明日を信じられる時代になって欲しい。日常の活動日記

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「省庁版仕分け」スタート 初日は経産省、特産品館補助は「廃止」

2010年05月26日 20時58分39秒 | Weblog
「省庁版仕分け」スタート 初日は経産省、特産品館補助は「廃止」

政府は26日、各府省が内部で予算の使途や効率性について検証する「行政事業レビュー」を始めた。

いわば「省庁版事業仕分け」で、平成21年度に執行済みの約5000事業が対象。

6月下旬までに結果を公表し、23年度予算の概算要求に反映させる方針だ。

初日の26日は経済産業省のレビューが行われ、各地の特産品を販売する東京・有楽町の「むらからまちから館」の運営補助事業を「廃止」と判定。

特許や商標権の出願について中小企業に指導する「中小企業産業財産権出願等支援事業」は「抜本的改善」とした。

行政事業レビューは、行政刷新会議が実施した「事業仕分け」の手法を予算編成作業に活用する狙い。

有識者も交えた各府省の専門チームが事業概要や予算の執行率などのデータをもとに議論し、各事業について判定する。6月下旬まで12府省で実施される。

海兵隊国外排除は日本の損失と熱弁する米代理人

2010年05月26日 19時47分58秒 | Weblog
海兵隊国外排除は日本の損失と熱弁する米代理人 (植草一秀の『知られざる真実』)より

マスメディアは米国の代理人としか思えない人物にしか発言の機会を与えない。
元外務省職員の岡本行夫氏は常にメディアが起用する発言者である。
岡本氏は次のように述べる。
①日本が海兵隊基地建設を拒絶すれば米国海兵隊は日本から出てゆくだろう。
②日本が米軍を追い出したように映ることがよくない。
③近隣諸国は日米同盟の弱体化を察知して、冒険的な行動に出る。
④日本の安全保障は米軍によって確保されており、日本の安全が脅かされる。

普天間基地返還問題で明らかになったことは、多くの日本国民=日本の主権者が米軍に対して拒絶反応を示していることだ。

鳩山政権は普天間代替施設を沖縄県外の日本国内に求める検討を行った。ひとつの候補地として鹿児島県徳之島が浮上した。これに対して徳之島住民は基地拒絶の姿勢を強く示した。

マスメディアは、基地拒絶派支援の姿勢で報道を展開した。鳩山内閣の徳之島移転案を粉砕する姿勢をメディアは鮮明に示したのだ。

4月25日には沖縄で県内移設反対の県民大会が開催された。大会には仲井真弘多知事も参加した。メディアは県内移設反対の沖縄県民の姿勢を肯定的に報道し、鳩山政権が窮地に追い込まれることを強調した。

沖縄以外の国内移設も断固拒絶、沖縄県内移設も拒絶なら、結論は国外移設しかない。(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-0fb7.html )鳩山総理は県外移設を決断すれば良かったはずである。

ところが、鳩山総理は辺野古付近への移設を表明した。(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-aada.html )

県外移設も県内移設も反対の姿勢を支援したメディアは鳩山総理の決断を断固糾弾しなければおかしいが、辺野古移設案が表明されると、メディアの県内移設反対論調がピタリと止んだ。

沖縄県民の声は鳩山政権攻撃のために利用されただけで、沖縄県民はマスメディアから使い捨てにされた状況だ。

マスメディアの主張と主権者国民の主張とは、大きく乖離している。

主権者国民は、新たな米軍基地を日本国内に新設することに対して拒絶の姿勢を示している。これが日本の主権者の総意であるなら、この主権者の声が政治に反映されなければならない。マスメディアは主権者国民の声が政治に反映されるように報道を展開すべきでないのか。

主権者国民の声を政治に反映させる大きな手法が世論調査である。

①名護市民が基地移設拒絶の民意を表明するなかで、政府が辺野古への基地移設を表明したことを適切と思うか。
②海兵隊の沖縄残留は「抑止力」の視点から日本にとって不可欠と思うか。
③普天間代替施設の受け入れを表明しているグアム・テニアンへの移設は優れた代替案だと思うか。

これらの質問を主権者国民にぶつけて民意を確かめるべきだ。

岡本氏は海兵隊の沖縄残留が日本の安全保障を確保する「抑止力」だと主張(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-61ba.html )するが、海兵隊の主要任務は有事の際の米人保護にあり、「抑止力」にはならないとするのが多くの軍事専門家の見解である。

日本政府が代替施設の国外移設の決断を示すと、米国が怒り、海兵隊が日本から出てゆくことになる。このことは日本の損失だから、米国の主張を受け入れるべきだというのが岡本氏の主張である。

このような対応を続けているから、日本はいつまでたっても対米隷属から抜け出すことができないのだ。外務省の実態が米国外務省日本支局になってしまっているところに問題の根源がある。

江戸末期に黒船で開国交渉に来日したペリー提督の日本遠征記(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-3410.html )の記述を改めて確認する。

「何があってもがんばりとおすことがいちばんの上策と思えた。くみしやすいと侮られるより、融通のきかない頑固者を演じるほうがよい。向こうがどんな印象を抱くかによって、あるていど交渉の行方は決まるのだ。」

米国は、強い態度に出れば日本は必ず譲歩すると日本を見下している。相手の顔色ばかり気にする弱腰外交を続けるから国が蹂躙されるのだ。

対米隷属派は米国代理人である可能性が極めて高い。代理人は日本ではなく米国の利益のために日本の言論を誘導しようとする。

メディアが米国代理人と見られる人物だけを登場させるのは、メディア自身が米国代理人であるからと考えられる。

客観的に判断して、米国は日本の広大な領土を基地として利用できることで膨大な恩恵を受けている。この事実は海兵隊を日本から追放されたところで微小にしか変化しない。

海兵隊の国外退去を命じられても、米国から日米同盟解消を提案する可能性は、米国が芝居を打つ以外にはあり得ない。フィリピンと日本の地政学上の価値はまるで異なるのだ。

日本は現在も多くの国土を米国に占領されたままの状態にある。しかも、治外法権まで認めさせられている。

米国が何よりも恐れていることは、普天間基地返還問題で米国がゴリ押し外交を展開し、日本政府が屈辱的な対米隷属を示した結果として、日本国内で反米感情に火が点くことだ。直嶋正行経産相が沖縄を訪問した福島みずほ社民党党首について、「火を点けて回るようなことをするのはいかがなものか」と発言したが、米国の感想を代弁したもののように見える。

