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FDA新承認ベバシズマブ腎臓癌&安全性情報TNF阻害剤

2009-08-29 | FDA新承認
ベバシズマブを転移性腎臓癌治療薬に承認 
米国食品医薬局(FDA)は、他の部位に転移した腎臓癌に対するベバシズマブ(アバスチン)とインターフェロンαの併用療法を承認した。これによりベバシズマブは5種類の癌に対する治療で承認されたことになる。

今回の承認は、約650人の未治療の進行性腎細胞癌患者を対象とした多国籍第3相臨床試験(AVOREN試験)の結果に基づいたものである。試験に参加したのは、腎臓の全摘あるいは部分切除(腎摘出術)を受けたことのある明細胞型の腎臓癌患者で、ベバシズマブとインターフェロンαの併用投与群と、プラセボとインターフェロンαの併用投与群とに無作為に割り付けられた。インターフェロンαとの併用において、ベバシズマブ治療群ではプラセボ治療群と比較して、無増悪生存期間(PFS)が10.4カ月対5.5カ月と2倍近く改善した。また、腫瘍の縮小を基準とした奏効率においては、31%対12%と3倍近く改善した。ベバシズマブ治療群では全生存期間が延長する傾向がみられたが、統計学的に有意ではなかった。
AVOREN試験における当初の主要エンドポイントは全生存期間であったが、FDAおよび欧州薬事規制当局との事前協議においてPFSを承認基準とすることが受諾されたと、ベバシズマブの製造元であるロシュ社は説明した。
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英国Health and Clinical Excellence (NICE)は、上記適応で承認を却下した。2009年8月27日

    

TNF阻害剤の発癌性について警告表示が必要

FDAは先週、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤として知られる薬剤が、リンパ腫などの癌リスクを高めるとして、添付文書に警告文の追加記載が必要であると発表した。TNF阻害剤は、多くの免疫系疾患の治療に使用されており、若年性関節リウマチ、クローン病やその他の炎症性疾患などが適応症に含まれる。この種の薬剤には、インフリキシマブ(レミケード)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムバブ(ヒュミラ)、セルトリズマブペゴール(Cimzia)、およびゴリムマブ(Simponi)がある。
続き→NCIキャンサーブレティン090811日本語訳


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