Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

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第56回光陽展広島展鑑賞雑感(6);展覧会会場風景

2008-06-26 10:45:15 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>:第56回(平成20年度)光陽展広島展会場にて
 (撮影日時):平成20年6月7日(土曜日) about 11:45 a.m.


 本年度の光陽展広島展へ2度目に赴いた時、撮影したものであります。

 贔屓目に見ているのかもしれないけれど、年々、光陽展の広島展に訪れられる鑑賞者は増えているような気がしてならない。 今年も、友人に声をかけ光陽展鑑賞に誘った。 2組、新しい光陽展ファンが生まれた。

 とかく、美術鑑賞者が増えるのは良いことだ。

 美術鑑賞するには、
 日常的な損得抜きの非日常的な自分自身の自由な時間を創り出す。

 それからようやく自分の足を運んで美術館を訪れ、
 ホンモノの美術品に出会い、
 ホンモノを自分の目で観て確かめて、
 美術品の展示してあるその場の空気に触れて、
          ……ようやく美術鑑賞者の一員になれるのだ。

 他人様が何と仰ろうと、鑑賞した後になって、更に、こうして鑑賞雑感を好き放題書いている自分自身は、ほんとうにしあわせものだ。

 「……!?!」

 そうなんです!

 恥を晒すこと覚悟で、「ド素人の感想」を3年に亘って書き連ねているのでありますが、これも書き続けると、見えなかったものが見えてくるのでありまして、やはりモノゴト繰り返し学習し以って比較検証する、そんな体験の積み重ねは、今こうして、自分自身の過去と現在と未来へと、イクバクか進化し成長し続けている証であり、こういう作業の繰り返しの大切さを感じつつ、なんだかこの辺りに「お金で買えない贅沢品」を手に入れているような手に入れていないような、ほのぼのとした充足感を感じ、味わっているのであります。

                <…続く…> 

* 連載中の『第56回光陽展広島展鑑賞雑感』前回投稿記事はこちらから入れます、、、。  
 
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 ―『第56回・光陽展のこと』―

* 主催 『光陽会

* 後援・広島県教育委員会・広島市教育委員会・広島国際文化財団・NHK広島放送局・中国新聞社・中国放送・広島テレビ・テレビ新広島・広島エフエム放送

 光陽展広島展事務所: 広島市中区本川町1-2-11  市谷 實

第56回光陽展広島展鑑賞雑感(5);(北川悦子氏作品のこと)

2008-06-23 09:45:45 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>: 北川悦子氏作品の思い出(第55回光陽展広島展出展作品より)


 昨年度(平成19年)の北川悦子氏出展作品は、昨年度の拙ブログ記事に取り上げていなかったので、あらためて作品発表しておきます。

 「……?」

 「いやその、昨年度作品の北川氏作品は、こうしてちゃんと画像に収めていますけれど……」

 なにを隠そう! 

 昨年度作品を一目見ただけで、北川悦子氏作品だということは分ったのです。 ま、はっきり申し上げて、一昨年前(平成18年度)の作品と比較して、いささかの「パンチ力」も感じなかったものですから、、、。 さらにこうして、今年度作品(第56回出展作品)と(3作品を合わせ)比較して、凡作は「この作品(昨年度平成19年作品)」だったと申し上げておきたい。 たぶん、昨年記事に取り上げていたら、我が怒素人的美術鑑賞能力の欠如を棚に挙げ、無教養なるがゆえに、滅茶苦茶激烈激辛コメントを書いていたはず! だから、昨年はコメントをスキップしたのであります。

 ものごと、何かにつけて比較対照すれば見えてくる、、、。 

 でも此処で一言!

