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山本太郎氏と渡辺美樹氏 好対照な2議員の国会初登院

2013年08月02日 18時19分54秒 | Weblog

山本太郎氏と渡辺美樹氏 好対照な2議員の国会初登院

(田中隆作)より

選挙を支えたボランティアたちと記念撮影する山本太郎議員。=2日、午前9時30分頃、国会議事堂正門前 写真:山田旬=

選挙を支えたボランティアたちと記念撮影する山本太郎議員。=2日、午前9時30分頃、国会議事堂正門前 写真:山田旬=

 参院選挙後初となる臨時国会がきょう召集され、新人議員たちが初登院した。午前8時、正門が開くと三々五々、議事堂に向かう緩やかなスロープを上って行った。議員バッジがまだ胸になじんでいないことがフレッシュさを感じさせる。

 50人近い報道陣が正門の内側で待ち構えた。筆者と山田カメラマンは国会記者クラブ員ではないため、別途登録手続きをし、入場した。

 マスコミが集中したのは、ある2人の新人議員だった。自民党の渡辺美樹議員と無所属の山本太郎議員だ。

 8時30分、渡辺氏が正門前に姿を現すとカメラマンとリポーターが取り囲んだ。「おめでとうございます」と最敬礼するワイドショーのリポーター。「今のお気持ちは?」と満面の笑みを浮かべる女性キャスター。

 彼らがすり寄るのは、渡辺氏が与党議員だからだろうか。それともワタミの広告欲しさからか。

 議事堂をバックにした『囲み』記者会見が始まると、記者クラブらしさがフルに発揮された。

 「経営のノウハウを国会でどう活かしますかあ~?」民放TVの女性キャスターはイントネーションをつけてマイクを向けた。明らかなヨイショ質問だ。

 筆者は「過労死を出すほどの法令違反をした会社の経営者が立法府の議員になるのは矛盾していないか?」と聞いた。

 渡辺氏は「矛盾していない」とキッパリ答えた。「5年前に過労死を出してからというもの本当に反省して改善に取り組んでいるから」と説明した。

 筆者は釈然としないため食い下がろうとした。すると、『囲み』を取り仕切っていた記者クラブの代表は「はい次」と言って質問を遮った。

 『囲み』を終えた渡辺氏は議事堂を背にガッツポーズを決め、記者クラブのカメラマンはサービスショットを撮りまくった。

渡辺美樹議員は得意の経営理念を中心に抱負を語った。=午前8時30分頃、写真:山田旬=

渡辺美樹議員は得意の経営理念を中心に抱負を語った。=午前8時30分頃、写真:山田旬=

 渡辺氏の登院から約1時間後。山本太郎議員が正門前に到着する。選挙を支えたボランティアたちが拍手と歓声で迎えた。昨年末の衆院選から携わっている人も少なくない。記念撮影で思った以上に時間を費やしたため、山本議員が正門をくぐったのは9時45分頃だった。本会議は10時からだ。

 『囲み』記者会見で、記者クラブから「初登院のお気持ちは」と聞かれると山本氏は「自分は当選した時から初登院しているつもりだったので、きょうも気持ちに変わりはない」。

 「何から始めたいか?」との質問には「何よりも気をつけなければならないのは足元をすくわれないようにすること。一番必要なのは脱被曝」と答えた。

 件の女性キャスターがすかさず突っ込みを入れた。「足元をすくわれないようにするとは具体的にどういうことか?」「国会議員の身分が保証されないということか?」「脅しがあるんですか?」

 女性キャスターはスキを突いてくるような質問を連発した。渡辺氏の時とは姿勢が180度違う。別人のように険しい表情だ。

 記者クラブにレベルの低い質問を続けさせるわけにはいかない。筆者は、「脱原発の他に取り組みたい政策は何か?」と質問した。国会議員としての抱負を引き出すためだ。

 山本議員は次のように答えた―
「(反)原発で仕事を干されて分かったことは、すべてが労働問題につながっているということ。過労死を取り締まる厳しい法律がない。この国は労働者を殺して 良し としてきた。過労死防止基本法を一日も早く制定したい」。

 即戦力と言われる官僚出身の新人議員でさえ、ここまでの問題意識とそれに沿った政策は持ち合わせてはいない。

 自民党議員として記者クラブに持ち上げられる渡辺美樹氏。無所属で脱原発や過労死防止法を掲げマスコミから鵜の目、鷹の目で狙われる山本太郎氏。好対照の2人から目が離せない。


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