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マリファナの成分カンナビノイドと癌

2008-08-16 | 癌全般
カンナビノイド受容体(CB1)の不活性化により大腸腫瘍の増殖が促進される
CB1は腫瘍を抑制―治療および予防の新たな可能性―
M.D.アンダーソンがんセンター
 

最新の基礎研究にて、細胞表面上のカンナビノイド受容体(CB1)がヒト大腸癌において腫瘍を抑制する役割を担っていると判明した。これはCancer Research誌8月1日号に掲載された。

CB1については、シグナル伝達物質のカンナビノイド類に対するドッキングステーションとなることによって、疼痛や悪心を緩和させること、気分を高揚させること、および食欲を促進させることが明らかになっている。現在CB1は、癌を予防および治療する上での新たな方法を提供するかもしれないと考えられている。

研究責任者であるテキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター学長兼副所長Raymond DuBois医学博士は、「大半の大腸癌でCB1の発現が認められず、そうなると癌促進タンパク質が細胞死を阻害してしまうことを発見した」と述べている。

また、同博士とVanderbilt-Ingram Cancer Centerの研究者らは、既存薬のdecitabineによってCB1を再発現させることが可能であると示している。腸に腫瘍を発症する傾向のあるマウスでは正常なCB1受容体を有していれば、カンナビノイド受容体リガンドに類似する薬剤を投与すると腫瘍を発症しても少なくかつ小さくて済むと判明した。

DuBois博士は、「カンナビノイド・アゴニスト(同等に作用する合成分子)が化学療法や放射線療法の副作用を治療する上での評価段階に現在あることから、カンナビノイドは抗腫瘍薬として将来適用される可能性がある。CB1を再発現させてからカンナビノイド・アゴニストで治療することは、大腸癌の治療や予防に対する新たな方法となるであろう」と述べている。

カンナビノイド類は、細胞シグナル伝達の様々な役割を担うリガンド(特異的受容体と結合することで機能する分子)に属し、体内で産生されるものもある(内因性カンナビノイド)。外因性カンナビノイドには、人工によるもの、植物に存在するもの(最も有名なのは、マリファナの有効成分[THC])がある。

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