまでちい兄は胃炎を患い、
(胃カメラ撮ってもらったらおぞましい映像だったそうです)
この秋冬で8㎏も体重が減ったそうで・・・。
一時は母と一緒にIC病院に入院する覚悟まで決めていましたから・・・。



ご家族の介護にすでに携わっている皆様、
そろそろ介護にかかわろうかという皆様も、
・・・それ以外の皆様も、
ホンマにストレスには気いつけとくんなはれや。
胃炎、胃潰瘍、腸過敏、心不全、うつ、偏頭痛・・・
みなストレスが引き起こすといわれております。
介護する人が倒れる・・・よくあるんです。
かくいうワタクシはメニエール病持ちです。
(と言っても私の場合は介護始めるずっと前からなんですが)

”Care kills a cat”
心配は(9つの命を持つと言う)ネコをも殺す。

英語圏の古いことわざだそうです。

・・・今は転じて、"Curiosity killed the cat"(好奇心が猫を殺した)と
なっているそうですが。

気をつけましょう・・・。
コメント
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