永年に亘りコレクトした
レコード、CD,DVDの処分は、
鑑賞する機会を失った彼らに
新たな嗜好者に出会い
愛される機会を作ることと、
引き取り評価をいくらかでも頂ければ、
の、この目的に加えて、
手放さずに遺された作品を、
我が生涯の残された時間内で、
より集中して愉しむ為でもあった。
処分を実行した結果、
次に起こした行動は、
頂いた予想外の高評価額で、
「唄を忘れたカナリア」状態の
2階の壊れたCDステレオプレイヤーを
買い替える為に、
家電量販店に足を運ぶことだった。
新しい購入機は永年、
1階のリビングで愛用している
BOSEを望んだが、
評価額をすべて投入しても
叶わない・・
そこで、評価額の35%を
新機種の購入に充てることにして、
コンパクトながらも、
価格の割には高品質の
プレイヤーを2階の部屋にセット。
その日から2週間、
飲酒もほどほどに、
夕食後は2階の部屋に入り浸り、
ジャンルに拘らず聴き続ける日々。
毎夜、これが実に愉しくて、
飲んだくれの夜の生活の景色が
一変したのは良いことだが、
出窓にセットしたプレイヤーの
周辺や床はたちまち、CDで散乱・・・
それで土曜日、
プレイヤーを囲うBOXを
作ることを思い付く。
BOXの上で
CDを整理できるばかりか、
作りはいたってシンプルだが
塗料のカラーもマッチして、
インテリアとしても上々の出来。
一日目が鳥羽、二日目が賢島の
二泊三日の社内旅行で
スージィーのいない二日間は、
音楽三昧で過ごし、
強い雨の降りしきる昨日は、
ウォーキングを断念。
遺しておいたクラシック音源の、
とりわけ好きなCDの中から、
内田光子さん(ピアノ)の
「戴冠式」と、
ギドン・クレーメル(ヴィオリン)の
「トルコ風」
(ともに、モーツァルト)
を数年ぶりに聴くことにした。
上が「トルコ風」、
下が「戴冠式」。
曲が流れ出すと途端に、
旋律の渦の中にずるずると
無抵抗で引きずり込まれそうな
上質の音楽ならではの
高揚感に包まれて、
「素晴らしい!」
の一言以外に
言葉が見あたらない。
CDを手放したお蔭で、
プレイーヤーが買えて、
優れた音源で優れた旋律と演奏を
再び、取り戻すことが出来る。
ただ一つだけ、嫌な予感がする・・・
CDを処分して束の間、
コレクター魂に再び、
火が点きそうなこと・・・
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番
「戴冠式」, 第27番
ピアノ:内田光子
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