現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

小川洋子「愛犬ベネディクト」いつも彼らはどこかに所収

2018-05-29 08:23:23 | 参考文献
 僕と妹とおじいちゃんだけの静かな生活が描かれています。
 学校へ行かなくなった妹は、溺愛するブロンズでできた小犬のベネディクトと手作りのドールハウスだけの小さな世界でひっそりと暮らしています。
 しかし、そんな妹が盲腸の手術で入院すると、そこに大きな空隙ができたことに僕は気づかされます。
 現実と空想が交錯する不思議な世界を、小川の静謐な文章がくっきりと捉えます。
 こういったファンタジーとリアリズムの狭間の世界は、本来児童文学の得意とするところです。
 このような作品が、現代の児童文学でも生みだされることを希望します。

いつも彼らはどこかに
クリエーター情報なし
新潮社

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