現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

府川源一郎「児童文学の境界」日本児童文学学会第51回研究大会シンポジウム資料

2019-08-05 14:22:42 | 参考文献
 「児童文学」と「教育」の境界を論じています。
 特に、明治時代の「修身教育」を中心に説明しています。
 広義の教育的機能を持つメディアを「リテラシー形成メディア」と規定し、「児童文学」もその中に含まれるとしています。
 その理由として、「(子どもに)「児童文学」与える大人(媒介者と呼ばれます)は、(子どもの)想像力の伸長や豊かな感受性の育成などの、内面形成を意図しているから」と述べています。
 この点については、歴史的には正しいし、今でもその面はあると思われますが、子どもの読書の目的が教養形成から娯楽に移って、エンターテインメント作品全盛の現代の「児童文学」においては、かなりずれてきているものと思われます。
 また、「「修身教育」の場合は、「声」と「文字」と「図像」というメディアが、総合的に働いていた。→それは、現代の「児童文学」の享受においても同様ではないか。」という意見は、「読み聞かせ」「絵本」「漫画的イラスト」などが盛んな現状によくあてはまっています。

私たちのことばをつくり出す国語教育
クリエーター情報なし
東洋館出版社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鈴木武樹「J.D.サリンジ... | トップ | 「プルートゥ」鉄腕アトム「... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

参考文献」カテゴリの最新記事