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モルヒネによる腫瘍促進効果をセレブレックスが予防

2008-01-01 | 支持療法
 モルヒネがCOX-2を増加させ、血管新生を促進させて腫瘍の進行と転移を促し、生存を悪化させるという原理がマウスにおいて証明されたとBritish Journal of Cancer誌11月号でミネソタ大学から発表された。また、COX-2阻害剤セレブレックスは、このモルヒネによる腫瘍増殖効果を抑えた。
乳癌を移植したマウスに2週間モルヒネを投与したところ、COX-2とPGE2が4倍になり、腫瘍は35%増大した。セレブレックスを併用投与すると、COX-2とPGEおよび腫瘍関連効果を予防した。モルヒネのみのマウスは14日後までにすべて死亡したのに対し、併用マウスは20%にとどまった。
併用投与は、どちらの単独投与に比べても鎮痛効果は大きかった。
ロイター2007/12/26

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関連記事:疼痛緩和剤マリファナの癌抑制効果
参考:過去チップ「セレブレックス」検索

1月24日追記
カペシタビンとセレコキシブによるメトロノミック療法

【2010年8月1日追記】
モルヒネは癌の血管新生を抑制すると、ミネソタ大学医学部がAmerican Journal of Pathology誌に発表。原文記事


2 コメント

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なるほどなるほど・・・ (くぅたろう)
2008-01-05 16:48:41
いや、癌と、心筋梗塞って同じような話がいつも出てくるので、なるほどなあと思ってるんです。

心筋梗塞になったときに、最初にモルヒネ打ちなさいって習ったんですよ、学生時代。
モルヒネに血管新生を促進させる作用があるなんてはじめてしりましたけど、単に痛みを取るだけじゃないんだなあと納得。

逆に、COX-2阻害薬は心筋梗塞のイベントを増すみたいな報告がありましたが、それについてもなんとなく納得。
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ジレンマですね ()
2008-01-06 18:09:42
心筋梗塞はよく存じませんが、モルヒネは強力な交感神経刺激剤だそうです。そのために強い便秘が起こるらしいです。

でも、全国で適切に疼痛緩和が行われているのは半数程度というデータですし、何をおいても痛みの除去は優先されるべきですね。
セレコキシブが役に立てばいいですが・・
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