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腎細胞癌「テムシロリムスFDA承認」、「スーテント、ネクサバールの皮膚毒性」

2007-05-31 | FDA新承認
5月30日、進行した腎細胞癌にTorisel (temsirolimus[テムシロリムス])がFDAに承認されました。FDAニュース(日本語訳)
No158テムシロリムス 

ほんの2年前、腎細胞癌の治療薬はインターロイキン2とインターフェロンαの2つのみであった。毒性によってその使用は限られ、効果も限られていた。現在、2つの新薬ソラフェニブ(ネクサバール)とスニチニブ(スーテント)、また、その他の治療薬が進行した疾患に使用できる。この2つの薬剤によって奏効率は上昇し、無進行生存率は有意に改善し、現在、全生存率の最新結果が待たれている。他に、テムシロリムスやベバシズマブなどがあり、これらすべては同様に腫瘍関連の血管新生を阻害する。

・マルチキナーゼ阻害剤ソラフェニブ(ネクサバール)とスニチニブ(スーテント)の皮膚毒性(Cutaneous Side Effects of Multikinase Inhibitors Used in Renal Cell Cancer )
これら2つの薬剤は、頻繁に皮膚の有害事象を起こし、時に悲惨なものとなり、治療の中断にも繋がることがある。皮膚の副作用の解明が緊急に必要である。

手足の皮膚反応
ソラフェニブ30%-60%、スニチニブ15%-20%の患者で起こる。治療後2-4週間後によく起こる。用量依存性で治療を中止すると治まる。
爪下線状出血
40-65%の患者でみられ、無痛で末梢部に複数起こる。
顔面、頭皮紅斑性発疹
ソラフェニブ治療を受けた1-2週間後から、患者の50%以上に見られる。この発疹は数週間で自然に消え、治療は必要でない。
髪質の変化
ソラフェニブ治療を受けた患者に、しばしば頭髪が脆く、細く、癖毛などの変化がみられる。EGFR阻害によるものと相似。
角化性丘疹、kystic lessions、角化棘細胞腫
頻度は明らかでないが、ソラフェニブ治療を受けた患者で数例みられた。
眼周囲の浮腫
スニチニブ治療の患者にみられる。イマチニブにもみられるが、スニチニブでは軽度で、通常治療を必要としない。

Ronald M. Bukowski, MD
CCF Taussig Cancer Center


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