 私自身、絵画は描かないけれど、たぶん、北川氏の作品は絵画入門者にとって必ずや参考になる、と信じてやみません。 それほどに、鑑賞していて「理解し良い絵画」であり、絵画を実際に描いておられる方々にとって北川女史のテクニックの冴は十二分に理解可能のはずである。 けれどもイザ描くとなるとそうとうな修練の積み重ねが必要になるはず。

 「……!!」
 
 締めくくれば、
 やはり北川悦子氏の作品はコケティッシュで魅力的。 鑑賞者に解り易く、鑑賞者を和ませる力があるから、鑑賞していて面白いのであります。


           <…続く…


 * 平成20年度北川悦子氏作品(第56回・光陽展広島展より)は、こちらから入れます、、、。

第56回光陽展広島展鑑賞雑感(4)

2008-06-20 09:45:15 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>: 絵画「静謐な刻」第56回光陽展広島展出展作品より


【作品紹介メモ】
No. 42
資  格:  光陽会 会員 
題  名: 『静謐な刻』
作者氏名: 北 川 悦 子 (東京)
 受賞名:  会員奨励賞
主  催: 『光陽会


 これで3回目(3年目)となった光陽展の展覧会会場において、北川悦子氏の作品も一目で判別できるようになった。 つまり、好きな画家の描かれた「好きな絵画」のひとつになってしまった。

 そして、今年の作品題目は「静謐な刻」……

 さっそく『静謐』とはなんぞや?ということでYahoo辞書調べてみると、

・せい‐ひつ【静謐】<検索辞書:大辞泉>
[名・形動]1 静かで落ち着いていること。また、そのさま。「深夜、書斎に過ごす―なひととき」2 世の中が穏やかに治まっていること。また、そのさま。「―な世情」
和英辞書との一致 検索辞書:プログレッシブ和英中辞典 提供:JapanKnowledge
・せいひつ【静謐】
peace and calm◇静謐な|〔平穏な〕peaceful; 〔静かな〕calm, tranquil

 さらにさらに、以下、我輩の手元にある和英辞典で調べると、
・seihitu(新和英大辞典(研究社)第四版1974年・1991年第24刷 p-1459)                            peace, turanquility
 と、あった、、、。

 静謐、すなわち「せいひつ」とは、
  平穏なること、
   静かなること、
    精神的に安定した状態をあらわし、

 上記の意味をさらに優雅且つ深遠に表現する『雅語』であること、判明する。

 さすがですね!北川さん、、、。
 やはり画家・北川悦子氏の、作品に求めておられる「もの」は、「何」なのか!?
 その「何か」は、「静けさ」の「ひと時」であり、
 如何にその時を「刻」として、(鑑賞する)人間の精神活動の「ひと時」を、精神活動の歴史的な「瞬間」として、脳裏に刻み込まれるほどに、
 その「静謐さ」を描き切ろうと試みておられるのですね!?!
 さらに、「刻」ともなれば、時間的流れを組み込んだ「時刻」かも、、、。

 そう、
 北川作品を鑑賞する我々にとって、さらにより深く鑑賞するためには、同じテーマを追い求めておられるであろう「北川作品の歴史」を、比較対照的に認識する必要がある。 おかげさまで不肖エセ男爵と致しましては、昨年及び一昨年も前から北川作品を追い求めているから、本年度作品『静謐な刻』の秀逸性が理解できる。 おおそれながら、我輩にして、北川悦子氏の画家として且つ芸術家としての成長の度合いが見て取れる「比較対照材料」がある。

 かくして北川女史は、ますます円熟味を増しておられる。 だからこそ、今年も「会員奨励賞」を受賞されておられるのだ。

 あらためて会員奨励賞受賞のこと、おめでとうございます……

 来年もまた、すばらしい「北川悦子流儀」を拝見して、
   北川的"peace and/or turanquility"なる時空を堪能したいものです。 

                         <…続く…

  * 一昨年前(平成18年度)の北川悦子氏作品『ティータイム』は、こちらから参照できます。

第56回光陽展広島展鑑賞雑感(3)

2008-06-18 11:45:45 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>: 『こもれ日のメロディー』


【作品紹介メモ】
No. 60
資  格:  光陽会 会員 
題  名: 『こもれ日のメロディー』
作者氏名: 花 岡 寿 一 (広島)
主  催: 『光陽会



 光陽展の鑑賞は、今年で3年目。 今年も広島県立美術館の展覧会場に入ると、直ぐ探したくなる作品あり。

 それは、花岡寿一氏独特の絵画表現による清廉耽美な作品なり…

 そして、この作品が今年の出展作なのだ……

 作品から感ずるもの、先ずは草花の香り漂ってきて、同時にフルートの音色も聞こえてくる、、、。

 ムム?…

 花岡寿一氏好みの少女のタイプは、もう十二分に理解できる。 だから今年も同じタイプの美少女である。 さて、今年の少女は、この面持ちは、一度出会ったような気がする。

 解った!
 
