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読書録「ホーンテッド・キャンパス水無月のひとしずく」ほか

2022-01-06 | Weblog
読書録「ホーンテッド・キャンパス水無月の
ひとしずく」3

著者 櫛木理宇
出版 角川ホラー文庫

p126より引用
“「大丈夫、平気平気。その程度の黒歴史な
ら誰にでもあるから。かくいうぼくなんか厨
二病の現役で、いまだに本気でCIAに就職した
いと思ってるし、テロリストやゾンビと戦う
脳内シミュレーションを欠かさないし、空か
ら早く美少女が降ってこないかなって考えて
るよ。だから気にせず、どうぞ話を進めて」


目次より抜粋引用
“辛辣な花束
 指は忘れない
 罪のひとしずく”

 見たくないのに幽霊が見えてしまう大学生
を主人公とした、短編連作青春オカルトミス
テリ。シリーズ第十二弾。
 半年以上の微妙な関係から抜け出し、付き
合い始めた一組のカップル。初めて彼の家へ
遊びに行くことになったのだが…。

 上記の引用は、中学時代に霊感少女を自称
していた、オカルト研究会への依頼人に対す
る部長・黒沼の返事。
中身はこんな風なのに、周りの人達から頼ら
れ慕われているのですから、人望・人徳のな
せる業なのでしょうね。
 命にかかわる事件に関わっておきながら、
平気ではちみつレモンみたいな恋愛をしてい
られるのは、主人公もどこか少し狂っている
ように思われます。
 オカルト研究会が紹介制となっているので、
過去の登場人物がちょくちょく出てきます。
連作小説の途中からよみ始める人は、そんな
にいないと思いますが、ずっとシリーズを追っ
ていないで拾い読みすると、疎外感を受ける
かもしれません。私その話聞いてないんです
けど、といった感じに。
 青春の甘酸っぱさと、人が引き起こすオカ
ルト現象の怖さ・気味悪さ・おぞましさを両
方受け入れて楽しめる人なら、もっと評価は
高いでしょう。

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読書録「ホーンテッド・キャンパス墓守は笑
わない」3

著者 櫛木理宇
出版 角川ホラー文庫

p130より引用
“「正直言って、ぼくは彼についてあまり考
えたくないんだよねえ。昔、信頼できる人に
言われたことがあるんだ。"恨むと、相手と繋
がってしまうからやめろ"って。べつにぼくは
久裕くんを恨んじゃいないけどさ、でも恨み
つらみに限らず、強い思念というのは余計な
ものを引き寄せがちだし、いやでも相手とな
にかを繋いじゃうでしょ」”

目次より抜粋引用
“こどものあそび
 湖畔のラミア
 墓守は笑わない”

 見たくないのに幽霊が見えてしまう大学生
を主人公とした、短編連作青春オカルトミス
テリ。シリーズ第十三弾。
 前期試験は上手くいきそうで、想い人との
関係も良好な状況に、人生の幸運期を感じて
いる主人公・八神森司。二人で食事をしてい
たお店で、森司一人になったタイミングで同
じアパートの先輩と偶然出会い…。

 上記の引用は、異父弟に対するオカルト研
究会部長・黒沼の台詞。
以前にも出てきて面倒ごとの種をまき散らし
た人物ですが、本人に悪気が無いようなのが
やりづらそうです。嫌な相手、邪魔な相手の
ことは、考えてしまう事さえ自分の害になる
もののようですね。出来るだけ遠ざけて、軋
轢が出ないくらいに無視を決め込むくらいで
いいのかもしれません。
 二話目に登場するある人物の身勝手さは、
大きな病の流行期である現在、反面教師とし
て良い例なのではないでしょうか。
よくよく考えて行動したいものです。

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