べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

青い断片(かけら)

2007年04月01日 16時02分41秒 | 叙情

世界がとつぜん寝返りうった
ぼくは表面張力のグラスのように
視線を硬直させて立ちすくむ

ステンドグラスが砕け散る
蒼く透きとおった瞬間(とき)が遠ざかる
ぼくはいつのまにか
空の広さを忘れてしまった

ポケットの中の文庫本
赤茶けたページのすき間から
色あせた花びらひとつ
舞い落ちた
はらり はらりと
舞い落ちた
かび臭い
青春の断片(かけら)が
地に落ちた





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コメント (2)
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