 (我輩の大好きな)特に晩年の『藤田嗣治画伯』が好んで描かれた少女の面持ちに良く似ているのではないか!?! (若し似ていても別段構わないけれど…)

 否、花岡寿一先生の描かれる少女は美しく、ほのかに幼なさの残る美少女の面持ちから漂ってくるものは、処女なる乙女独特の穢れ無き香りに加えて小悪魔的な芳香か。 

 否、すでに各種甘美な芳香は昇華し尽くしてしまい、聖処女的でもなく誘惑的な小悪魔のモノもなく、甘みも酸味もほろ苦さもなく、ただ残っているのは幽玄か。

 ならば、
 是。 空間に残って漂うのは、唯一、少女の奏でるフルートの音色であるか、、、。


          <…続く…>

 (連載中前回掲載記事は、こちらから入れます…)

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* 花岡寿一氏昨年度(平成19年)作品は、こちらから参照できます。是非比較鑑賞して下さい。


<参考資料>:藤田 嗣治(ふじた つぐはる, Leonard FoujitaまたはFujita, 男性, 1886年11月27日 - 1968年1月29日)
 東京都出身の画家・彫刻家。
 現在も尚、フランスにおいて最も有名な日本人画家であり、明治以降の日本人芸術家で藤田嗣治ほどの成功を海外で収めたものは他にない。 猫と女の画題を得意として日本画の技法を油彩画に取り入れつつ独自の「乳白色の肌」とよばれた裸婦像などは西洋画壇の絶賛を浴びた。 エコール・ド・パリ(パリ派)の代表的な画家である。 (詳しくは、ウイキペディア百科事典へ、こちらから入れます……)

第56回光陽展広島展鑑賞雑感(2)

2008-06-16 09:30:15 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>:『過ぎ去りし日』



 記事更新するのに悩んでしまうことがある。

 それは過去数回(たぶんたったの3回)経験しているが、この度も同じく、毎朝記事更新するつもりで起床しながらも、朝のコーヒーを飲みながらキーボードに向かうと書けなくなる日々が続く。 もう10日あまりになるから始末が悪い。
 ちょうどこの時期、拙ブログでは一昨年前から「光陽展・広島展」の鑑賞後記を連載しており、今年で3回目となる。 だから、どうしても書き進めて行かねばならぬテーマが目前に在るにもかかわらず、この3週間あまり書きあぐねているのだから始末が悪い。

 そう、それには確たる理由が在る。 その理由とは、つまり、添付画像の絵画に立ち向かって暫く眺めていたら、あまりにも考えること多く走馬灯のように自分自身の過去の出来事と『この絵画』の印象とがオーバーラップしてきて混沌としたものが頭を駆け巡り、過去完了と過去進行形と過去形と現在形の英文法構文がひしめき合ってきて、挙句の果ては現在進行形と未来形まで展開していくから何が何だか解らなくなる。

 混沌とする、その悩みの種とは? 書かねばならぬエッセイの題材は『木村順子氏の作品』である。 本年度の光陽賞受賞作品『過ぎ去りし日』のこと、、、。

 氏の絵画制作のコンセプトに基づく作風は、昨年作品「プラタナスの風」(平成18年6月16日記事、参照願います)に見えてくるものと同じはず。であるが、本年度作品からは、木村順子氏の創作に対するアイデンティティーをさらに鋭く追及された氏の芸術的感性と英知、生れ乍らにして持っておられる機微の数々、それらが発露し結晶した軌跡が見えてくる。

 つまり、
 作品タイトル「過ぎ去りし日」の如く、人間の深層心理に潜む過去の蓄積からえぐりだしたものを、作者は未来予測にまで繋げようと試みられているに違いない。 作品中央部やや右上に位置する「遠近法によって描かれた暗い物体」は、暗過ぎて見えない未来への道程(みちのり)を描いておられるに違いなく、画面中央部から下部にかけて左右に広がる「横断歩道」に見えるものは紛れもなく道路であり、人の渡る道であるはず。 なんと画面左右への横断歩道の広がりには、時系列的な流れを感じさせられるし、やや赤色がかった右部分よりも、明るく広がった左部分への時空の変化も見て取れる。 上下且つ左右さらには対角線上にも、時間と空間の拡がりを描き切った渾身の秀作か、、、。