日本が米国に提供している負担を考えれば、海兵隊国外退去を日本が主張することは、正当そのものである。麻生政権が成立させてしまった合意の歴史的事実を消すことができないから、礼を尽くす必要はあるが、決して法外な要求ではない。

この難題に取り組む決意をした以上、鳩山総理は最後まで仕事をやり遂げる意志を持つべきだ。中途半端な行動では一国のリーダーは務まらない。

一番大事なことは、日本の主権者国民がこの問題をどう考えるかだ。

この問題こそ、世論調査が大好きなマスメディアが毎日でも世論調査を実施するテーマだ。

同時に、国外移設を主張する政治勢力が結集しなければ大きな力にならない。

①対米隷属からの脱却、②官僚利権の根絶、③大資本と政治権力との癒着解消、が日本政治刷新の三大課題だが、7月に予定される参院選の最大の争点を、①対米隷属の継続か脱却か、とすることも検討に値する。

この争点が前面に出るためには、対米隷属継続派と対米隷属脱却派が政治勢力として二分されなければならない。主権者国民の意思が政治に反映されるためには、最も重要なテーマについて、政治勢力の姿勢が明確に示されることが不可欠だ。

民主党が「対米隷属からの脱却」の旗を降ろすなら、多くの主権者の支持を失うことになるだろう。社民党との選挙協力も解消になる。主権者国民は民意を代表する政治勢力を新たに集結させねばならなくなる。

普天間基地問題での米国のゴリ押し外交に対する日本国民の反発が急拡大しておかしくない時期に、突然南北朝鮮の軍事緊張が高まることを偶然の一致と考えにくい。

米国は謀略と情報工作の宗家である。この事実を踏まえて現実の深層を抉(えぐ)らねばならない。

テニアン島のデラクルス市長が26日、社民党本部を訪れた

2010年05月26日 19時11分55秒 | Weblog
アメリカ軍の普天間基地移設問題は、日米合意の一方で、連立合意の壁が立ちはだかっている。

こうした中、閣内からはさらなる先送り案も浮上している。

テニアン島のデラクルス市長が26日、社民党本部を訪れ、福島党首と面会した。

テニアン島は、社民党が普天間移設先の本命と繰り返し、自らも名乗りを上げていた。

デラクルス市長は「日本の皆さん、特に沖縄の人々に、われわれの支援を提案でき、うれしく思います」と述べた。

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「経済効果伴う移設期待」=普天間で米領テニアン市長

来日中の米自治領北マリアナ諸島テニアンのデラクルス市長は26日午後、参院議員会館で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を受け入れる意向を改めて示した。

同市長は「雇用など経済効果を伴う軍の移設を期待している」と語った。

これに先立ち、デラクルス市長は社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)と会談。

福島氏は「(同県名護市)辺野古(への移設)は自然環境の破壊につながるので社民党は反対だ。

要請の趣旨が実現できるように全力を尽くしたい」と述べた。 
 
民主党の川内博史衆院議員らが先にテニアンなどを視察した際、同市長に来日を要請していた。
「時事通信社」

豚のワクチン接種完了

2010年05月26日 16時49分22秒 | Weblog
豚のワクチン接種完了~農水相 

宮崎県で発生している家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)の問題で、赤松農水相は26日午前、豚のワクチン接種が完了したことを明らかにした。

赤松農水相は、宮崎県内の発生農場から半径10キロメートル以内のワクチン接種は、25日までの段階で、95.2%が終了したことを明らかにした。

豚については全頭に接種し、26日は、残っている牛約6000頭にワクチンを打つ予定。

訓練移転先「徳之島」と例示 日米共同声明の概要判明

2010年05月26日 16時31分32秒 | Weblog
訓練移転先「徳之島」と例示 日米共同声明の概要判明

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について日米両政府が28日に発表する共同声明の概要が明らかになった。
移設先として沖縄県名護市の「辺野古周辺」を明記し、ヘリコプター部隊の訓練移転先として、鹿児島県・徳之島を例示する。
発表に先立ち、鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領が電話協議して最終合意する。

複数の政府関係者が明らかにした。徳之島をめぐっては、日米両国の外務・防衛当局者による実務者協議で、地元の3町長が反対を表明するなど反発が強いことを理由に、いったんは地名を書き込まない方向になっていた。
しかし、首相自身が徳之島への訓練移転にこだわったことや、具体的な地名を明記すれば負担を沖縄県外に分散する姿勢を強調できることもあって日本側が強く要望。
米側が最終的に受け入れた。

辺野古周辺に建設する滑走路の工法や詳細な場所の決定期限は8月と明記。
また、環境影響評価(アセスメント)はできる限り現行案の枠内とし、移設時期が大幅にずれ込まないようにする。

米軍と自衛隊で移転先の共同使用を検討する方針も盛り込む。
加えて、沖縄に駐留する米海兵隊員約8千人のグアム移転を従来の合意通り進めることも付記する。

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普天間移設政府方針には具体的な地名を盛り込まない案も浮上。平野官房長官

政府は26日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として「名護市辺野古周辺」を明記しない首相談話をまとめ、閣議で閣僚に署名を求めて決める方向で調整に入った。

冤罪だ・・・厚労省元局長の公判 供述調書の大半、証拠採用せず

2010年05月26日 16時10分04秒 | Weblog
冤罪だ・・厚労省元局長の公判 供述調書の大半、証拠採用せず

郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件をめぐり、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告(54)の第20回公判が26日、大阪地裁であった。
横田信之裁判長は、村木元局長の事件への関与を認めたとされる元部下らの捜査段階の供述調書約40通の大半を証拠として採用しないことを決めた。
横田裁判長は「取り調べ検事が想定する内容の調書に誘導した」などと理由を述べた。
検察側は事実上、立証の重要な柱の大部分を失ったことになる。

検察側が証拠採用を求めていたのは、村木元局長の共犯とされた元担当係長の上村(かみむら)勉被告(40)=同罪で起訴=▽元上司の元障害保健福祉部長(58)▽自称障害者団体「凛(りん)の会」元会長、倉沢邦夫被告(74)=一審は一部無罪、検察側が控訴=らが捜査段階で説明した内容をまとめたとされる約40通の調書。

これらの調書には、凛の会が郵便割引制度の適用を受けるために偽の証明書が発行された経緯について、村木元局長が知っていたとする供述内容が記されていた。
しかし、上村被告らは元局長の公判に証人として出廷した際、「調書はでっちあげだ」などと証言し、相次いで調書の内容を否定していた。

