たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

孤高の努力と持続力 <NHK グレートトラバース 百名山一筆書きの再放送>を見ながら

2018-10-03 | 人間力

181003 孤高の努力と持続力 <NHK グレートトラバース 百名山一筆書きの再放送>を見ながら

 

深田久弥が命名した「日本百名山」に惹かれて挑戦する人は多いでしょうけど、日本百名山すべての頂を登り、その間、一切交通機関を使わず、自分の脚とカヤックだけでつなぐ、途方もない挑戦をしようと考える人はまずいないでしょう。日本人ではと思っていたら、<日本を代表するプロアドベンチャーレーサー 田中陽希>さんが、14年に実行し、その後二百名山もやり遂げ、現在、三百名山の一筆書きを続けています。

 

NHK グレートトラバース 百名山一筆書き>は、人気が継続しているようで、なんども再放送がされています。

 

私は陽希さんの百名山一筆書きを前回の再放送の途中、たしか津軽海峡を渡る頃に知って、それ以来、ファンとなって見続けています。

 

今月1日からその再放送がスタートして、私が見ていなかった最初の屋久島・宮之浦岳から現在山陰・大山を登頂し、四国に渡っているところまでを追っています。

 

三百名山になると、多くの人が山頂で待ち受けたり、途中で応援したりと、陽希さんの活躍が注目されています。でも最初の百名山のときは、むろん誰も知らないですし、ほんとにサポートしている仲間くらいしか応援する人もいなかったのですね。

 

陽希さんも、孤独の挑戦と考えていたのかもしれません。でも彼はひとなつこく、苦しいときも笑顔を絶やさず、その性格もすぐに多くの人を惹きつけてきたのだと思います。むろん笑顔だけでなにかができるわけではないでしょうけど、そこに彼の活力の源があるのかもしれません。

 

プロアドベンチャーレーサーとして鍛えてきた体力も魅力ですね。私は海外の<グレートレース>を時折見てきましたので、その人間が極限の条件下で競い合う生死をかけるようなレースに参加する人たちの強靱さはいつも驚かされてきましたので、海外の選手のすごさは画面上ですが、それなりに分かったつもりです。

 

陽希さんもこういったグレートレースに参加してきたので、鍛えられていることは確かでしょう。しかし、これらのレースはそれほど長い期間ではありません。それに比べて一筆書きは、百名山、二百名山、三百名山、いずれも半年を優に超える1年に迫るような長丁場です。その体力は半端ないですね。それに魅了されます。

 

それだけではないです。リスクの予測と回避が、陽希さんのプロとしての力量が示されていることも見事です。たとえば鎖場などでは安易に鎖やロープに頼らず、それがしっかり支えられているかを確認した上、利用しますし、必要でないと思う場所ではあえてそれに頼りません。

 

なんどか危険性の高い状況に追い込まれますが、たとえば最初の屋久島から鹿児島までの大隅海峡をシーカヤックで横断する場面では、天候と波の状態を慎重に予測して実施しています。別の機会では横断を延長したこともあった記憶です。

 

海峡横断はいずれも長距離で、彼のように相当の実力があっても40km6時間、場合によっては10時間かかります。その間に波の状態や風の状態が相当違ってきます。パドリングをしていないと波があるときはすぐに転覆する危険があります。それでも長時間だと休憩を入れないともちません。海峡は波の様子もどんどん変わりますので、ちょっとよわまったときやところで、パドルをおいて休むのです。彼のように宮之浦岳を登頂した翌日に海峡横断なんてことをすると、当然、眠気も襲ってくるので、危険ですが、よくやり遂げたと思います。

 

脚力もすごいですが、パドルを漕ぐ腕力も凄いですね。

 

目標の百名山の間もすべて歩きですから、大変です。しかもキャンプ道具一式担いでですからね。以前、荷物の重さの話が出ていて、たしか重いときで20kgくらいだったかと思います。昔に比べてすべて軽量化しているので、見た目にも軽そうに見えますが、それでも普段は1015kgを担いでいるのではないでしょうか。時折山小屋などに置かしてもらって軽装で登ることもありますが、たいていがキャンプ道具一式の入ったザックを担いでいるので、大変だと思いますが、彼はたいてい走っているのですね。それも相当の坂でも。その体幹が強靱なのではと思うのです。

 

だいたい九州の九重山から山陰・大山まで500kmもあるのに、毎日50km以上歩いて、いや走っていくのですから、これは超人のように思えてきます。

 

それでも彼のいいところは、タラの芽を採取しようと道路際で悪戦苦闘している夫婦を見ると、自分の好物であるタラの芽を探して袋一杯採取して意気揚々とするのですから、歩くこと、走ることだけに熱中しないところでしょうか。

 

それにある保育園の園長さんが彼の情報を知り、園にきて子どもたちに話して欲しいと、疲れた状態で歩いていたのに、それを引き受け、子どもたちにわかりやすく話して、テントで興じる子どもたちと楽しむこともできるのですね。

 

彼の挑戦は、彼がそれまでチャレンジしてきたグレートレースと異なり、途中でさまざまな人との出会いを楽しむ場というか、見ている人が元気をもらうとともに、彼も元気をもらっているようなことがよくありました。

 

今日は、ちょっと打ち合わせが長引き、少し疲れて頭の整理ができず、なんとなく陽希さんの強靱さと陽気さにあやかって、それを話題にすることにして、いつも以上にまとまりのない話になりました。

 

今日はこれにておしまい。また明日。


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