(暗黒夜考さんのサイト)より

http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/acfa0fb92db7878b3fe04d32dd9ecb8b
<転載開始>

またまた東電のデタラメさ加減が明らかとなった。

フクシマ原発の高濃度汚染水漏れ問題については、つい先日のエントリーにて、このような危機的状況に至っても尚、東電が「流出に伴う汚染の影響は、防波堤や水中カーテンで仕切られた福島第一原発の港湾内にとどまっている」と説明している点に”唖然”とさせられる旨コメントをしたが、それから何日も経たないうちに”東電のウソ”が明らかとなった。

即ち、以下の東京新聞記事にあるように、高濃度のストロンチウムなどを含む汚染水が、外洋につながる排水溝を介して外洋に流出していたことを東電が認めたのである。

今回外洋に漏れ出しているストロンチウムが「1リットル当たり最大580ベクレル」ということであるが、これとは別に汚染監視用井戸で計測されているストロンチウムが「2000億ベクレル」だというのであるから、福島近海の海洋汚染が極めて深刻であることは自明であろう。

そんな中で呆れるのが、一連の汚染水漏れ問題に関する”公共放送”たるNHKの報道姿勢である。

NHKニュースのネット記事は、連日、「猛暑」「大雨」に関する内容で埋め尽くされている一方で、”危機的状況”といってよいフクシマ原発の汚染水漏れに関する記事は”ご愛嬌”程度にしか報じない有り様である。
(テレビにおける報道も同様である)

実際、本日(8/24)の記事内容をみてみると、島根県の大雨関連記事で文字通り埋め尽くされた格好であるから呆れるばかりである。

これに輪をかけて驚かされるのが、汚染水漏れ問題をよそに、以下の2点目の記事にあるように、首都圏の社会人や大学生を対象に「沿岸漁業の現状学ぶツアー」が開催されたニュースを平然と報じている点である。

このツアーは原発事故からの復興を目指す福島県の漁業の現状を伝えるため、福島大学の学生が企画したものということであるが、この期に及んで尚、「シラスの検査では一昨年の夏以降、2年以上、放射性物質の値が国の基準を下回っている」として、曲がりなりにも”公共放送”たるNHKが「福島近海の海産物=安全」という印象操作をおこなっていることに怒りを覚える次第である。

そもそも論として、ここでいう「検査」とは放射性セシウムや放射性ヨウ素のみを基準にしたものであり、ストロンチウム、トリチウムといった、より危険で人体に有害な放射性物質についてはマトモに検査などされていないのが実態である。

今回、マトモに検査がなされてこなかったストロンチウムなどが高濃度に含まれた汚染水が外洋に流出したことが明らかとなっている訳であるにも拘らず、時間が経てば、福島近海での操業が再開されるとの印象を視聴者に与えると共に、みんなで福島県の漁業関係者を応援することが美徳であるかのように悪質な”問題のすり替え”をおこなうNHKの報道姿勢は、犯罪行為同然であると断じてよいであろう。

批判を覚悟で何度でも繰り返して言わせていただくが、フクシマの汚染水問題の実情を鑑みれば、福島近海どころか、東日本近海から外洋(太平洋)に至るまで、日本の海産物はもはやこれを食すことなど無理であろう。

311以降、政府はすでに国民の健康・生命よりも国体を維持を優先する「棄民政策」を粛々と実行しているゆえ、政府は今後もこれまでと同様に大手マスゴミと共謀して「食の安全」を喧伝し、「食べて応援キャンペーン」を継続して、海産物について何ら規制を強化することなどまずないであろう。

したがって、今までもそうであったが、今後はこれまでよりも更に我々国民の側の”自主的な判断”が重要となるであろう。

即ち、自身とその家族を守るのは、自分自身しかないということを肝に銘じることが重要だということである。

日本国家がどんどん”非常識さ”の度合いを高めている中、問われるのは周りに流されない”常識”的な判断である。

 


(転載開始)

◆福島第一 排水溝から高濃度ストロンチウム タンク汚染水 外洋流出
 2013年8月24日 東京新聞 朝刊

 

 
東京電力福島第一原発の地上タンクから、原子炉を冷やした後の処理水三百トンが漏れた問題で、東電は二十三日、外洋につながる排水溝に沿い、高い濃度の放射性ストロンチウムなどを含む水が確認されたと発表した。処理水がそのまま外洋に流れ出ていたことが確実になった。

東電は二十二日、問題のタンク群近くの排水溝で採取。分析した結果、タンクより上流では放射性セシウム、放射性ストロンチウムとも濃度比のばらつきはあまりなく、濃度も一リットル当たり数十ベクレル程度と比較的低かった。

しかし、処理水が溝に流れ込んだとみられている地点から下流側では、セシウム濃度はほとんど検出されなかったのに対し、ストロンチウムは一リットル当たり二〇〇~五八〇ベクレルと高い値で検出された。

タンクから漏れた処理水は、原子炉建屋地下にたまった高濃度汚染水からセシウムの大半を除去してあるが、ストロンチウムなどは高濃度で残っているのが特徴だ。

溝で採取された水とタンク内にあった処理水の特徴が一致していることから、漏れた水は溝を伝って外洋に流れ出たことがより確実となった。既に、溝の中には土砂とともに水が流れた形跡があり、毎時六ミリシーベルトと通常よりかなり高い放射線量が計測されていた。

 

◆福島 沿岸漁業の現状学ぶツアー
 8月24日 19時56分 NHKニュース



福島県いわき市で、首都圏などの社会人や大学生が、東京電力福島第一原発の事故の影響で今も再開されていない沿岸漁業の現状を学ぶツアーが行われました。

このツアーは、原発事故からの復興を目指す福島県の漁業について知ってもらおうと、福島大学の学生グループが2日間の日程で企画し、首都圏などから社会人や大学生およそ40人が参加しました。

初日の24日は、参加者が漁船に乗り込んでいわき市の沖合に向かい、魚介類の放射性物質を調べるためシラスを取る様子を見学しました。

また、船の上で漁業者から福島第一原発から海に汚染水が流出していることが明らかになり、来月からいわき市の沖で行う予定だった試験的な漁が延期されたことや、シラスの検査ではおととしの夏以降、2年以上、放射性物質の値が国の基準を下回っていることについて説明を受けました。

参加した東京の学生は「漁業者の『漁をしたい』という気持ちが分かり、参加してよかった」と話していました。

また、宮城県の会社員の男性は「生き生きと検査のためにシラスを取る姿を見て、市場に出せない残念さが分かった。体験したことを周囲の人に伝えていきたい」と話していました。


(転載終了)