いつまでもぼちぼち

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実在する全てと無関係です

読書録「モチーフで読む美術史」3ほか

2023-11-07 | Weblog
読書録「モチーフで読む美術史」3

著者 宮下規久郎
出版 筑摩書房

p114より引用
“ このチーズは豆腐のように見えるが、イ
タリアのリコッタチーズは豆腐のように淡白
な味である。そもそも豆腐自体、中国人が唐
時代に北方民族のチーズを模倣して大豆で作っ
たものであり、味も食感も似ているのは当然
である。”

目次より抜粋引用
“犬
 猫
 羊
 向日葵
 分かれ道”

 美術史家である著者による、絵画に描かれ
た動物などのモチーフを基に、名画の楽しみ
方を記した一冊。新聞連載「神は細部に宿るーー
モチーフで読み解く美術」の、加筆文庫オリ
ジナル。
 身近な動植物からはっきりしない概念まで、
元となった作品の写真と共に解説されていま
す。

 上記の引用は、チーズについての一節。
精進料理でよく使われている豆腐のもどき料
理の、一番元の豆腐自体がもどき食材という
のは面白いものですね。
 絵だけをパッと一目見てもわからなくても、
こういう楽しみ方を教えてくれる著作がある
事で、一つ楽しいことが増えるのはありがた
いものです。

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読書録「世界ぐるっと肉食紀行」3

著者 西川治
出版 新潮社

p76より引用
“ いろいろなところで、いろいろな食べ物
を撮影していると、遠く離れた国同士にどう
してまったく同じような調理法や加工品がう
まれたのだろうと、不思議におもうことがあ
る。”

目次より抜粋引用
“牛を食う
 豚を食う
 鶏を食う
 羊を食う
 内臓を食う”

 写真・文筆家・画家でありながら、料理研
究家としても多くの著作を持つ著者による、
多くの国で食べてきた肉料理について記した
紀行エッセイ。
 スーパーで手に入るような身近な肉から各
国現地でした食べられないような肉まで、一
冊丸ごと肉尽くしな内容となっています。

 上記の引用は、世界で美味しいと言われる
生ハム三種について書かれた一文。
元の肉が同じような物であると、美味しく食
べる方法も同じように収束するのかもしれま
せんね。似たような環境で生きる生き物が、
似たような姿かたちに進化するという話を思
い出しました。
 ずっと肉肉肉、一冊通して読もうとすると、
疲れる・胸焼けする人もいるかもしれません。
他の食材の本と合わせて読むと、その日の食
事メニューのアイデアも浮かんで良いのでは
ないでしょうか。

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読書録「そして誰も信じなくなった」4

著者 土屋賢二
出版 文藝春秋

p41より引用
“ 人類は多くの難事を成し遂げたが、その
原動力は、何事も簡単にできると勘違いする
軽率さである。”

目次より抜粋引用
“ネジが可愛く思えた日
 ある謝罪会見
 年はとるな
 清らかさの極地
 旅行と想像力”

 経歴はいまいちはっきりしない哲学者によ
る、ユーモアあふれるエッセイ集。雑誌連載
をまとめた文庫オリジナル。
 パソコンのハード増設から病院に対する恐
怖まで、口先で考えたような文章で綴られて
います。

 上記の引用は、生きることと軽率さについ
て書かれた項での一文。
余計な苦労をしたくなければ、何かを始める
前に立ち止まって考えなければならないので
ようね。しかし皆が皆そうだと、変化が起こ
らない世の中になるのでしょう。行動力のあ
るあんぽんたんの重要性について、考えさせ
られます。
 読めば気持ちが楽になる、心の鎮痛剤といっ
た感じの著者の一連の作品の一つです。

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読書録「学校では教えない歴史の「その後」」3

編者 歴史のふしぎを探る会
出版 扶桑社

p103より引用
“ 地方長官というのは実入りの多い仕事で、
「国司は倒れても土をつかめ」と揶揄される
ほど、不正の蓄財に励むのが常識だった。
したがって、任期を務めて帰京する頃には一
財産築いている場合が多かったという。”