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この事件は、自民党、検察、マスゴミ、が「でっちあげ」た冤罪です。

(大久保事件、石川事件の供述調書も出鱈目の可能性が高いです)

マスゴミは、検察の「でっちあげ」リークを垂れ流し、無実の人間を犯人扱いして騒ぎ立てた。

USダウ反発。東証も反発。 USダウ先物、時間外、買い先行も続かず、後半売り優勢。

2010年05月26日 15時31分49秒 | Weblog
東証大引け、6日ぶり反発 9500円回復も戻りは限定的

26日の東京株式市場で日経平均株価は6営業日ぶりに反発し、大引けは前日比62円77銭(0.66%)高の9522円66銭と、2日ぶりに節目の9500円を上回った。

株価水準の高い銘柄の一角には、前日までの5日続落で値ごろ感が出始めて買いが入り、日経平均を押し上げた。

ただ、欧州の金融システムに対する不安感や朝鮮半島情勢の不透明感が強い中、積極的な買いの動きは限られ、東証1部では全体の約6割に当たる1016銘柄が値下がりした。

一日を通して為替相場の動きをにらみながら神経質な動きだった。
朝方は前日に比べ円安に振れたことで輸出関連株への買いが先行。
日経平均は寄り付き直後に上げ幅が160円超まで広がり、9600円台を回復する場面があった。
その後、徐々に円相場が持ち直すとキヤノンやホンダなどが主力株に売りが出始め日経平均の上げ幅は縮小した。
大引けに米MSCI世界株価指数の組み入れ比率変更に伴う売り注文が出たとみられるが、相場全体への影響は限られた。

来日中のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が日銀で午前中に行った講演は特に材料視されなかった。

東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落した。

大引けでの東証1部の売買高は概算で26億3546万株、売買代金は同1兆9138億円と、ともに11日以来、約2週間ぶりの多さだった。値上がり銘柄数は541、横ばいは118だった。

ファストリやソフトバンク、東エレクなど株価水準の高い銘柄の買いが目立ち、日経平均を押し上げた。
商船三井や郵船が買われ、業種別TOPIXでは「海運業」が上昇率でトップだった。
三井住友FG、三井物、第一生命も上昇した。
関西電は約3カ月ぶりに年初来高値を更新した。
一方、トヨタが売られ、JR東日本などJR3社が安かった。
旭硝子が軟調で、コスモ石の下げが目立った。

東証2部株価指数は続落した。アーレスティ、日精機、トーセイが売られた。
半面、アライドHD、インテリックス、東エレデバが上げた。

メディアの不誠実がつくる医療崩壊

2010年05月26日 12時57分15秒 | Weblog
メディアの不誠実がつくる医療崩壊 (永田町異聞)より

5月17日の当ブログで、石川議員の手帳に関する誤報を、通りいっぺんの訂正記事で後始末しようとする大新聞の不誠実な姿勢を問うた。

この記事について、元・杏林大学耳鼻咽喉科教授、長谷川誠氏から賛同のメールをいただいた。まずは、その一部を下記に紹介する。

「公平な報道が今日ほど望まれている時代はありません。誤りは真摯に認め、常に正しい報道を心がける姿勢が必要です。多くの巨大メディアはそのことをまったく自覚せず、もっぱら世論を自分たちの都合のいいように誘導することに躍起になっていると思わざるを得ません」

長谷川氏は、教え子が巻き込まれた、いわゆる「割りばし死事件」の裁判を通じ、メディアの報道姿勢に疑念を抱き続けてきた人である。

この10年余り、恣意的な報道が日本の医療を壊し、医師の人権が脅かされる実態を見てきた。

そして、昨年4月、教え子のA医師が全面無罪を勝ち取り、裁判が終結したのを見届けたあと、それまで堅く口を閉ざしていた自らの見解を社会に向けて発信していく活動を始めた。

筆者も、医療崩壊と呼ばれる昨今の社会現象とメディアの報道のあり方が深くかかわっているという認識をかねてから持っていた。

「割りばし事件」は、この国の医療が崩れ始めるきっかけとなった。

「善意の医療行為」の結果がおもわしくなかったことについて、捜査当局が刑事責任を問うという、過去に例のない事態が起きたのである。このあと、警察の医療への介入はエスカレートしてゆく。

捜査の対象になった者に対し、マスメディアは自ら検証することなく、警察や検察の発表を頼りに「悪」と決めつけ、センセーショナルな報道を繰り返す。

それが、医療不信を引き起こし、医師と患者の関係を悪化させ、医療という行為そのものにリスクを感じた医師が次々と現場から立ち去っていく。

こうして、病院に医師が不足し、残った医師は過酷な労働を強いられて、疲労の中での医療というさらなるリスクを背負わされる。

「割りばし事件」とは、何だったのか。あらためて振り返ってみたい。大きく報じられたので覚えておられる方は多いだろうが、マスメディアは必ずしも正確に伝えていない。

平成11年7月10日に、その不幸な出来事は起きた。

4歳の男の子が綿あめをくわえて走っていて前のめりに倒れた。その弾みで割りばしが男児の喉に突き刺さった。

男児は救急車で杏林大学救命救急センターに運ばれた。A医師はまず救命士からそれまでの経過を聞いた。

「転倒し割りばしがのどに刺さったが、こども自ら抜いたようだ」、「搬送中に一回、嘔吐した」という話だった。男児の意識ははっきりしていた。

A医師は男児の口の中を視診し、さらに傷を綿棒で触診した。割りばしは見当たらず、傷も小さくすでに血は止まっていた。周囲の変化もなかった。

このため、傷口を消毒し、抗生剤軟膏を塗ったうえ、抗生剤と抗炎症剤を処方し、2日後に来院するよう母親に告げた。

男児は翌日の午前6時ごろまでは大きな変化はなかったが、その後、容態が急変、杏林大学病院救命救急センターで午前9時過ぎ、亡くなった。

このあと、病院は割りばしの残存を疑ってCT検査をしたが、その有無は判明せず、異状死として警察に届け出た。

検視の結果、異物は発見されなかったが、司法解剖で初めて割りばしの破片が喉の奥から小脳まで深く突き刺さっていたことがわかった。

警視庁はA医師を業務上過失致死などの容疑で書類送検し、検察は在宅起訴した。両親は民事訴訟を起こした。

なぜ割りばしで命を落とさねばならないのか。死亡した男児、その家族の心情を思うと痛ましい。

「私どもの力が及ばず、お子さんを救えなかったことについて重く受け止めており、心からご冥福をお祈りしてきました」

長谷川氏はそういう思いを抱きつつ、「医学的には極めて難しいケースであるにもかかわらず、夜間の救急外来において診断できなかったことの刑事責任を問われたことに大きな違和感を持った」と述懐している。

