手荷物にご用心―ミセス・パージェター・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) | |
サイモン・ブレット | |
早川書房 |
そもそも今回の旅行は、夫をなくしたばかりで落ち込んでいるジョイスを元気づけるのが目的で、酒びたりのジョイスは、いつ自殺してもおかしくはなかった。だが、手首を切るのに、手近にあるナイフを無視してわざわざウーゾの瓶を割り、その破片を使うだろうか? 疑問を感じたパージェター夫人は、自殺説に固執する地元警察に対抗して独自の調査を開始した!
人生をエンジョイする未亡人パージェター夫人が異国の地で起きた難事件に挑む、英国ミステリの好篇。』
前作がつまらなかったのを自覚していたのか、本作はギリシアまで遠征でスケールも大きく、退屈せず読めた。
邦訳済みのシリーズはこれで読了。
ギリシアが非法治国家であるような印象が残るが(1990年著)、イギリスから見たときそう見えるのだろうか。
日本でも伝奇推理小説などで、閉ざされた山村などがこんな風に描かれることがあるが、そういう類と取るべきなのだろうか。