2008年2月22日 アバスチン(ベバシズマブ)が、パクリタキセルとの併用でHER-2陰性の転移乳癌の第一選択治療としてFDAに承認された。多施設ランダム化第3相臨床試験(E2100)の結果、アバスチン+パクリタキセル群では、パクリタキセル単独群に比べ無進行期間は11.3vs 5.8ヶ月であった。副次評価項目である全生存率はアバスチン群で1.7ヶ月延長された。アバスチン併用群では病勢進行および死亡のリスクを52%減少させた。
有害事象はこれまで明らかになっているものとほぼ同様であり、アバスチン併用群では、神経障害、高血圧、動脈塞栓、蛋白尿を含むグレード3/4の有害事象がより多かった。原文記事
≪2月26日追記≫
Breast Cancer Action (BCA:1988年から番犬の役割を担ってきた団体)は、FDAの今回の乳癌への適応は妥当ではないと非難した。FDAの乳癌治療の承認基準が低下していることを指摘した。
1.重篤な副作用によるQOL低下を考慮していない
2.今回の場合、全生存率と関連していない
有害事象はこれまで明らかになっているものとほぼ同様であり、アバスチン併用群では、神経障害、高血圧、動脈塞栓、蛋白尿を含むグレード3/4の有害事象がより多かった。原文記事
≪2月26日追記≫
Breast Cancer Action (BCA:1988年から番犬の役割を担ってきた団体)は、FDAの今回の乳癌への適応は妥当ではないと非難した。FDAの乳癌治療の承認基準が低下していることを指摘した。
1.重篤な副作用によるQOL低下を考慮していない
2.今回の場合、全生存率と関連していない
放射線治療とアバスチンの組み合わせによる有害事象の論文がそれほど出ていないからいいということなのでしょうか?個人的には不気味に思っています。昨今、有害事象を取り上げた論文が昔より少ない気がしますから、闇に葬られている可能性だってあります。
Grade 3/4の有害事象がアバスチン群で多かったこと、無進行生存期間の改善に比べ、全生存期間の改善が短いことも気になります。
少しでも有効な治療を希望される患者さんサイドの気持ちは分りますが、判断が早すぎるような気がします。
血管新生阻害剤は新しい薬なので、これまでの薬とは異なった未知の副作用がある可能性がありますね。
BCAは、「これは製薬企業にとっては大躍進であるが、患者にとっての大躍進ではない。」としています。全生存率も出ていないのに、ということは大きいでしょうか。
アバスチンは承認前、最初に乳癌治療にゼローダとの併用で失敗しています。効果が認められませんでしたね。
恩恵を被れる人々が多ければ良いのですが。
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/pubmed/index.php?page=article&storyid=464
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/pubmed/index.php?page=article&storyid=464
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=169
ありがとうございました。