この事件の刑事裁判は、2006年3月の第一審判決で、医師の過失を認めながらも死亡との因果関係を否定してA医師を無罪とした。2008年11月の第二審判決では、過失もなかったとし、全面的にA医師の主張が認められて無罪となった。

民事では、2008年2月の第一審、2009年4月の第二審ともに、A医師に過失はないとする判決が下された。

この10年にわたる裁判過程で、マスメディア各社は無罪判決を真摯に受け止めず、A医師に過失があったかのような印象を与える報道を繰り返した。

2008年2月13日の「みのもんたの朝ズバッ!」はその最も悪質な例といえる。民事の第一審で原告の請求が棄却された直後の放送である。

この放送内容については、A医師とその家族が名誉と信用を毀損され、精神的被害を被ったたとして「放送倫理・番組向上機構」(BPO)に申し立てを行い、BPOは2009年10月30日、重大な放送倫理違反があると判断、TBSにしかるべき措置をとるよう勧告した。

筆者がこのBPO勧告の長文の資料を読んで感じたのは、反対意見を排し、一方的にターゲットを叩くという「みのもんたの朝ズバッ!」という番組の特徴が如実にあらわれていることである。

少なくとも裁判で争われているような問題の場合、コメンテーターの人選は、中立的であるか、対立する意見を有する複数の専門家や識者を並べるよう配慮して、公平なスタジオトークをするべきだ。

ところが、その日、この問題についてのゲストコメンテーターは、A医師から名誉毀損で提訴された経緯のある医療ジャーナリスト、油井香代子氏だった。

みのもんた氏は油井氏とこのような会話を続けた。

みの「ちょっと乱暴じゃないかと思う判決、原告の請求を棄却。さあいかがですか」

油井「一般的に考えてちょっと不思議だなと思う、そういう判決でしたね」「非常に厳しい救急医療の現場で頑張っているドクターたちのプライドを傷つけるんじゃないかと」

みの「私みたいな、ど素人が考えても『刺さっちゃったんです。怪我してる。ああ、この角度で、そういう状態で、脳に損傷ないのかな』、素人でも考えますよね」

本来ならここで、専門医の冷静な見解を聞かなければ、公平な報道とはいえない。

ところが、A医師が、みの氏の言う「ど素人でも考えつくあたりまえの治療」をしなかったかのような印象を視聴者に与えたまま終わっている。

頭蓋底は厚く硬い骨である。割り箸が貫通するとはふつう考えない。もしそんなことがあれば、脳幹部損傷ではほとんどの場合、即死か、助かっても高度の意識障害や四肢麻痺が起こる。

A医師が診察したさい、この患児は高度の意識障害もなく四肢麻痺もなかった。

専門家の言葉を借りれば、この男児の場合、割りばしが脳幹部ではなく「頚静脈孔」を通って小脳を損傷したという、世界でも前例がないケースだった。

喉に割り箸が刺さって死にいたることもある。それが、この事件で初めて証明されたのである。

A医師の診察、治療は、当時の医学の常識から見て、通常の判断のもとにおこなわれたといえる。だからこそ、裁判所は過失なしと認めたのだ。

BPOの勧告を受け、みのもんた氏は番組内で、これまた通りいっぺんの謝罪をした。

しかし、ほんの一瞬で終わってしまう形ばかりの謝罪が視聴者の記憶に刻まれるとは思えない。A医師の人権と名誉はいぜん、毀損されたままといえるだろう。

あらためてこの事件の事実を正確に知らせる番組をつくることが、テレビメディアの信頼を高めるうえでも大切なことであろう。決して、自らの間違いを正すことを恥と考えてはならない。

A医師は事件後、メディア注視のなか、大学で仕事を続けることにプレッシャーを感じ、市中の病院に転じた。長いアルバイト勤務のあと正規採用になったが、大学で専門医資格を取るという人生設計は大きく狂った。

長谷川氏はA医師のことを心配し続けている。

「常に割りばし事件の担当医師として周囲に見られ続けるという不安感と、10年という長い期間に受け続けた精神的なトラウマから少しでも逃れたいという気持ちで、耳鼻科をやめてほかの診療科に変わりたいと言っておりました」

筆者は「いま、A医師はどうしていらっしゃるのでしょう」と聞いてみた。

「現在どのような診療科でどこで医療を行っているのか私は知りません。ご家族に尋ねれば教えていただけると思いますが、教え子の心情を推し量って、あえてそれを私は聞かないつもりでおります」

愛弟子に対する長谷川氏の思いが胸に迫った。


「検察審査会を政治的に利用して検察の権限行使の限界を超えさせようとする動き」

2010年05月26日 08時04分17秒 | Weblog
「検察審査会を政治的に利用して検察の権限行使の限界を超えさせようとする動き」(週刊朝日)より

(週刊朝日5/7・14号)

まず≪尽くして尽くして足蹴にされる日本・・・アメリカにもの申せ!≫では日米関係のあり方を問うている。
この内容は買って読んでいただくとして、ここではリード文だけを紹介させていただく。

≪アメリカは同盟国である日本をどう思っているのだろうか。普天間基地移設問題では、鳩山政権が模索する新たな移設案に耳も傾けず、米紙は日本の首相を「愚か」だと酷評した。だが、米国の政策に従い、米国財政を支え、米国民の雇用を助けてきたのは日本ではないか。そろそろ、最大の同盟国との関係も、冷静に「仕分け」してみてはどうだろうか。≫ 

大賛成である、日米関係は仕分けの対象とすべき。

今号での一番の注目記事は、何といっても郷原信郎氏と上杉隆氏による『暴走検察』緊急出版特別対談。

タイトルは「小沢捜査 検察審査会の"判決"を斬る」だ。

【リード文】
≪検察が執着した「小沢追及劇」は歯止めの利かない公権力の恐ろしさを浮き彫りにした。彼らは、どこで道を踏み外したのか。一連の本誌特集記事をまとめた『暴走検察』(朝日新聞出版)の著者でジャーナリストの上杉隆氏と、元検事で『検察が危ない』(ベスト新書)を上梓したばかりの郷原信郎・名城大学教授が、語りつくした。≫

