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ホルモン陰性乳癌研究の大前進

2004-12-26 | 乳癌
これまで、SERMsやアロマターゼ阻害剤の開発などでホルモン陽性腫瘍の研究にばかり注目が集まっていた乳癌であるが、ER(エストロゲン受容体)陰性腫瘍についての研究結果をM.D.アンダーソン・キャンサー・センターの研究者がSan Antonio Breast Cancer Symposiumで発表した。

6000人の患者で3つの施設で行われた調査によると、リンパ転移を有するER陰性乳癌患者において、化学療法は56%死亡リスクを減少させたという。絶対的有効性も同様にER陽性乳癌患者に比べ、劇的に高かった。
タモキシフェン予防的治療を受けたER陽性乳癌は化学療法への反応が少ないのに対し、この3つの試験で、ER陰性乳癌は統計的有意であったことが証明された。ER陰性腫瘍における化学療法の使用は2倍以上の生存率を示した。
現在まで化学療法にERステータスは無関係と思われていた領域での新たな発見である。

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