                  <…続く…

 PS:うわぁ~ 参っちゃいました。でも、書きました! ようやく難しい作品の感想文が書けたから、後は少し肩の力を抜いて記事更新したいです。  

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作品紹介メモ:

No. 44

資 格: (光陽会)会員 

題 名: 『過ぎ去りし日』

作者氏名: 木 村 順 子 (広島)

受賞名: 光 陽 賞

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* 主催 『光陽会

* 後援・広島県教育委員会・広島市教育委員会・広島国際文化財団・NHK広島放送局・中国新聞社・中国放送・広島テレビ・テレビ新広島・広島エフエム放送

 光陽展広島展事務所: 広島市中区本川町1-2-11  市谷 實


第56回光陽展広島展鑑賞雑感(1)

2008-06-12 14:45:05 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>:「ビエモンテ風景」(作・竹村克男)


 平成20年度第56回光陽展広島展のご紹介の筆頭は「悠々さん作品」……

 昨年と比べて、がらりと一変したコンセプトが表現されています。 


 「驚いた!?」

   というよりも、

        作品を一見して、納得し安堵したという表現が正しい!!!


 まずは、昨年作品と見比べていただきたく、(第55回(昨年度平成19年)作品はこちらから入れます…)テーマや切り口は一転し、スポットを一点集中的『和風なる自然の美』から、壮大且つ鳥瞰図的な『北イタリアの自然の美』に転じておられるのだ。

 頂いた『絵葉書』よりも、展覧会に直接赴いて切り取った『この画像』(上記添付画像)よりも何よりも、横長のキャンバス=P120サイズによってのみ表現される壮大な北イタリアの冬の景色から広がる欧羅巴アルプスの遠景の描かれ方は実にみごとでした、、、。

 鑑賞し終えた今、壮大にして爽快な気分です。

 つきつめて思い起こせば、、
 我輩の第二の故郷ハンガリーの地に、最初に降り立った頃、かれこれ15年前の10月下旬のことを振り返りつつ、そして今、冬のハンガリーの風情を回想しつつ郷愁を感じています。

 そう、たぶん、何度見ても見飽きることのない作品の一つです。

 観れば観るほどに、郷愁を思い浮かべさせられる「風景画の秀作」でして、ここに至っては「日本人離れ」した絵心をお持ちの悠々さんを再認識し、且つ(我輩にとっては隠された部分の)いまだ知らなかった(悠々さんの内面に存在するであろう)壮大なる芸術的境地を見出した気分です。

                    <…続く…>

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作品紹介メモ:

No. 55

資 格: (光陽会)会員 

題 名: 『ビエモンテ風景』

作者氏名: 竹村克男 (埼玉)

 * おなじみ「悠々さんブログ」は、こちらから入れます、、、。

第56回 光陽展(広島展)開催のお知らせ…

2008-06-02 09:45:15 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>:光陽展広島展招待状&「ビエモンテ風景」(悠々さん出展作品)


 今年も、悠々さんから光陽展広島展の「招待状」をお贈り頂いたのは先週の始めだった。

 感無量なり!!!!

 且つ、光栄の至りであります。

 招待状をお贈り下さった悠々さん、ほんとうにありがとうございます

 今年もまた、必ずや数次に渡り広島県立美術館に出向きます。

 たぶん、3回行くと思います。

 一度目は一人で、

 二度目は友人を誘い合わせて、

 三度目は、また一人で、徹底的な鑑賞のために、、、。
 
 そして今年も鑑賞雑感を書きたいと思っています!!!


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【展覧会の案内】


・第56回『光陽展広島展』 絵画・染色

・会期 / 平成20年6月3日(火)~6月8日(日)
            (入場9時~17時・土曜日は19時迄)

・会場 / 広島県立美術館県民ギャラリー
          広島市中区上幟町12-22(TEL:082-221-6246) 


* 主催 『光陽会

* 後援・広島県教育委員会・広島市教育委員会・広島国際文化財団・NHK広島放送局・中国新聞社・中国放送・広島テレビ・テレビ新広島・広島エフエム放送

 光陽展広島展事務所: 広島市中区本川町1-2-11  市谷 實