崩壊に向かっている米国流グローバル資本主義
[高橋乗宣の日本経済一歩先の真相]
(日刊ゲンダイ)より
大量生産、大量消費の限界
9月の日銀短観で大企業製造業の景況感が3四半期ぶりに悪化した。
ただ、7割弱の企業が尖閣問題の過熱前に回答しているため、
反日デモや不買運動の影響は含まれていないようだ。
対中関係の現状を盛り込んで判断すれば、
景況感はさらに悪くなっている公算が大きい。
グローバル化は21世紀経済の原動力と考えられてきた。
サプライチェーンは地球規模に拡大し、バスに乗り遅れた企業が消えていく。
そう信じられてきた。
日本企業も、バブル崩壊が落ち着いた90年代後半以降、一斉に動き出している。
商社、メーカー、小売りなどさまざまな企業が中国に進出。生産拠点や店舗を構え、
利益を上げていった。
だが、副作用の大きさが、あらためて浮き彫りになっている。
中国では「日本」が狙い撃ちにされ、工場やスーパー、料理店も襲われた。
その上、書籍の取り扱いまで禁止されたところをみると、
日本排除は長期化するかもしれない。一過性の問題と考えるのは楽観的だ。
だからといって、引き揚げるのも容易ではない。
今年末にオランダから撤退する三菱自動車は、
現地工場を1ユーロで売却することを決めた。
それに伴って280億円の特別損失を計上するそうだが、
資本主義が定着した国でも、これだけの損失を覚悟しなければならないのだ。
中国が相手となると、強いられる負担は計り知れないだろう。
引き際に身ぐるみをはがされる恐れもある。
進むも地獄、引くも地獄。
大量生産、大量消費を前提にした米国的なグローバル資本主義は崩壊に向かっている。
そう考えるのが自然だろう。グローバル化は打ち出の小槌ではなかったのだ。
それでは日本経済はどうすればいいのか。やはり、答えは里山にありそうだ。
日本には豊かな自然があり、地方では特色のある文化が根付いている。
それらを土台として経済活動を営んでいくことが、
暮らしを豊かにしていくはずだ。
身近にある農産物や伝統的な工芸品に目を向ける。
さして珍しくない当たり前だと思っているものの中に、宝は眠っているのだ。
日本各地にある「埋蔵文化財」を掘り起こし、世界に向けて発信していくことで、
米国的ではないグローバル化を進める。
それが日本の進むべき道だ。
[高橋乗宣の日本経済一歩先の真相]
(日刊ゲンダイ)より
大量生産、大量消費の限界
9月の日銀短観で大企業製造業の景況感が3四半期ぶりに悪化した。
ただ、7割弱の企業が尖閣問題の過熱前に回答しているため、
反日デモや不買運動の影響は含まれていないようだ。
対中関係の現状を盛り込んで判断すれば、
景況感はさらに悪くなっている公算が大きい。
グローバル化は21世紀経済の原動力と考えられてきた。
サプライチェーンは地球規模に拡大し、バスに乗り遅れた企業が消えていく。
そう信じられてきた。
日本企業も、バブル崩壊が落ち着いた90年代後半以降、一斉に動き出している。
商社、メーカー、小売りなどさまざまな企業が中国に進出。生産拠点や店舗を構え、
利益を上げていった。
だが、副作用の大きさが、あらためて浮き彫りになっている。
中国では「日本」が狙い撃ちにされ、工場やスーパー、料理店も襲われた。
その上、書籍の取り扱いまで禁止されたところをみると、
日本排除は長期化するかもしれない。一過性の問題と考えるのは楽観的だ。
だからといって、引き揚げるのも容易ではない。
今年末にオランダから撤退する三菱自動車は、
現地工場を1ユーロで売却することを決めた。
それに伴って280億円の特別損失を計上するそうだが、
資本主義が定着した国でも、これだけの損失を覚悟しなければならないのだ。
中国が相手となると、強いられる負担は計り知れないだろう。
引き際に身ぐるみをはがされる恐れもある。
進むも地獄、引くも地獄。
大量生産、大量消費を前提にした米国的なグローバル資本主義は崩壊に向かっている。
そう考えるのが自然だろう。グローバル化は打ち出の小槌ではなかったのだ。
それでは日本経済はどうすればいいのか。やはり、答えは里山にありそうだ。
日本には豊かな自然があり、地方では特色のある文化が根付いている。
それらを土台として経済活動を営んでいくことが、
暮らしを豊かにしていくはずだ。
身近にある農産物や伝統的な工芸品に目を向ける。
さして珍しくない当たり前だと思っているものの中に、宝は眠っているのだ。
日本各地にある「埋蔵文化財」を掘り起こし、世界に向けて発信していくことで、
米国的ではないグローバル化を進める。
それが日本の進むべき道だ。
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