『近年の発掘調査の増加とともに、古代の道路跡が全国各地で次々と発見されている。驚くのは、直線で舗装された道路であることだ。側溝をそなえ、広いものは幅30メートルにも及ぶ。これらは時の巨大な権力が労働力、技術力を結集し、目的を持って造ったことを物語る。道づくりの技術はどこから来たのか。なぜここに道を通す必要があったのか。道の上で何があったのか。大豪族葛城氏の繁栄を支えた道路、推古天皇・聖徳太子・蘇我馬子の経済政策と道路の関わり、壬申の乱の舞台となった要衝、全国駅制施行とともに行われた列島改造、律令制の崩壊と地方分権にともなう道路の荒廃など、古代国家の誕生から終焉までを、5~10世紀の道路の実態から読み解く。遺跡を歩く写真・地図を多数収載。 』
著者の近江俊秀さんは橿考研にいらした方。
きちんとした事実に基づいて論理の羽を伸ばしていらっしゃるので、とても安心して読むことができた。
奈良時代の終わり、街道の幅がいっせいに縮小した(大きな政府→小さな政府)はちょっとびっくり。