<添付画像>:(from website of Sir. Sean connery): "Welcome to Micheline's Online Gallery."
画像は「ショーンコネリー卿」ホームページより。(エセ男爵ブログのBookmark登録済み)
ミシェリン夫人ギャラリーより転載。(尚、自称?コネリー卿ファンクラブの末席に位置する不肖エセ男爵の引用は、認可されています。いや、ウエブサイトにアクセスされた方、全員OKなのです・・・)
* 前回投稿「第43回掲載小説フォワイエ・ポウ」ご参照は、こちらから入れます。
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7章(7章、最終回・・)
著:ジョージ・青木
2(けじめ)-(2)-(4)
「マスター、ちょっとお聞きしたい事があるのです。教えていただけますか?これ、寺元マスターも気にしていたことです。それでズバリ、今、奥さまとは別居中でしょう?」
「そう、もう3年になる。だから、自宅は、もぬけのからだ。そう、このところ2週間に一度帰ってます。今は事務所に寝泊りしているから便利がいい・・・」
「あの、いいですか?もうひとつ聞かせてください。本田さんは、今、付き合っている女性、いらっしゃるの?いないの?」
「いませんよ!」
「・・・」
木村栄は、一瞬であるが沈黙した。が、すぐに、
「あの、今まで浮気した事ありますか?ありますよね。野暮ですね。こんな質問するの・・・」
「浮気した事あるかどうか?さかえさんらしくもない質問だな。なんとなんと、あまり歓迎できる質問じゃないよなあ~」
「ハイ、私、今日はしっかり酔っ払ってます。ワイン飲んじゃったから、さらにさらに酔っ払っています。だからこんな質問できるのです。それで・・・」
「いや、今まで女遊びしていない。といえば、まったく嘘になる。それはね、自分だって男ですから、世界中あちこち。すてきな女がごろごろ転がっているくらいわかっていますよ。知っていますよ。回答はさ、遊んでないといえば嘘になる。というのが答えでしょう」
「わかりました。もうひとつ。答えてください」
「はい、答えましょう」
「フォワイエ・ポウをはじめてから今日まで、そのあたりは、どうなんですか?」
「何、遊んでいるかどうか?ということ?」
本田は確認した。
「そう、そうです・・・」
木村栄は、なぜか、うつむいた。
「さかえさん、はっきりいって『遊んでいない』と、答えましょう。嘘偽りのない、私自身の回答です」
「・・・」
口は回っているものの視線を外したままの木村栄は、うつむいたままグラスを見つめている。
「なんだか疲れたな。さかえさんも今夜は少し酔っ払いすぎている。なんだって、さかえさんの実家は、たしか西区だよね。今日は自分も久しぶりに家に帰ってみよう。方向同じだから、今からさかえさんを送っていこう。その足で、私も帰るから・・・」
本田は電話を回し、いつものタクシー会社を呼んだ。タクシーは5分前後で到着した。直ちに店を閉め、2人はタクシーに乗った。
本田は、もう一度考えた。
(今から、さかえさんを送っていく。ほんとうに、それでいいのか?)