目次より抜粋引用
“意外な展開
 翻弄される人生
 豊穣なる終焉
 消えない異説”

 歴史の謎を独自の視点から追及する研究会
による、歴史の後日談を記した一冊。
 縄文時代から近代まで、タイトルの通り学
校では習うことが少ないであろう逸話が紹介
されています。

 上記の引用は、紀貫之について書かれた項
での一節。
今も昔も悪どくやればいくらでも儲かる立場
というのはあるようですね。しかし、紀貫之
は蓄財のために汚職に手を出すことはなく、
苦労したそうです。その後、自らの才で年を
重ねてから出世したとのことで、芸は身を助
けるを地で行く人物であったようです。
 本書を書くにあたっての参考文献が、巻末
に記されていますが、大変数多く載せられて
いるので、この本自体が文献目録のような感
を受けます。

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読書録「世界しあわせ紀行」4

著者 エリック・ワイナー
訳 関根光宏
出版 早川書房

p365より引用
“結局のところ、先に古いものを手放さなけ
れば、新しいもの(たとえば仕事や、人間関
係、人生の進路など)を選ぶことはできない。
両手がふさがっているときに食べ物の袋に手
を伸ばしたところで、全てが音を立てて床に
落ち、両手に何も残らない結果に終わるのが
関の山だ。”

目次より抜粋引用
“オランダー幸せは数値
 スイスー幸せは退屈
 ブータンー幸せは国是
 カタールー幸せは当たりくじ
 アイスランドー幸せは失敗”

 ジャーナリストである著者による、世界で
一番幸せな国を探す旅を綴った紀行文。同社
刊行作文庫版。
 北の果てから砂漠のど真ん中まで、それぞ
れの国の人々に何をもって幸福を感じるのか
について、聞いて訊ねて記されています。

 上記の引用は、タイ特有の「マイペンライ」
の精神についてについて書かれた項での一節。
今あるもので満たされているのなら、まずそ
れが無くなってから、次の物事に取りかかる
方が、無駄や損失が少ないのかもしれません
ね。
 ジャーナリスト故に、不幸な国ばかり訪ね
ていた著者だそうです。それが重要な仕事で
あるというのもあるのでしょうけれども、他
の人の諍いごとに首を突っ込むのをやめるの
が、不幸な気分を味合わないためにはいいの
ではないかと思います。

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読書録「ドイツものしり紀行」3

著者 紅山雪夫
出版 新潮社

p129より引用
“ 確かに、王の日常生活は異常というほか
なくなっていた。ミュンヘンにはまったく寄
りつかず、アルプス山麓地方にばかりいて、
昼間は眠り、日没頃に起きて入浴し、真夜中
に昼食を取る。(中略)
 そんな不自然な生活がたたって、若い時の
颯爽たる姿はどこへやら、まだ四〇歳そこそ
こだというのに醜く太り、歯は抜け落ちて言
語不明瞭で、以前にも増して人前に出るのを
嫌うようになっていた。”

目次より抜粋引用
“ロマンチック街道を行く
 ミュンヘンとドイツ・アルプス街道
 フランクフルトからライン河谷へ
 ハイデルベルクと古城街道”

 旅行作家である著者による、歴史的背景の
解説を主とした、ドイツ観光案内。
他社刊行作「新版ドイツの城と街道」文庫版。
 団体旅行で行くような有名なところから歴
史を自分で体感したいマニアが行きそうなと
ころまで、旅の達人ならではのような豆知識
と共に記されています。

 上記の引用は、ノイシュヴァンシュタイン
城主・ルートヴィヒ二世についての一節。
本人は狂ってしまえば楽なのでしょうが、周
囲はたまったものではありませんね。
 三十年以上前の情報なので、今観光案内と
して使えるかどうかは微妙かも。古城や遺跡
は変わらずに存在していても、見学できるか
どうか下調べは必要になってくるのではない
でしょうか。

