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拝啓櫻井よしこ様:昭和天皇メモ公開に寄せて(1/5)お粗末過ぎる我国メディアの資質を問う!

2006-07-21 14:42:10 | 教養・文化・歴史
 昨日(7月20日)夕刻のHNKニュースのトップ報道を視聴するなり、不愉快千万である。
 何処から入手したものか、故・宮内庁長官富田朝彦氏の個人的メモを公開。メモとは、昭和天皇ご在位中に「天皇直々の言葉」として富田宮内庁長官の手記を公表。こともあろうに、一枚の手記から「当時の昭和天皇の想い」を『推測』し、以って『東京裁判A級戦犯の靖国合祀』に対し、昭和天皇御自ら「不快の念」をもたれていたと(視聴者に対し)確信させるべき報道を大々的に行なうから、我輩は怒り心頭に達した。
 加えて、今朝の地方紙『中国新聞』(添付画像をご参照下さい)には、堂々一面のトップ記事に配置するから、更に怒った。

(当該ニュース新聞の論調に対し矛盾を感じ、もって報道に対する不快感をお持ちの方、是非右ランキングバーをクリック、拙ブログの応援いただきたい)

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【その1】

我輩の怒り、その基本的理由あり。

1)(本・第1項、全くの私的感情論であるが)恐れ多くも、これ如きの「ヤラセ報道」に、まるで、そこいらの安物タレントと見間違う如くに、天皇陛下のご真影(お写真)を掲載すべきではない。

2)いやしくも、宮内庁長官を勤めたる故人物(富田氏)の、執務上といえども「個人的なメモ」を、ご本人亡き後ご本人の了解無く、突然に公開してよいものだろうか?

3)宮中に於ける(決して確信はないものの)昭和天皇の「個人的ご発言」を、昭和天皇亡き後になって、更にメモを残されたご本人富田氏亡き後になり、誰の承認をえて公開したのか?

4)まさか、東京の都心の路上やくずかごに紛れ込んでいた「メモ書き」を拾い出し、公開に至ったのではない筈。ならば、このメモ書きの保管者保有者は、一体誰であったか?

5)メモの保管者に問い正したい。もの申したい。その「メモ書き、公開に至る」理由を・・・

6)公開すべき根拠、例えば遺言・遺書なりの添付公開を以って、公開すべきであろうと思う。今の世の中、いくら報道の自由・言論の自由と雖も、あまりにも遣り過ぎた取り違えた言論の自由だと思う。一にも二にも、公開に至った背景を、聞きたい。

7)側近とはいえ、他人がメモ書きした数行の文章で、当時の昭和天皇の『お心』を全て読み取れるのか?無理であろう。会話には一定の流れ、あり。ならば、この一枚のメモにて、富田侍従長と当時の昭和天皇の「包括的会話内容」を推測可能なるか?
会話には最初と最後がある。会話は、当事者にしかわからない側面、多いにある。メモ書き問題が昭和天皇のご意志に関わる問題であるから、なおさらの事、包括的に捉えて判断しないといけない。この度のように会話の一部分を切り取り、天皇のA級戦犯云々につての「ご不快感ありき」までに推測するは、各論調を発信するメディア側の「こじつけ」以外、何物でもない。
いかなる演説、論文、はたまた巷の会話を取り上げても、少なからず「起・承・転・結」なる前後の文脈があり、例えば「起承転結」の「起承」の文脈に於いて肯定的であっても、「転結」の文脈と論調はひるがえって、逆転一転した否定的な帰結になる場合は、多々見受けられる。

かくして、
当時の昭和天皇におかれて、
このメモ一枚から「A級戦犯靖国合祀に対する不快感のご意志」を表された。
とは、
我輩には到底受け取められない。

8)もって、僅か4~5行、文字数400文字に至らない「メモの走り書き」を即ち、昭和天皇の「A級戦犯」に対する嫌悪感、ならびに「靖国合祀」に関する反対意識を推測するのはもってのほかである。まして、このような「重い事情」を、いとも「容易く」、マスメディアにて全国津々浦々まで放映報道むやみに垂れ流し、新聞に至ってはその翌朝、さも一大事件勃発の如く一面記事にて掲げるとは、、、。マスコミの小児的痴呆症なる馬鹿げた実情をさらけ出し、もっていかにも思慮浅く、覗き見趣味的浅はかさ、蛸のぶつ切りの如く報道特有なる破廉恥的恥部を丸出しにするから、破廉恥報道を受け止める側の国民としては、見聞きするもの全て、あまりにも「恥ずかし過ぎる」のではないか。マスコミをして、日本国民を包括的に愚弄するは、マスコミ世界に在って然るべき常識と素養を、疑って止まない。

9)昭和天皇が「靖国参拝」をおとり止めになった(当時の)理由は如何なり?に言及するに、今日的には単純に論じたくは無く、単一の切り口で結論を出すには難解すぎるし、即刻今の我々には押し計かれないものがある。と、観る。
しかしながら、昭和天皇の靖国参拝中止の「確たる理由」を、今、敢えて言うなら、放言してみよう。
例えば、
この度のような悲観史的に「国を愛さない」を言い続けるメディア連中や、「正しき歴史観の無い」一般国民との感情的な相克を避けられた。と言う「意図」を唯一、昭和天皇はお持ちであったはず。と、推測する。