郷原氏は検察審査会が2009年5月から「起訴相当」の議決に強制力を持たされた意味を二つ上げている。

一つは、刑事事件の処分において被害者・遺族の意向を尊重する方向性で、「明石歩道橋事故」や「JR福知山線脱線事故]などの強制起訴はその流れとのこと。

もう一つが今回の小沢さんの事件で、これについては郷原氏は、検審の議決は性格が違うんじゃないかと次のように言っている。

≪そもそも小沢さんの事件は、検察自信が勝手に暴走した挙げ句、力尽きた。それを、マスコミが検察審査会をあおることで、再び暴走の方向に戻そうというもので、検察審査会を政治的に利用して検察の権限行使の限界を超えさせようとする動きに見えます≫

この部分を読んだ時に、以前よりモヤモヤしていたものが少し整理された、と感じた。
これは私見だが、検察とマスコミを操っているのは、やはり同一の存在であるということだ。

民主党政権が続いてもらっては困る、というその存在は、牽引者である小沢一郎にターゲットを絞り込み、政権交代前から仕込んできたが、最終的に検察は、それに応えられず失敗した。

その後、今度はマスコミを使って煽り続け、検察審査会を利用して追及劇の幕を閉じさせないように、こじ開けようとしているのである。マスメディアによる世論誘導で、世間の鳩山政権を見る目は日に日に冷たくなっていることを見れば、完全に成功している、といえる。

が、それが即、鳩山政権と民主党を崩壊させるだけのものではないため、とにかく最終的に小沢さんを辞任にまで追い込むことが至上命題になっているのではないかと思う。

この対談の中で、郷原氏は結果に対して否定的だったが、上杉氏が気になることを言っている。

≪小沢サイドを取材すると、いまの世論では「起訴相当」が2回出されて強制起訴となることを織り込んでいるようです。その2回目が参院選後になるのか、・・・・そのとき、また1年前と同じ戦いが待っているだろうと覚悟している。実際、小沢事務所は、そうした事態を見込んで「最終戦争」の準備をしているといった感じです。≫

連日、マスメディアによるネガティブ情報に接している一般国民が審査をすれば、結果としては世論調査の数字が反映されることになる。その審査員が、マスメディアの情報以外のものに到達でき得れば、少しの希望もあるが・・・。

やはり、マスメディアの中でもテレビの影響力というものは、スゴイものがあると思う。視覚によって入ってくる情報は、手軽で安易に入り込み、潜在意識の中に刷り込まれる。新聞・雑誌などは、ブログやネットメディアを通して、同じ活字媒体として、微々たるものだが対抗していける要素は少しはある。

しかし、テレビなどの視覚メディアについては、その規模も視聴者の数も大きすぎて対抗手段がほとんどないのが現状である。しかもニュース番組だけではなくバラエティまで政治を取り上げ、連日、時間を空けず民主党バッシングに興じている。

今後、ユーストなどで個人が発信する視覚メディア的なものが無数にできてくれば、少しはアンチマスメディア的情報に接する機会ができることになるが、何せ相手が大きすぎる。
これには、やはりクロスオーナーシップ制度を推し進めて、強大な力を削ぐしかないか。

また、郷原氏がここまで言って大丈夫なのかと心配してしまったフレーズ。
≪この1年の特捜部の動きは極めて政治的でした。『東京地検特捜部』の名称で政治団体の届け出を出したほうがいいんじゃないか、と思うくらいです(笑)≫

一時、郷原氏は、小沢さんの不起訴が決まったときの記者会見の言葉に敏感に反応し、「反小沢に鞍替えしたのではないか」という憶測がネットで流れた。
私は以前より郷原氏に対して感じているのは、反小沢、親小沢という政治的な次元では全く論じてなくて、最新刊「検察が危ない」を読めばわかるが、「正義感と憂い」であると思っている。そして、それは上杉氏にも言えることだ。

そんな両氏がここでも触れているが、検察批判を繰り返したおかげで、当局から目をつけられていると言っているのが気にかかる。
郷原氏は冗談ぽく、≪私がいつ逮捕されるか、あるいは週刊誌でスキャンダルが出て社会的に抹殺されるか、・・・万が一、そういうことが検察の意図によって行われるとしたら、検察の実態は、私が書いた以上に危ないということになります。≫

上杉氏もかつて秘書をしていた鳩山邦夫元法務相が、法務省や東京地検内部から「上杉はちっと調子に乗りすぎている」と睨まれてる、という忠告を受けている、ということだ。

狙った獲物は別件でも、でっち上げでも、逃さないのが暴走・極悪検察である。

このお二人には、まだまだ「検察=正義」と信じ込んでいる国民が多い中、今後とも情報提供していってもらわなければならない重要人物である。
対談の最後で上杉氏が≪・・・郷原さんや私の役割は、人々がこれまで当たり前に「正義」とか「一流」だとか洗脳されてきたものに、ちょっとだけ疑問を持ってもらうこと。『待てよ、これはおかしいな』と声を上げる人が一人でも増えたら、それでいいんじゃないかなと思うんですよ≫と締めくくっている。

本人は謙虚にそう思っていると察するが、私は、このお二人の功績は計り知れないものがあると思っている。

週刊朝日の記事をまとめた最新刊『暴走検察』は、上杉氏と郷原氏、そして山口編集長を含む週刊朝日と検察との闘いの記録である。

この本の帯には≪一連の出来事を『犯罪捜査』だと考えるから真実が見えにくくなる。
これは、人事と既得権を死守しようとする検察=記者クラブメディア連合体と小沢一郎の「権力闘争」なのである。新聞・テレビに小沢の悪性情報が溢れる一方、ネット上のブログやツイッターでは、一斉に検察批判が流れ出した。検察が「正義」であった時代は終わろうとしている。(本文より)≫と書かれている。
  
時期を同じくして、郷原氏が『検察が危ない』、平野貞夫氏も『小沢一郎完全無罪』を上梓している。
この三冊は、いずれも、今のマスコミの論調に対抗し、マスメディアによって曇らされた目を、真実へと向かわせてくれるものである。

