始まりに向かって

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ホピ・インディアンの、第1の世界の終末

2008-12-07 | ホピの宇宙神話・伝承・祭
三十人のホピ長老たちの語りをまとめたフランク・ウォーターズの本「ホピ・宇宙からの聖書」という本があります。
ホピ族は現在までに3つの世界の始まりと終わりを経験し、それを記憶しているといいます。
彼らの語り継いだ1番目の世界が終わったときの様子を、同書から転載します。
以前書いた「ホピの第1の世界」の続きです。

     
      *****


最初の人類は、地の表に広がり、幸せに生きていた。
だが、「創造主を敬え」というソッツナングとクモ女の命令を忘れる者たちがやがて現れてきた。
彼らは創造の計画を遂行するというはじめの目的を忘れ去った。

その頃彼らの間につぐみに似た鳥のかたちをとってラバイホヤ(おしゃべり)が現れた。
動物が人間から離れはじめ、人間も互いに分裂しはじめた。
違う民族と言葉の者たちが分裂し、次に創造の計画を覚えている者とそうでない者とが分かれた。

原初の知恵から遠ざけられ、人々は互いを疑い、非難しあって、ついに暴力にうったえて戦いはじめた。
そこには休息も平和もなかった。

だが、どの民族の人々の中にも、創造主の法則によって生き続けるわずかな数の人たちがいた。

彼らのもとにソッツナングはやって来た。
「事態があまりにひどいので、わたしたちは世界を滅ぼし、あなたがたがはじめからやり直せるよう新しい世界を創造することに決めた。
あなたがたはわたし達が選んだ者たちである。」

「あなたがたはある場所に行く。
コパヒ(頭頂の波動中枢)が、あなた方を導くであろう。
この内なる知恵は、あなたがたにある光景を示す。
それは昼は特定の雲、夜は特定の星となって、あなた方を導く。

なにものの持たずに行け。
雲が止まり星が止まるときに、あなた方の旅は終わる。」

こうしてこれらの人々は、世界の各所で突然姿を消し、昼は雲、夜は星に導かれて旅をした。
他の人々は、どこに行くのかと聞いて、彼らを嘲笑った。

多くの昼と夜を経てのち、最初の人々は所定の場所に到着した。

他の人々もやってきて言った。

「わたしたちも、蒸気と星に導かれてここに来たのです。」

彼らは違う民族と言語であっても同じ心と理解を持っていることを知って、喜び合った。

最後の一団が到着したとき、ソッツナングが現れた。

彼は「蟻人間」の住む大きな塚のところまで人々を導くと、その屋根を踏みならして、蟻人間たちに入口を開けるよう命じた。

入口が開くと、ソッツナングは人々に行った。

「この蟻のキバ(祈りをする建物)に入りなさい。
わたしが世界を滅ぼすときにもあなた方は安全である。
ここにいる間は蟻人間たちから教えを受けよ。
彼らはお互いに平和の内に生きている。」

そこで、人々は地下に下り、蟻人間と共に生きた。

彼らが皆安全でいる間に、タイオワはソッツナングに世界を滅ぼすよう命じた。

ソッツナングは、世界を火によって滅ぼした。
彼らは世界に火の雨を降らせた。
すなわち、火山の口を開いたのだ。
火は下からも上からも噴き出て、地も水も風もすべて火の元素一色と化し、地の子宮の中で安全に生きている人々以外は何も残らなかった。

   

      *****


最初の人類の世界は、不思議に満ちていたようです。
彼らは、創造主と密接な関係をもっていたのです。
そして創造主から選ばれた民として、その導きに忠実であったようです。

彼らはどのような光景を見せられていたのでしょう?
約束の地は、どのような所だったのでしょうか?

蟻人間とは、何ものなのでしょう?
それは地底に住む人間とは別の生物なのでしょうか?

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