とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

チャゲアスの「On Your Mark」についての功績

2022-01-17 22:58:47 | 映像作品
日本の1990年代の音楽シーンをポップス面で力強く牽引した音楽ユニット「CHAGE and ASKA」の件である。
このPVを日本のアニメスタジオ・スタジオジブリに発注して出来上がったのが、稀代の名作、難解な構成で作られたアニメーション作品である「On Your Mark」であった。
これの功績を書く。
(ちなみに外人受けはかなり悪い模様)。

結論から書けば、チャゲアスの一番の功績は1億円を出してジブリにアニメーション作品を発注したことであった。これは人類にとっては100億円程度の価値がある。
じゃあ他の映像スタジオ、例えばハリウッド、ボリウッド、中国、韓国、アルジェリアなどに発注してこれができるか? と言うと絶対にできない。
ディズニー、ピクサーに発注してこれができるか? と言うと、これもまた絶対にできない。
あるいは日本の他のアニメスタジオに発注してこれができるか? と言うと僅かに可能性はあるものの、これもまた絶対にできない。
唯一可能性があるのはヨーロッパ的センスのある欧州諸国であるが、しかし欧州各国はアニメ制作は得意でない(まあファンタスティック・プラネットを見てしまうとどうもね・・・)。バンドデシネだとかジャン・ジロー、wakfuがあるフランスに期待する。

現在において、ファンにとっては残念なことであるが、世界の商業音楽業界の宿命とも言える潮流の波にさらわれて、チャゲアスとその音楽もまた過去のものとなってしまった。
現代の若い人はサカナクションやヒゲ男やうっせえわを歌ってもチャゲアスは歌わない(と言うよりそもそも知らない)のである。
ちなみに私はチャゲアスのファンではないが、ファンの人からは「最近の若い人はチャゲアスを知らない、カラオケで歌っても『なんだそれ』状態だった」との愚痴を20年ほど前に聞いた。

よって2022年現代の価値観で言えば、チャゲアスの歌は時代の潮流に流されてしまった評価の低い音楽とされてしまった感がある。

ただ問題はここからだ。チャゲアスの楽曲「On Your Mark」のPVアニメーション作品である同名タイトルの「On Your Mark」は、とにかく色褪せない。
今でも力強い輝きを放ち、時代の潮流に絶対流されない不動の存在を示している。

岡田さんの解説動画では、当時の状況ではチャゲアスが絶大な名声を博していて、ジブリは国民的アニメーションにはなっていなかった知名度の低いスタジオと言う扱いだったと言う。
今ではその逆だ。
当時のポップスでヒットを飛ばしたであろうCHAGE and ASKAは、既に色あせたものとして存在を規定されてしまったが、ジブリの「On Your Mark」は、その廃墟から発掘された一級の芸術作品として確率された感があるのである。
ギリシャエーゲ海でのサモトラキ島から発見された世界屈指の彫像は、発見された1863年には、作った当時のギリシャ各諸国家は既に滅亡していたように。

チャゲアスに世界の映像シーンへの功績があるとするならば、1億円を出して、この7分ちょっとのPVをジブリに作らせたことである。
これは間違いなく人類映像史にメルクマールを打ち立てる作品となった。
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