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「音ではなく、声をきけ」

2012年07月04日 07時58分51秒 | Weblog
「音ではなく、声をきけ」

(生き生き箕面通信1303)より


「民主主義の国」と胸を張るアメリカは、今日が

236回目の独立記念日です。そして、アメリカの民主主義は今やヨレヨレです。


 久しぶりにきちんとした社説にお目にかかったような気がしました。

「音ではなく、声をきけ」は、本日7月4日の朝日新聞社説の見出しで

す。先週末6月29日(金)の、恒例となった「金曜・首相官邸デモ」に集

まった人々があげた「原発再稼働ハンタイ」の声に対し、野田首相が

言い放った言葉が、「大きな音がするね」でした。



 社説はまず、「人々の声を音と表現する背景に、そうした意識がある

なら、思い直してもらいたい」と野田首相に注文をつけました。「反対の

声をいちいち聞いていられるか」という意識が首相にあるのなら、改め

るべきだということです。



 社説は、官邸前に集まった人々が、組織された団体の組織動員では

なく、「普通の生活者が多い」と認めています。「思いは真剣だ。2歳の子

を抱いて福井県おおい町の反対行動に加わった滋賀県の女性(43)は

『いてもたってもいられずにきました』と話した」という声も紹介しています。



 きちんとした社説と評価できるポイントは、「ルールを守れば、デモも集

会も民主主義への大事な参加方式だ」と再確認したことです。日本では、

デモも集会も、「左翼がかった連中の専売特許」といいかねない意識、あ

るいは昔流の「アカ」とする意識がいまも残っているように見えます。しか

し、必要な時には普通の人が街へ出て声を上げることは、民主主義の社

会を守る大事な表現の一手段のはずです。それが片隅に追いやられ、

一部の人のダサい行動とする意識があるように思われます。



 社説はさらに、「原子力政策で国民的論議をめざす野田政権にとって、

『音』ではすまない動きが今、目の前で起きている」と指摘。続けて、「むし

ろこの動きを、既存の政治回路ではとらえ切れない声を直接聴く仕組み

づくりにつなげるべきである」と、踏み込んだ提唱をしました。



 キモはここです。代議制の間接民主主義と、デモや集会などによる直

接民主主義の有機的な融合です。政府が音頭をとる「対話集会」は、ど

こか「やらせ」の疑いがぬぐいきれない。そうではなくて、デモや集会の

人々の前に、政府の責任者が直接出て、街の人々の声を受け止める。

もちろん、訴える側のルールも大事です。ただ、「反対」を唱えるだけで

なく、「原発停止で電気料金が上がっても、これくらいなら受け入れる」

「節電をもっと進めるから、リスクの高い原発から廃炉に」といった内容

を積み重ねる。



 こうした政治文化を育てましょう。「政治が前に進まない」とけなすだけ

では、政治を貧しくするだけです。ひとりが声を上げ、ひとりが行動を起

こせば、それだけ民主主義は豊かになります。



 本日の朝日の社説は、真の民主主義を目指すという観点から、「アッ

パレ!」を差し上げましょう。

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