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ショウガが化学療法による吐き気を軽減するのに役立つ

2009-05-28 | 支持療法
 ショウガを従来の制吐剤と一緒に摂取することにより、癌患者の化学療法に伴う嘔気(吐き気)を予防、あるいは軽減するのに役立つと研究らが報告した。この結果はランダム化二重盲験プラセボ対照試験によるもので、これは化学療法に関連した嘔気におけるショウガの効果に関する最大の試験である。5月30日にフロリダ州オーランドで開催されるASCO年次総会で発表される。

「(栄養補助食品としての)ショウガが、化学療法に関連する嘔気に効果があることが判明した」と、先週の記者会見でこの結果を発表したロチェスター大学医療センターのDr. Julie Ryan氏が語った。彼女は、あらゆる投与量において、ショウガはプラセボと比較して有意に嘔気を緩和したと述べた。

NCIのCommunity Clinical Oncology Program(地域臨床癌研究計画)の資金援助を受けたこの試験は、644人の患者を対象におこなわれたもので、参加者のほとんどが女性で、乳癌、消化器癌、肺癌などの化学療法を受けていた。患者は、化学療法初日までの3日間と化学療法開始後の2日間を含む6日間、プラセボまたは3つの投与量(0.5g、1.0g、1.5g)のうちいずれかの量のショウガを摂取した。また試験期間中、従来の制吐剤も投与されていた。患者は嘔気の程度を1から7までのスケールで1日4回評価された。

ショウガはいずれの投与量においてもプラセボよりも嘔気の緩和に効果があった。もっとも効果があったのは0.5gまたは1.0gの投与量で、化学療法初日に摂取された場合であった。効果は、24時間にわたって線形的に減少していった。もっとも多い投与量では生物活性に必要な最大吸収量を上回るため、それほどの効果がないのではと研究者らは推測している。
NCIキャンサーブレティン5月19日号


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