大木采配 結実の時 サンガ、11日vs甲府
決戦前日の練習は選手、コーチが全員輪になって行うボール回しから始まった。
10日午前9時半。監督の大木武は選手よりもはしゃぎ回る。
場が和み、笑顔の輪も広がった。
■7年前、サンガを破り甲府をJ1へ導いた
いつも通り、居残り練習する選手に最後までつきあった後、口を開いた。
「勝った時のイメージしかないね。楽観的にいくほうが幸せでしょ。
あと24時間あるんだから、笑って過ごす方がよっぽどいい」。
かつて率いた甲府との数奇な運命を楽しむように。
さかのぼること7年前の12月3日。J2最終節のカードは、この時もサンガ-甲府だった。舞台も西京極。サンガはすでに優勝を決め、4位甲府は入れ替え戦出場の3位を目指し勝利が必要だった。
サンガが前半、田原豊(現横浜FC)のゴールで先制したが、甲府は後半35分に勝ち越し、3位に滑り込んだ。
大木は試合後の記者会見でコメントした。
「今日の勝利は甲府にささげる勝利だと思います」
今回の決戦、両者の立場は逆に近い。因縁を感じるか。
そう振られた大木は素っ気なく言った。
「全然関係ないね」。
当時甲府の主将だった倉貫一毅も同じ。
「そうやって書きたいんでしょう。メディアで盛り上げてくれたらええやん」。いたずらっぽく笑った。
日本代表コーチを経て大木は昨季、サンガの監督に就いた。
徹底してパスをつなぎ、守備になればボールに圧力をかける。甲府時代、名将オシム(元千葉監督)らから賞賛を受けたサッカーを京都で進化させようとした。
戦術の浸透には時間がかかった。
昨季は早々と昇格争いから脱落。今季も連敗が多く、苦しい時期もあった。
「こんなサッカーは見たくないとか、去年も含めていろいろ言われたり、書かれたりした」。
そして、古巣との決戦を前に秘めた思いを語った。「俺の体の中は京都のことでいっぱい。
どんなに甲府のサポーターに頑張って、と言われても甲府の『こ』の字も体に入る余地はない。
それが甲府へのリスペクトであり京都のみなさんへの気持ち。
これで終わり。そういうつまらない話は」
相手が甲府というよりも、無敗記録を続ける最高の好敵手と昇格を懸けて戦える喜びの方が強いのだろう。
大木の熱弁は続いた。
「うちは記録じゃなく、記憶に残るゲームをしたい。
あの時の京都はすごかった、サンガはすごかった。
そういうゲームをしたいね」
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コメント
甲府戦。絶対に諦めない戦いを。相手デフェンスを崩せ。ショートパスとドリブルでゴール前をこじ開ける攻撃サッカーを。パスサッカーを基本に、ロングボール攻撃、サイド攻撃、ドリブル突破でサンガ快勝か。
中村選手インタビューで、僕がいなければ、たぶん(J1に)上がれないと思いますし、僕がしっかり引っ張って、点を取れば勝てるので、昇格するためにも、もっと成長したいですね。
「ダヴィ頼み」の甲府は、強力な攻撃陣を擁するチームのイメージですが、ダヴィが警告の累積により出場停止。チャンスの女神がサンガの勝利を見たがっている。球際や気持ちで負けるな、サンガ必勝を。
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