(なぜ、今日に限って、さかえさんは3度もフォワイエ・ポウに足運んで来たのだろうか?その本当の意味は、いったい何なのだろう・・・)
幾つかのシナリオを想定した。が、考えた末の複数のシナリオに描かれたいくつかの行動。そのいずれの実行も、しない。と、本田は決めた。
僅かに明るくなった朝の市内の道路は、空きに空いていた。さすがに夜明け前である。通常30分以上かかるけれども、西区の木村栄の自宅まで僅か10分で到着。そのまま同じタクシーで本田の自宅まで、さらに20分少々。久しぶりに自宅に帰った本田は、冷蔵庫を開き、あらためて飲みなおした。
10日間以上も開かなかった冷蔵庫から、冷たい缶ビールを取り出した。
賞味期限の過ぎる一歩手前のチーズを切り分けかじりながら、350ミリリットルの缶ビールをぐいぐい空ける。すぐその後にシャワーを浴びる。暖まった体から、疲労感が発散し始めると、急に睡魔が襲ってきた。
毛布を取り出し、ソファーに横になった。
目が覚めたのは、午後1時半であった。
(さかえさんを真面目に送っておいて、よかった・・・)
2日酔いではなかった。
が、木村栄を中心にした昨夜の時間経過を思い出す。まだアルコール分が残っているような、直ぐには分析できない味の不鮮明な、中途半端なほろ苦い気分であった。
<第7章、終わり / 8章に続く>
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2(けじめ)-(2)-(4)
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「そう、もう3年になる。だから、自宅は、もぬけのからだ。そう、このところ2週間に一度帰ってます。今は事務所に寝泊りしているから便利がいい・・・」
「あの、いいですか?もうひとつ聞かせてください。本田さんは、今、付き合っている女性、いらっしゃるの?いないの?」
「いませんよ!」
「・・・」
木村栄は、一瞬であるが沈黙した。が、すぐに、
「あの、今まで浮気した事ありますか?ありますよね。野暮ですね。こんな質問するの・・・」
「浮気した事あるかどうか?さかえさんらしくもない質問だな。なんとなんと、あまり歓迎できる質問じゃないよなあ~」
「ハイ、私、今日はしっかり酔っ払ってます。ワイン飲んじゃったから、さらにさらに酔っ払っています。だからこんな質問できるのです。それで・・・」
「いや、今まで女遊びしていない。といえば、まったく嘘になる。それはね、自分だって男ですから、世界中あちこち。すてきな女がごろごろ転がっているくらいわかっていますよ。知っていますよ。回答はさ、遊んでないといえば嘘になる。というのが答えでしょう」
「わかりました。もうひとつ。答えてください」
「はい、答えましょう」
「フォワイエ・ポウをはじめてから今日まで、そのあたりは、どうなんですか?」
「何、遊んでいるかどうか?ということ?」
本田は確認した。
「そう、そうです・・・」
木村栄は、なぜか、うつむいた。
「さかえさん、はっきりいって『遊んでいない』と、答えましょう。嘘偽りのない、私自身の回答です」
「・・・」
口は回っているものの視線を外したままの木村栄は、うつむいたままグラスを見つめている。
「なんだか疲れたな。さかえさんも今夜は少し酔っ払いすぎている。なんだって、さかえさんの実家は、たしか西区だよね。今日は自分も久しぶりに家に帰ってみよう。方向同じだから、今からさかえさんを送っていこう。その足で、私も帰るから・・・」
本田は電話を回し、いつものタクシー会社を呼んだ。タクシーは5分前後で到着した。直ちに店を閉め、2人はタクシーに乗った。
本田は、もう一度考えた。
(今から、さかえさんを送っていく。ほんとうに、それでいいのか?)
(なぜ、今日に限って、さかえさんは3度もフォワイエ・ポウに足運んで来たのだろうか?その本当の意味は、いったい何なのだろう・・・)
幾つかのシナリオを想定した。が、考えた末の複数のシナリオに描かれたいくつかの行動。そのいずれの実行も、しない。と、本田は決めた。
僅かに明るくなった朝の市内の道路は、空きに空いていた。さすがに夜明け前である。通常30分以上かかるけれども、西区の木村栄の自宅まで僅か10分で到着。そのまま同じタクシーで本田の自宅まで、さらに20分少々。久しぶりに自宅に帰った本田は、冷蔵庫を開き、あらためて飲みなおした。
10日間以上も開かなかった冷蔵庫から、冷たい缶ビールを取り出した。
賞味期限の過ぎる一歩手前のチーズを切り分けかじりながら、350ミリリットルの缶ビールをぐいぐい空ける。すぐその後にシャワーを浴びる。暖まった体から、疲労感が発散し始めると、急に睡魔が襲ってきた。
毛布を取り出し、ソファーに横になった。
目が覚めたのは、午後1時半であった。
(さかえさんを真面目に送っておいて、よかった・・・)
2日酔いではなかった。
が、木村栄を中心にした昨夜の時間経過を思い出す。まだアルコール分が残っているような、直ぐには分析できない味の不鮮明な、中途半端なほろ苦い気分であった。
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