鳩山邦夫氏が上杉氏に忠告した時に、こんなことも言ったとのこと。

「ここまできたら引くなよ。引いたらやられるぞ」

この言葉から、検察のそこはかとない「おぞましさ」と、最高権力者としての「プライドの高さ」が暗示されていて、歪んだ日本社会の"現実"が重く横たわっているのを感じた。

最後までお読みいただきありがとうございます



普天間移設を急ぐ人たち

2010年05月26日 07時57分00秒 | Weblog
普天間移設を急ぐ人たち(きっこの日記、12.5)より

【沖縄はマスゴミもぐるになった自民党政権時代の利権の巣窟】

昨日の朝、テレビ朝日の「やじうまプラス」を見てたら、コメンテーターの三田園さんが、沖縄の普天間基地の問題で、「社民党の福島さんは、辺野古への移設に反対するなら反対するで、ちゃんと対案を出すべきだ」的なことをノタマッてた。相変わらず、舌に油を塗ったみたいな凄まじい早口でしゃべってたから、あとは何言ってんだかほとんど聞き取れなかったけど、この聞き取れた部分だけにツッコミを入れさせてもらうと、みずほたんは、ちゃんと「硫黄島かグアムへ移転すべき」っていう対案を出してるよ。三田園さん、一応、テレビ朝日を代表してコメントしてんだろうから、もうちょっとキチンと調べてから発言して欲しいと思った。それから、あまりにも早口でいつも何言ってんだか半分くらいは聞き取れないから、もうちょっと落ち着いてしゃべったほうがいいと思った。

それから、普天間基地をすべてグアムに移転するっていう1つの案が出てることに対して、ゲストの長島一茂が、「そんなに遠くに移転しても日本を守る上で大丈夫なのか」的なことをノタマッてた。この人って、サスガ、コイズミのバカ息子の野球バージョンだけのことはあって、野球以外のことは話さなきゃいいのに、何かしゃべるたびに知能の低さを露呈しちゃうよね。だけど、「漢方薬が保険から除外される!」とかって大騒ぎしてる人たちみたいに、長島一茂並みの知能の人たちは他にもいそうだから、何度も繰り返して書いて来たことをもう一度書いとくけど、沖縄の普天間基地の海兵隊ってのは、ニポンが他国から攻められた時にあたしたちを守ってくれる部隊じゃないんだよ。アメリカ軍の海兵隊ってのは、ベトナムしかり、イラクしかり、アフガンしかり、他国を侵略するための部隊であって、指令系統がぜんぜん違うんだよ。

さらに言えば、アメリカ軍の海兵隊が沖縄にいるのは、ニポンを守るためじゃなくて、テメエの国の石油を確保するために、いつでも中東へ殴り込みに行けるように準備してんのがメインの目的なんだよ。だから、このまま沖縄にいようが、関西空港へ行こうが、グアムへ行こうが、どこに行ったって、ニポンにとっては何も変わらないんだよ。こんなことも知らないで、「ニポンにアメリカの軍隊があれば助けてくれる」なんて考えてる単細胞は、一度、頭蓋骨をパカッと開けて、小ぶりでシワの少ないツルツルの脳みそを環境にやさしい「やしのみ洗剤」でよく洗ってみたほうがいいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

‥‥そんなワケで、今日は、普天間基地の問題について、三田園さんや長島一茂をはじめとした多くの人たちがまったく知らない重要事項をご紹介しようと思う。だから、バカマスコミの垂れ流す偏向報道なんか無視して、普天間基地の問題について語りたい人は、まずは、今日の「きっこの日記」を最後まで読むことをオススメする。で、最初に言っとくけど、これからあたしが書くことは、すべて自民党政権時代に国会の場で公開されたことなのに、自民党から内閣機密費をもらってたマスコミのコシギンチャクどもが、自民党の指示通りにいっさい国民に報じないで来たことばかりだ。そこんとこを踏まえた上で、シッカリと読んでもらいたい。

で、まずは、「普天間基地問題の基礎知識」ってことで、これまでのニポン側の流れを1000文字以内にマトメてみるけど、普天間飛行場の名護市辺野古への移設が日米間で合意されたのは、13年前の1996年の「SACO合意」だ。だけど、名護市の住民投票で移設に反対する住民が大多数を占めたり、反対運動や座り込みが続いてた上に、この間も、軍用ヘリが大学に墜落したり、アメリカ兵による凶悪犯罪があとを絶たなかったりで、沖縄の人たちの苦悩は続いてた。ニポン政府は、こうした事件が起こるたびに「綱紀粛正(こうきしゅくせい)につとめる」っていうお決まりのセリフを繰り返すだけで、日米地位協定の抜本的見直しを求める沖縄の人たちの願いは、自国の政府によって踏みにじられ続けて来た。

もともと、普天間基地の移設の話が持ち上がったのも、1995年に、沖縄のキャンプハンセンに駐留してた3人の米海兵隊員が12才の小学生の女の子を拉致して、顔と手足を粘着テープでグルグル巻きにして、海岸でレイプしたことが発端だった。これほど酷い鬼畜のような犯罪を犯していながら、アメリカ側は日米地位協定を盾にして、3人の犯人の身柄引き渡しを拒否したのだ。日米地位協定を悪用して、やりたい放題の米兵たちと、いつまでも弱腰なニポン政府。これに激怒した沖縄の人たちは、連日、基地を取り囲むなどしてアメリカに抗議した。そして、沖縄の怒りは全島へと広がり、いよいよ収拾がつかなくなった日米政府が県民たちを鎮めるために提案したのが、この「普天間基地の返還」だった。

でも、こうした経緯で持ち上がった基地移設計画なのにも関わらず、計画から9年が過ぎても、ニポン側の「普天間飛行場の辺野古への移設計画」はまったく進まない。そりゃそうだ。だって、この計画は、当時、名護市への説明が何もないまま、ニポンの政府とアメリカの政府だけで勝手に決めちゃったことなんだもん。さらには、当初、アメリカ側は、長さ45メートルのヘリパッドだけを要求してたのに、どうせ移設するなら巨大な滑走路を造って大儲けしようと考えた自民党、防衛省(当時は防衛庁)、軍需専門商社、土建屋なんかが、アメリカ側の要求の何十倍もの計画に膨らませちゃった。これが、総工費5000億円とも言われてる現在の巨大滑走路の計画なのだ。

