北村薫の本格ミステリ・ライブラリー (角川文庫) | |
北村 薫 | |
角川書店 |
Ⅰ.懐かしの本格ミステリ -密室三連弾プラス1
レナード・トンプスン<酔いどれ弁護士>
.「スクイーズ・プレイ」
.「剃りかけた髭」
.エラリー・クイーンからのルーブリックと手紙
ロバート・アーサー「ガラスの橋」
ローレンス・G・ブロックマン「やぶへび」
Ⅱ.田中潤司語る -昭和30年代本格ミステリ事情
Ⅲ.これは知らないでしょう -日本編
深見豪「ケーキ箱」
新井素子・秋山狂一郎・吾妻ひでお「ライツヴィル殺人事件」
Ⅳ.西条八十の世界
西条八十「花束の秘密」
ロオド・ダンセイニ 西条八十訳「倫敦の話」
ロオド・ダンセイニ 西条八十訳「客」
カーリル・ギブラン 西条八十訳「夢遊病者」
Ⅴ.本格について考える
都筑道夫「森の石松」
マヌエル・ペイロウ「わが身にほんとうに起こったこと」
吉行淳之介「あいびき」
Ⅵ.クリスチアナ・ブランド「ジェミニー・クリケット事件(アメリカ版)」
あとがき代りのミステリ対談 VS.有栖川有栖 』
『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー 』を読んだので姉妹編のこちらも。
北村薫さんが編んだアンソロジーなのだが、ミステリーとしての出来からすると有栖川有栖の選んだほうが面白いと思うが、へぇこんなものがあるのか~という驚きに満ちている。
16歳のレナード・トンプスンの<酔いどれ弁護士>シリーズ、投稿作品をもとにEQが完成まで導いたものだが、アイデアはもちろん素晴らしいのだが、そのアイデアを小説の形にそぎ落とすEQのテクニックを垣間見てなるほどと感心した。
その後レナード・トンプスンはどうしちゃったんでしょう?
EQ程の人に助言されても素直には聞けない様子なので、筆を折っちゃったんでしょうか。
この頃編集者は何をしてるんだろうと思う小説が散見するけれど、大家の方でも客観的な意見は聞いてもらえたらなと思わないこともない。