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読書録「12万円で世界を歩く」3

著者 下川裕治
出版 朝日文庫

p44より引用
“ ネパール政府が、ドラッグ類を許してい
るわけではないのだが、この国にはあらゆる
種類のドラッグがある。ハシシュ、LSD、アヘ
ン、牛糞にはえるといわれるマジックマッシュ
ルーム……。欧米を中心にした若者は、これ
をめあてにネパールにやってくる。”

目次より抜粋引用
“バンコクから尻にアセモの二千キロ。赤道
には白線が引いてあった。
 高度四千メートルめざすヒマラヤ・トレッ
キング。ヒルの森にヒルむ。
 ついにニューヨーク到達。アメリカ大陸、
一万二千二百キロ。
 念願のカリブ海リゾート。キューバのドル
払いアリ地獄に泣く。
 タイ国境線をなぞる戸惑いの旅。気がつい
たら“密入国”。”

 フリーライターである著者による、予算12
蔓延で世界各地を旅してまわった紀行文。
同社刊行作文庫版。旅の明細書付き。
 日本のお隣からヨーロッパや中米まで、ぎ
りぎりの旅の悲喜こもごもが記されています。

 上記の引用は、ネパールのドラッグ事情に
ついて。
ドラッグについては合法な種類と国もあるよ
うなので、その場へ行って楽しまれる分には
文句もないのではないでしょうか。禁止され
ている国では、その他の事を楽しみましょう。
周りに迷惑を掛けない程度にしてほしいもの
です。
 まだベルリンの壁が存在していた時代の旅
行の記録なので、貴重な作品になってくるの
ではないでしょうか。文庫版あとがきにあり
ますが、旅行作家としての著者の転換点となっ
た一作だそうです。

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読書録「異世界おじさん10」5

著者 殆ど死んでいる
出版 MEDIAFACTRY

p97より引用
“ソフトのダウンロード機能は
今は全ハード標準装備だよ…”

 異世界から帰還したおじさんを主人公とし
た、ファンタジーコミック。
 エルフの身体を乗っ取られ、ダンジョンボ
スとして戦うことになってしまった主人公・
おじさん一行。仲間たちは倒れ、敵は強力な
装備を持つ大多数、しかし、その時おじさん
が繰り出した攻撃に、敵は目を見開く…。

 上記の引用は、電話回線を使ったゲーム配
信システムがあった話での、甥・たかふみの
台詞。
最先端、最前線を走るというのは、全ての抵
抗を自力で切り開いて進まなければならない
でしょうから、ずっと続けるのは難しい事な
のでしょう。今まで世に出た多くのゲームを、
家に居ながら手に入れることが出来る現在は、
ゲームが好きな私にはとても幸せな時代です。
 何かと問題が起こるyoutube界隈ですが、お
じさんのように、人を本気で楽しませようと
する配信者が増えることを祈るばかりです。

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読書録「超情報化社会におけるサバイバル術
「いいひと」戦略 電子版」4

著者 岡田斗司夫 FREEex
出版 株式会社ロケット

位置NO,1262より引用
“レコーディング・ダイエットが「太る努力」
をやめて瘦せたように、いいひと戦略では「イ
ヤな人になる努力」をやめることで、自然に
「いいひと」になれます。”

目次より抜粋引用
“「いいひと戦略」の本質
 評価はお金を生む
 「評価戦略」は現代の武道
 「いいひと」戦略への反論
 イヤな人になる努力をやめる”

 オタキングと呼ばれる著者による、物事の
変化が激しい現在をより良く生きるための戦
略について記した一冊。他社刊行作電子版。
 情報化の加速とそれに伴う社会の変化・推
移から具体的な行動指針まで、実例を挙げな
がら解説されています。

 上記の引用は、努力の方向性について書か
れた項での一節。
自分のしている努力が間違っているかどうか、
自分の行動をしっかり見つめ直すのがいいよ
うです。著者によると、自分のした嫌な事を
記録してしまうと、必要以上に自己嫌悪して
しまうそうなので、現状を知るようにするだ
けで充分だそうです。
 あらゆる方面で厳しい2023年現在ですので、
せめて自分で出来る方法で今を乗り切るため
にも、人から足を引っ張られないようにする
方策として良い参考書ではないでしょうか。

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