‥‥そんなワケで、ここまでのことは、今まで何度も書いて来たし、一応は報道もされてることだから、知ってる人のほうが遥かに多いと思うけど、今回のテレビや新聞の扇動報道で、初めてこの問題に興味を持った人たちのために、ザックリとマトメてみたワケだ。で、ここからは、ニポンのマスコミがワザと報道して来なかったことを書いてくけど、何よりも重要なことは、日米の一部の右寄りのアホ新聞が垂れ流してる「アメリカ政府が普天間飛行場の名護市辺野古への移設を望んでる」っていう報道が、まったくの大ウソだってことだ。

さっきも書いたように、普天間飛行場の名護市辺野古への移設が日米間で合意されたのは、13年前の1996年の「SACO合意」で、この時から2005年までは、確かに、その合意の内容がそのまま堅持されてて、両国の政府は合意の通リに計画を遂行してた。だけど、これまたさっきも書いたように、ニポン側の計画だけが、多くの沖縄の人たちの反対によって、ぜんぜん進んでなかった。それで、9年経ってもぜんぜん進まない上に、その間にニポンの総理大臣は、橋本龍太郎、小渕恵三、モリヨシロー、コイズミと、4人も交代したもんだから、そのたびに引継ぎ、引継ぎ、引継ぎで、まったく先が見えない。

こんな状態だったから、アメリカ側は業を煮やして、1996年の「SACO合意」の内容を一部変更して、独自の計画を立て始めた。それが、2006年5月にアメリカ側が発表した「再編実施のための日米ロードマップ」で、この中には、当時の総理大臣のコイズミの強い要望から、辺野古の海を埋め立てて巨大なV字型滑走路を建設するって計画だけは残されたけど、アメリカ側としては、沖縄に残す約束になってた他の部隊のほとんどをグアムに移転することに変更してて、その中には「海兵隊ヘリ部隊」も含まれてたのだ。もともと、辺野古の海を埋め立てて造る滑走路は、この「海兵隊ヘリ部隊」のためのものだから、アメリカ側が「海兵隊ヘリ部隊」もグアムに移転することにした以上、この2006年5月の時点で、辺野古に限らず、すでにニポンには必要のない滑走路になったってワケだ。

だけど、当時の自民党政権としては、5000億円もの利権がからんだ巨大な公共事業を簡単には手放したくない。それで、ブッシュと蜜月だったコイズミが、何とか辺野古の埋め立て計画を推し進めるために密談して決めたのが、「演習用の滑走路」っていう大義名分だった。つまり、「海兵隊ヘリ部隊はグアムへ移転しちゃうけど、ヘリ部隊がタマにニポンに立ち寄った時に演習で使う滑走路ってことにしとけばいいじゃん」てワケだ。これは、今年の5月21日の「外交防衛委員会」に参考人召致された拓殖大学の海外事情研究所で日米安保を専門にしてる川上高司教授も、以下のように述べてる。

「31MEUは、最大四隻の強襲揚陸艦で出動し、歩兵大隊、砲兵大隊混成の航空部隊及びサポートグループなどのエレメントで構成されるわけですが、各エレメントは平時は一つの駐屯地に集結しているわけではなく、緊急時になりましたら一つの部隊として集結し出動いたします。したがいまして、それぞれのエレメントが離れた場合、集結するまでに時間が掛かり、即応性が低下してしまいます。また、特にヘリ部隊の役割が大きく、歩兵とヘリを分散化することは困難になるわけであります。」

ものすごくマニアックで、石破ちゃんみたいな軍事ヲタクじゃないとチンプンカンプンだと思うけど、「MEU」ってのは「海兵隊遠征隊」のことで、フランク・ザッパに言えば、1つの部隊を構成してる各チームは、有事の際にはすぐに集合できるような場所に配置してなきゃダメで、特にヘリ部隊と歩兵は近くにいないと対応できなくなる‥‥ってことだ。でも、今のニポン側が公表してる計画は、ヘリ部隊だけを沖縄の辺野古へ移設して、他の部隊を岩国だとか別の基地へ移動させて、司令部だけをグアムへ移転させるっていうトンチンカンなものなのだ。つまり、これまで自民党が公表して来た計画ってのは、アメリカの兵力を分断しちゃう大バカ計画なのだ。

一方、アメリカ側はと言えば、3年半も前の2006年5月に発表した「再編実施のための日米ロードマップ」の中で、すでにほとんどの部隊をグアムに移転するって明言してる上に、翌2007年9月に米太平洋軍司令部が発表した「グアム統合軍事開発計画」には、以下のように明記してあるのだ。

「海兵隊航空部隊とともに移転してくる最大67機の回転翼機と9機の特別作戦機CV-22航空機用格納庫の建設、ヘリコプターのランプスペースと離着陸用パッドの建設」

これは、辺野古に計画されてる施設そのものであり、つまり、米政府および米軍は、2007年9月の時点で、すでに辺野古に移設するハズだったヘリ部隊用の滑走路や施設をぜんぶグアムへ移設することに計画変更してたのだ。実際、グアムのアンダーセン空軍基地の副司令官、ジョエル・ウエスタ大佐は、この「グアム統合軍事開発計画」が公表される2ヶ月前の2007年7月の時点で、軍司令部から「海兵隊の航空機(ヘリ)が65機から70機、こちらに来ることになる」って通達されてたってハッキリと証言してる上に、「沖縄からのすべての海兵隊がグアムへ移転して来てくれれば、アジアに対する軍事的抑止力が強化する」って喜んでるんだよね。そして、ウエスタ大佐は、この通達に対して、「海兵隊の来る場所はすでに整備してある。ヘリ部隊でも航空部隊でも、どんな機能でも受け入れ可能だ」って対応してるのだ。

また、アプラ海軍基地のロバート・リー大佐も、「海兵隊のヘリ部隊がグアムに来ることになると聞いている」って証言してるし、さらには、グアムのカマチョ州知事もクルツ副知事も、「日本から海兵隊が移転して来ることは大歓迎だ。われわれはすでに海兵隊が移転して来た時のためのマスタープランを作成中だ」って言ってる。つまり、普天間基地のヘリ部隊も含めた海兵隊がグアムへ移転するって話は、軍の中だけの極秘事項とかじゃなくて、州知事とかにまで話が行ってる「公然の事実」だったってことだ。