10)かくしてこのメモの前後のお言葉、行間と行間に潜んでいる昭和天皇の真意とは、当時の昭和天皇におかれて、「戦犯問題と靖国合祀にかこつけて、この度のような滑稽且つ無知蒙昧な騒ぎ」を忌み嫌われたご発言の一部分である。とも、解釈できるのではないか。

メディアに於ける「つまみ食い的記事報道」は、是非とも止めてほしい。短兵急も甚だしい。

11)まして笑止千万とはこのこと!小泉総理の靖国参拝の件、さっそく小泉総理本人にインタヴューし、「参拝を、それでも継続なさるか?」と、問う、メディアの幼稚さには、すでに立腹を通り越し、報道のバカバカしさと幼稚さが満ち溢れている。

 このところ、大半のマスメディアの平和ボケ風小児性痴呆症的報道の数々、瞬間湯沸し器的なるシナ大陸嗜好なる媚薬中毒症状的感情のアップ&ダウン。見るも聞くも、ほとほと嫌気がさしている。 

 本日、昭和天皇関係メモ報道は、たぶん明日のTV各局政治社会対談報道番組にて取り上げられると思う。メディアで昭和天皇関連メモ報道なるもの、捻じ曲げられて報道されるは不甲斐ないし、決して捨ておけない。(明日あさって日曜日、政治評論番組・今後のさらなる関連報道・暫く見守りたい・・)
 くわえて、「昭和天皇関連メモ」問題は、報道する側にも受け止める側にも、欠かせない基本的共通認識が必要であるが、その共通認識すら今の我国には存在しない。
 このところの我輩、日本に生を受けた「一人の日本人」として、我国の「正しき歴史観」と、(自身の色眼鏡抜きに)無色透明なる状態に放置され続けている(はずの)「我国の近代史」を、もう一度紐解いてみたいと想っている事、複数回に及び、既に記事にしている。
総括的な我国の歴史の正しき理解、明治以降から昭和史への共通認識の欠如、戦中戦後に流れる「我国の戦争観と事実認識」、さらに東京裁判と靖国問題に関し、只今猛勉強中である。が、この際、勉強中を前倒しにし、関連記事を連載したい。幸いにも、渡部昇一先生の新刊を続読中。加えて、既に通読した櫻井よしこ女史の論戦シリーズとも遭い交え、約4回にわたる「記事連載」したい・・・

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【その2】

少しばかり、我が烈火の怒り収まり、救われた感あり、、、。

本日同紙(中国新聞)の別面関連記事として、『識者談話』というコラムあり。
コラムは左右に分かれ2名の有識者談話が掲載されている。
左に「参拝中止で意思を示す」と題し、憲法研究者の奥平康弘東大名誉教授。
右に、「今の問題と切り離して」と題し、ノンフィクション作家上坂冬子女史。

うまく左右に分けたものだ。
奥平教授の談話は取るに足らず、上坂女史の「談話」、下記にそのまま模写掲載する。(中国新聞社殿、無断掲載をお許しいただきたい・・)


<以下、上坂冬子女史談話・・>
(本日中国新聞関連記事掲載切り抜き、模写分・・)

昭和天皇がA級戦犯によい印象を持っていないといううわさはあった。だが(側近の手でまとめられた)「昭和天皇独白録」を見ると、東条英機元首相に悪い印象は持っておられなかったようだ。今回のメモの出てきた二人(松岡洋右元外相、白鳥敏夫元駐イタリア大使)の名前を見て「ああそうか」と思った。どちらも日独伊三国同盟に関係し、巣鴨プリズンで獄中死した人たち。昭和天皇が三国同盟に反対だった根拠にはなる。今、首相の靖国参拝や合祀・分祀の問題は絞首刑となった東条さんら七人を中心に議論されており、今回発表された昭和天皇の心情とは直接的な関係はない。貴重なメモであり、よく見つけたと感心するが、今の問題と関連付けてとらえるべきではない。昭和天皇が発言当時、幅広い情報を伝えられていたかも疑問で、部分的な情報しか知らなければ正しい判断は下せなかったのではないか。昭和天皇を戦犯にしないよう、東条さんが捨て身でかばった事実をご存知だったのだろうか。ただ、このメモをきっかけに靖国問題は何らかの決着をつけなければならない。これは外国からとやかく言われる問題ではなく、国内問題。アジア外交と並べて語る言葉にごまかされず、日本としてのありようを議論すべきだ。
(以上、坂上女史の「談話」・了)

今、我々一般国民は、まずメディアで見聞きし、解釈消化し、且つ整理した報道の論旨を、それぞれ各々の脳裏に焼き付けておかねばならない「経過+結果状況」または「締め括り」を持つとするならば、これらの全てを、上坂女史に語って頂いている。と、我輩的には満足する。

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 <続く・・>(第2回掲載7月28日には、こちらから入れます)