ナバホ族の祖先たちが辿った、彼らが今の世界に至るまでの旅のお話です。
ゾルブロッド著「アメリカ・インディアンの神話 ナバホの創世物語」をご紹介しています。
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(引用ここから)
第4世界の表面は、下のどの世界の表面とも異なっていた。
それというのも白と黒が混じりあい、上の空は白か青か黄色か黒のどれかだった。
それは下の世界と同じようだったが、ここでは同じ色の続く長さが違っていた。
「第一世界」では、それぞれの色が一日と同じ長さをもっていた。
「第二世界」では、青と黒が白と黄色よりもほんの少し長かった。
しかしここ「第四世界」では、白と黄色はほとんどなかった。
というのも青と黒が空に時間を独り占めしていたからだ。
まだ太陽も月もなく、星もなかった。
「昆虫人」たちが「第四世界」の表面に辿り着いた時、生き物はなにもなかった。
しかし雪をかぶった大きな四つの山の頂が、水平線に添って彼らを取り巻いているのが見えた。
探検にゆくと、今までに見たこともないヘンテコな人種をみつけた。
前髪を四角く刈り込み、地下の家に住んでいる。
土地を耕し、物を実らせている。
今はちょうど収穫の時期で自分たちに食物をくれた。
これで新来者の「昆虫人」にとって「第四世界」は下のどの世界よりも大きいことが分かった。
早速次の日、新しくみつかった部族の二人が、追放者の「昆虫人」のキャンプを訪ねてきた。
彼らは「突っ立った家に住む人」と呼ばれていた。
彼らは放浪の身である「昆虫人」を自分たちの村に招待したいと申し出た。
途中で赤い小川にぶつかった。
昆虫人に「歩いて渡るな」と注意した。
「でないと足を怪我するぞ」というのだ。
その代り四本の丸太で作った筏を見せた。
その筏に乗って全員むこうの土手に渡り、「第三世界」から来た「昆虫人」はそこの「第四世界」に住む人々の家を訪ねた。
「昆虫人」はトウモロコシとカボチャをもらい、「ここでいっしょに暮らしなさい」と勧められた。
実際かなり長い間、彼らは尖った家の村で暮らしてみた。
彼らからもらった食物を食べて、楽々と暮らした。
そしてとうとうみんなで一つの部族のように暮らし始めた。
まもなく互いを父よ、母よ、息子よ、娘よと言い始めた。
この地は乾いた土地だった。
雨も雪も降らず、水はほとんどなかったのだ。
しかしそこに住んでいた人々は灌漑をし、物を育てる術を知っており、それを新来者にも教えた。
23日が過ぎ23夜が過ぎていった。
すべてうまくいっていた。
そして24日目の晩、「昆虫人」は身内だけで静かに話し合い、今までの行いを改め、秩序を乱すような馬鹿なことは一切しないと決めた。
ここは良い所だから、放浪の身の「昆虫人」はここに住みつきたいと思ったのだ。
(引用ここまで)
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