2年も前の時点で、こんな具合だったんだよ。そして、この事実を裏づけるのが、去年の2008年9月15日に、アメリカ海軍長官からアメリカ下院軍事委員会議長へ「国防総省グアム軍事計画報告書」として提出された「グアムにおける米軍計画の現状」だ。この中には、沖縄からグアムへ移転する部隊名がすべて記されてるんだけど、ここには、沖縄のほとんどの海兵隊実戦部隊と、辺野古へ行くハズのヘリ部隊を含めた普天間基地のほとんどの部隊名が明記されてる。それも、この時の報告だけじゃなくて、このあとも同様の内容の報告書が何度も提出されてて、そのすべてに「海兵隊ヘリ部隊」の名前が明記されてるのだ。

‥‥そんなワケで、ここまで読めば分かったと思うけど、つまり、未だに辺野古へ移設だの嘉手納基地に統合だのって騒いでるのはニポンの中だけの話で、アメリカ側は、2年も前から「海兵隊はヘリ部隊も含めてすべてグアムへ移転する」って決めて動いてたのだ。そして、ニポンはと言えば、グアムへ移転しちゃうヘリ部隊のために、5000億円もの税金をドブに捨てて「無用の長物」の滑走路を造ろうとしてるワケで、すべては、この巨大公共事業の利権に群がってる自民党の議員や防衛省の官僚や軍需専門商社や土建屋なんかが、意地でも建設しようとしてるってだけの話なのだ。

そして、日米の一部の右寄りのアホ新聞が垂れ流してる「アメリカ政府が普天間飛行場の名護市辺野古への移設を望んでる」っていう大ウソ報道とは正反対に、アメリカの「グアム移転計画」はチャクチャクと進んで来たワケだけど、今まで13年間も延ばし延ばしにしてたニポン側が、ここに来て何で急にあわて始めたのかって言うと、先月の11月20日に、これまでアメリカが進めて来た計画に沿って「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」を公開したからだ。これまた長い名前の報告書だけど、名前だけじゃなくて中身も長くて、ナナナナナント!全9巻で8000ページ以上もある。

もちろん、ぜんぶ英語で書いてある上に、軍事に関する専門用語が満載だから、サスガのあたしもオイソレとは読破できないけど、これをちゃんと読んでくれた人によると、第2巻の「グアムへの海兵隊移転」と第3巻の「テニアンへの海兵隊訓練移転」の中に、普天間基地からグアムへ移転することが決定してる部隊名がすべて明記してあって、その中には、やっぱり「海兵隊ヘリ部隊」の名前がハッキリと書かれてるそうだ。そして、「海兵隊ヘリ部隊」だけじゃなくて、沖縄に残るハズの「地上戦闘部隊」や「迫撃砲部隊」や「補給部隊」までもがグアムに移転する部隊として明記されてるのだ。

これは、「2014年までのグアム移転計画を2010年に前倒ししたい」っていうアメリカ側の意向によるもので、つまりは、アメリカは海兵隊をぜんぶ引き連れて、トットとグアムに移転して、自分たちが理想としてる兵力配備を実現させたいってワケだ。だから、ニポンでの代替え滑走路の利権にからんでるヤツラは、このままだと自分たちのモクロミがパーになっちゃうから、急にアセリマクリスティーになっちゃって、「年内には!」とかノタマイ始めちゃったってワケだ。だいたいからして、今まで何十年も苦しんで来て、移設計画が持ち上がってからも13年も苦しんで来た普天間基地の周辺の人たちに対して、これまで「普天間」の「ふ」の字も口にしなかった政治家とかが、今になって、突然、「世界で最も危険な普天間基地」とかって言い出して、「年内には!」とか「1日も早く!」とか騒ぎ出したのって、どう見てもおかしいよね。

基地の周辺の人たちは、もう何十年もガマンして来たんだから、ここで1ヶ月や2ヶ月を急いで中途半端な代替え案なんかで決着されるよりも、半年先でも1年先でも、完全に沖縄から普天間基地がなくなってくれたほうが遥かに喜ぶハズだ。こんなこと、長島一茂でも分かる理屈だろう。ようするに、「年内には!」とか「1日も早く!」とかって騒いでる政治家は、与野党問わずに利権にからんでるヤツラだってことで、逆に言えば、「年を越してもジックリと」って姿勢でいる政治家は、この利権とは無関係で、ホントに沖縄の人たちのことを考えてる政治家だってことだ。なんて分かりやすいんだろう。

‥‥そんなワケで、これほど懇切丁寧に説明して来ても、それでも「漢方薬が保険から除外される!」とかって大騒ぎしちゃうようなタイプの人たち、簡単にオレオレ詐欺に引っかかっちゃうようなタイプの人たちには、まだよく理解できないかもしれないので、最後に、今日の日記を書くにあたって参考にさせていただいた「原典」を紹介しとく。普天間基地に苦しんで来た宜野湾市の伊波洋一市長が、11月26日付で発表した「普天間基地のグァム移転の可能性について」っていうレポートと、それを分かりやすく図解や写真入りでマトメたレジュメやプレゼンテーション資料だ。もちろん、こうしたレポートや資料を参考にして、それを分かりやすく簡単に書いたのが「きっこの日記」だから、これらの「原典」は、今日の日記よりも長くて難しい。だから、もっともっと手抜きしたい人は、「反戦な家づくり」の明月さんが、すべての結論をわずか数行にマトメてくれてるので、こちらのエントリー(http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-803.html)を読んでみて欲しいと思う今日この頃なのだ。

「普天間基地のグァム移転の可能性について」 (伊波洋一宜野湾市長)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html

「普天間基地のグァム移転の可能性について」配布レジュメ(PDF)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_5.pdf

「普天間基地のグァム移転の可能性について」プレゼンテーション資料(PDF)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_4.pdf

★問題なのはマスゴミもぐるだということだ。
最後のところで紹介されている「反戦な家づくり」では次のように書かれている。

「それにしても、こんなにも明確な事実が積み上がっているにもかかわらず、マトモに検討することすらされず、国民にも沖縄県民にもちゃんと知らされることもなかったとは!
心あるブロガーの皆さん
ぜひ、上記の宜野湾市の資料を、どんどん宣伝しよう
マスコミも無視できないくらい、広めよう」

いまや、沖縄利権は、マスゴミ最大のタブーなのか。
しっかりしろよ、マスコミ、と声を大にして言いたい。
アメリカから金をもらっている読売や産経、利権連中の機関誌の日経は無理な相談だが、赤字転落の朝日や先がない毎日は意地の見せ所ではないのか。
新聞はテレビとの関係もあって難しいだろうが、週刊誌は何をやっているのか。
売り上げを伸ばすチャンスと思うのだが。