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睡眠ホルモン メラトニンと生存率

2005-09-01 | 支持療法
メラトニンは脳の脳下垂体から分泌される、体内時計をつかさどるホルモンで、年齢とともに減少する。米国ではサプリメントして不眠症や時差ぼけなどに使用されるが、日本では流通していない。癌治療への効果やQOLを高めるという研究や、メラトニン分泌低下を起こしやすい夜間勤務の職業看護師や航空客室乗務員などに乳癌が多いとの報告もあるが、はっきりしたコンセンサスは得られていない。

    
2005年8月24-26日に開催された第20回the American Association of
Naturopathic Physicians定例会議で、メラトニンが癌患者の生存率と関連があると報告された。メラトニンと癌の関連は現在よくわかっていないが、多くの出版物で肯定的な相互作用が証明されており、放射線治療や化学療法の補完的役割のエビデンスもある。今回、カナダの研究者らによって1993年~2003年に被験者計643人対象の癌治療とメラトニンの10の試験がメタ解析された。結果、多種の進行した癌患者において補完的にメラトニンを用いた場合、1年後の生存率が一貫して向上した。ただし、メタ解析された試験はすべてポーランドとイタリアの同じネットワークの研究者らによって行われたもので、独立性の欠如から少々不明瞭である可能性がある。the American Association of Naturopathic Physicians

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