「すてごろ」と言うのは、刃物などを使わずに素手でやる喧嘩のことで、主人公(堅気だが暴力団の密接交際者)の相棒(疫病神)で元やくざの桑原は、「すてごろ」だったら大阪一と言われる男です。
前作の「破門」(直木賞受賞作。その記事を読んでください)で暴力団の組を破門になった桑原と、ひょんなことから主人公はまたつるむことになります。
喧嘩はできないが金のためなら危ない橋も渡る主人公と、イケイケやくざのデコボココンビが、また大暴れします。
暴力や犯罪が頻出するこの作品がこんなに人気があるのは、やくざ以上に人間のクズの国会議員や地方議員、議員秘書、役人、警察などの悪事が暴かれていく痛快さでしょう。
もちろん徹底したエンターテインメントなのですが、議員や議員秘書や役人の実態は本当にこんなものじゃないかと読者が思っているからこそ、作品に一定のリアリティが保障されているのでしょう。
視察と称する観光旅行を公費で行い、政治活動費で飲み食いする議員やその関係者は相変わらず後を絶ちません。
また、「指示したことは一切ない」と国会で見えを切りながら、裏で役人たちに自分の意思を忖度させて思い通りにしている総理大臣や、「記憶にない」とか「メモは廃棄した」とか臆面もなく国会で言ってのける鉄面皮の官僚たちを、いやというほどテレビで見せられると、実態はこの作品よりもっとひどいのだろうと思ってしまいます。
今回の作品では、桑原の喧嘩(すてごろ)も組の代紋あってのものだったことがはっきりし、さすがのイケイケやくざもそれをなくしたことによる弱みを見せます。
それと同じで、実際の政治家や役人も、政府、政党、議員、役所といった代紋がなければただの愚かな人間にすぎず、それゆえその代紋にしがみついている様子がよくわかります。
ラストで、桑原は組に復帰することが許されます。
作者は、この人気シリーズで、まだまだ稼ぐつもりのようです。
前作の「破門」(直木賞受賞作。その記事を読んでください)で暴力団の組を破門になった桑原と、ひょんなことから主人公はまたつるむことになります。
喧嘩はできないが金のためなら危ない橋も渡る主人公と、イケイケやくざのデコボココンビが、また大暴れします。
暴力や犯罪が頻出するこの作品がこんなに人気があるのは、やくざ以上に人間のクズの国会議員や地方議員、議員秘書、役人、警察などの悪事が暴かれていく痛快さでしょう。
もちろん徹底したエンターテインメントなのですが、議員や議員秘書や役人の実態は本当にこんなものじゃないかと読者が思っているからこそ、作品に一定のリアリティが保障されているのでしょう。
視察と称する観光旅行を公費で行い、政治活動費で飲み食いする議員やその関係者は相変わらず後を絶ちません。
また、「指示したことは一切ない」と国会で見えを切りながら、裏で役人たちに自分の意思を忖度させて思い通りにしている総理大臣や、「記憶にない」とか「メモは廃棄した」とか臆面もなく国会で言ってのける鉄面皮の官僚たちを、いやというほどテレビで見せられると、実態はこの作品よりもっとひどいのだろうと思ってしまいます。
今回の作品では、桑原の喧嘩(すてごろ)も組の代紋あってのものだったことがはっきりし、さすがのイケイケやくざもそれをなくしたことによる弱みを見せます。
それと同じで、実際の政治家や役人も、政府、政党、議員、役所といった代紋がなければただの愚かな人間にすぎず、それゆえその代紋にしがみついている様子がよくわかります。
ラストで、桑原は組に復帰することが許されます。
作者は、この人気シリーズで、まだまだ稼ぐつもりのようです。
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