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Gleevecがナチュラルキラー(NK)T細胞を活性化

2004-12-15 | 癌全般
慢性骨髄性白血病とGIST(消化管間質腫瘍)治療薬グリベックに新たに免疫細胞への効果があることを示唆した論文。(2004/1)
グリベックはc-kitチロシンキナーゼ阻害剤で、KIT陽性のGISTに有効とされるが、グリベックがターゲットとする分子の変異が見られないGIST患者への投与において、NK細胞によって生産されるIFN-γが増加した。生体内、外の研究でグリベックが樹状細胞にNK細胞活性化を働きかけるという新しい効果を示した。
http://www.jci.org/cgi/content/full/114/3/379

グリベックが免疫細胞を活性化
グリベック文献によると、6症例(うち3症例はフランスの第1,2相試験、残り3症例は米国の第2相試験から)は、グリベックのターゲット変異を発現していなかったが、客観的腫瘍反応を示した。これらのパラフィン包埋原発GIST患者6人のゲノムDNAを分析した結果、グリベックがターゲットとする変異-c-kit exons 9, 11, 13, 17, PDGFR exons 12, 14, 18-は全くみられなかった。しかし、肝臓、胃、肺転移の二人の患者はグリベックによって無病生存期間26ヶ月の完全寛解となった。肝臓転移の一人の患者は無進行期間24ヶ月の部分寛解となった。残る3人は無進行期間7、15、17ヶ月の安定となった。

もう一つ、海綿のglycosphingolipidが唯一NKT細胞を活性化する物質であるとの日本のキリンビールの発見が、シカゴ大の協力で研究される。
発見されてから10年と経たない免疫NKT細胞は癌予防に大きな役割を果たすが、これまで何がNKT細胞を活性化させるか不明だった。
University of Chicago Medical Center
2004-12-07

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