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「小沢はなぜ選挙を重視するのか」

2010年02月27日 11時27分27秒 | Weblog
「小沢はなぜ選挙を重視するのか」(EJ第2761号)JAXVN より

小沢幹事長はそのやることなすことすべて選挙を意識してやっていると批判する人がいます。
小沢にそのことを聞くと、「民主党は衆議院では過半数をいただいたが、参議院では過半数に達し
ていない」という返事が返ってきたものです。
 
もっとも2月8日に、田村耕太郎参議院議員が民主党入りを表明したので、参議院の民主党会派は参議院定数「242」の半数である「121」を確保していますが、7月には参議院選があるのでその結果しだいでは、どうなるかわからないところです。

国家国民のことを考えないで「選挙」にだけ関心を向ける――こういって小沢の姿勢を批判する人はたくさんいます。
民主党議員の中にもこういう批判を口にする人は少なくないのです。
しかし、小沢にいわせると、国家国民のことを考えるからこそ「選挙」が重要なのだというのです。
なぜなら、民主主義の政治では、政治家は選挙によって選ばれるからです。
政治家は選挙によって鍛えられ、本物の「国民の代表」になるからです。
小沢が民主党の代表になり、いったんは代表を辞任したものの選挙担当になってからの民主党の選挙は、明らかに変貌したといわれます。

一言でいうと、それまでのスマートな選挙が、泥臭い「どぶ板選挙」に変わったのです。
小沢はこれについて自著の中で次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
「どぶ板選挙」という言葉をご存じだろう。路地から路地へ、どぶ板を渡りながら歩くような、地道な選挙運動のことを言うのだが、マスコミはこの言葉を侮蔑的なニュアンスで使うのが常である。
今はインターネットも普及しているマスメディアの時代なのに、そういう昔ながらの、地を這うような選挙をする連中は、時代遅れで古くさい候補だと暗に言いたいのだろう。
だが、僕は「どぶ板選挙」こそが、本当の選挙だし、それがなくなったときに民主主義はなくなるとさえ思っているのだ。
      ――小沢一郎著、『小沢主義/志を持て、日本人』集英社インターナショナル
―――――――――――――――――――――――――――――
今までの民主党の候補者がやっていた選挙は、支援してくれる労働組合の組織に頼り、駅や繁華街などの人の集まる場所で、長時間、演説をするというやり方だったのです。
しかし、小沢流選挙戦術はまるで違うのです。昨年の衆議院選の最大の目玉といわれた選挙があります。東京12区です。
与党の候補は、公明党代表、太田昭宏氏の選挙区です。この選挙区は小沢自身が出るといううわさがあって、話題になったのですが、小沢はそこに元タレントで参議院議員(比例)の青木愛氏を立てたのです。
その発表の席上、小沢は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
太田さんはそんなに強い候補とは思いません。それはいろいろなデータを見ればわかる。一人でも多くの都民が彼女を見てくれれば勝てる。
気力、体力の許すかぎり歩け、と頼みました。
       ――野地秩嘉/小塚かおる著
      『小沢選挙に学ぶ/人を動かす力』/かんき出版刊
―――――――――――――――――――――――――――――
このシーンはテレビで何回も報道されたので、ご覧になった方も多いと思います。
これを見て、とてもじゃないが、青木で公明党の代表に勝てるはずがないと考えた人は多かったと思います。
しかし、結果はどうだったでしょうか。
青木愛氏は小選挙区で太田候補に1万票の差をつけて当選し、比例の重複立候補をしていなかった太田氏はバッジを失ったのです。
出馬表明から一ヶ月あまりしかなかったのに、落下傘候補の青木愛氏はなぜ強敵の太田候補に勝てたのでしょうか。
正確なことはわかりませんが、小沢には20人以上の私設秘書がいるといわれています。いずれも小沢流の選挙戦術を叩き込まれている選挙のベテランです。
なぜ、小沢は政治資金で土地や住宅やマンションを買うのかというと、こういう秘書軍団の宿舎が必要だからなのです。
しかしこのことは絶対に小沢は詳細を語らないのです。まさに究極の企業秘密であるからです。
実は青木氏の選挙事務所には2人の秘書が投入されています。
一人は常駐で、もう一人は出陣式や鳩山遊説など「ここぞ」というときに応援に駆け付けるのです。
したがって、実質的に青木氏の選挙を仕切ったのは、常駐の秘書です。彼は東北地方の複数の
選挙事務所をかけもちしていたのですが、小沢の命令で青木氏の常駐秘書として選挙の指揮をとったのです。
青木氏は元タレントで、しかも参議院議員であり、知名度があります。
以前の民主党や自民党だったら、メディアを使って空中戦をやるはずです。その遊説日程をメディアに明かせば、テレビ局は勝手にやってきます。
しかし、小沢はそんなことはさせなかったのです。
何をやったか。
徹底的な「どぶ板」選挙です。
遊説日程もメディアに知らせていないし、青木氏が何をしているのか、太田陣営にはまったく見えていなかったのです。
ただ、太田陣営は、青木氏の出馬表明からわずか2日にして、青木候補が並々ならぬ強敵であるということを思い知らされたのです。
それは、わずか2日間で1000枚を超える青木氏のポスターが選挙区全般に貼り出されたからです。
人数を動員して夜を徹してポスターを貼ったのです。
これは完全に公明党のお家芸を奪うものだったのです。
まして青木氏のポスターはよく盗まれるほどの人気ポスターだったのです。
そして、小沢は実に4回にわたって、青木事務所を電撃的に訪問しています。
小沢訪問ごとに青木陣営の団結力は強くなり、終盤戦には勝利を確信するところに達したのです。まさに、小沢選挙戦術恐るべしです。
小沢は「選挙は風に頼るな!」といっているのです。           
―――[小沢一郎論/37]

≪関連情報≫
 ●太田昭宏代表、民主党青木愛氏に敗れる
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公明党の太田昭宏代表は東京12区で民主党元職の青木愛氏に敗れ、落選した。
比例代表に重複立候補せず、背水の陣を敷いていた太田氏。
選挙戦終盤は全国遊説に出ず、地元にとどまり、票の掘り起こしを図ったが、自民支持層も一部が青木氏に流れ、無党派層にも浸透しきれなかった。
参院議員から転出した青木氏は選挙区内をくまなく回り、無党派層にも支持を広げた。(共同)


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