円山公園、花見用ブルーシート禁止 京都市景観考量
花見客の場所取り用ブルーシートが景観悪化を招き、
問題となっている国の名勝・円山公園(京都市東山区)で、
京都市は25日朝から一部区域のシート使用を禁止する。
代替策として見栄えや通気性の良いゴザを無償で貸し出す方針で、
桜の生育にも配慮しながら花見を楽しんでもらう。
円山公園は約8万6千平方メートルの敷地に約680本の桜が植わり、
花見シーズンはブルーシートで長期間「占拠」される事態に陥る。
市南部みどり管理事務所は前日からの場所取り禁止を
定期巡回や看板設置で訴えてきたが、
改善が見られないため一部規制に踏み切ることにした。
シートの使用が禁止されるのは「祇園の夜桜」で知られる
シダレザクラ周辺の約4千平方メートル。
代わりに一畳敷きのゴザ3千枚を用意、25日朝から無償提供する。
来月15日ごろまで続ける。ゴザの持ち込みは許可するが、
前日からの場所取りは認めない。
同事務所によると、シートによる占拠は桜の樹勢にも打撃を与える。
空気の遮断で近年は枝ぶりや花つきが目立って悪くなっているという。
花見客が土壌を踏み固めないように、
市は禁止区域にある28本の桜を直径3メートルの柵で囲う措置も施した。
4月の新入生歓迎会のためブルーシートを20日から敷き、
交代で場所取りを続ける大阪市の女子大学生(19)は「禁止はいい考え。
私たちも本当はこんなことをやりたくないんです」と喜ぶ。
一方、長崎県大村市から夫婦で旅行中に訪れた
木村徳雄さん(59)は「ゴザになっても場所取りがなくなるわけではない。
高齢者らの枠を設けるなど誰もが納得できる仕組み作りが必要だ」と話した。
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