ＮＡＲＣ/ナーク

今宵は2002年制作の「ＮＡＲＣ／ナーク」
警官殺しの真相を解くため、コンビを組むことになった２人の刑事各々の苦悩や葛藤に焦点を当てたクライム・サスペンス。派手さは無いが秀作。トム・クルーズのプロデュース作。“ＮＡＲＣ＝潜入麻薬捜査官”とのこと。

麻薬捜査官ニック・テリス(ジェイソン・パトリック)は、犯人追跡中に市民を巻き添えにし、誤射してしまい停職となる。18ヶ月後、上層部は、警官殺し事件の真相究明のため、手荒い捜査で有名なオーク警部補(レイ・リオッタ)と組み捜査することを条件に、復職をさせようとする。一旦は固辞したテリスだったが、思うところがあって条件を飲み、捜査を開始する、という展開。

事件の真相に行き着くまでの紆余曲折を表現するのに、２人の刑事の言動や心理描写が良く描かれている。映像でも家庭の暖かさを表すのに光を多用し徐々に光が減っていく様で、主人公の心の孤独さ、葛藤を上手く表現している。筋書きは、少し無茶があるけど、全体的にはなかなか良い作品の一つである。

ザ・インターネット

今宵の友は1995年制作の「ザ・インターネット」
利便性で瞬く間に全世界に広がったインターネットの世界を題材に、ネット上を行き来する個人情報やセキュリィティソフトの話を絡めたサスペンス。

コンピュータ解析を仕事とするアンジェラ・ベネット(サンドラ・ブロック)の元へ一枚のFDが送られてきた。本来はゲームソフトであるべきプログラムなのだが、バグらしきアイコンが表示され、クリックすると国家機密データへの接続が開始されるものだった。気にはなるものの６年ぶりのバカンスを楽しみにしていたアンジェラは、その足でメキシコへと出かけてしまうのだが、という設定。

FDにデータ保存と言うのが95年っぽいが、それ以外の内容は、今、ここで現実に起こっても違和感のないもので、なかなか引きつけられる。突っ込みどころが無いわけではないが、それなりに筋を通してるので、OK（笑　サンドラ・ブロックって単身で切り抜ける役柄が似合ってる、と再確認ｗ

ダイヤモンド イン パラダイス

今宵の友は2004年制作の「ダイヤモンド イン パラダイス」
カリブ海のパラダイスを舞台に、極上のダイヤモンドをめぐって、引退をした宝石泥棒とそれを追いかけるFBI 捜査官が繰り広げるコメディテイストアクション。

天才的な泥棒マックス（ピアース・ブロスナン）とローラ（サルマ・ハエック）は、稼業から足を洗ってバハマで余生を過ごそうとしていた。そこへかつてハメた事があるFBI捜査官スタン（ウディ・ハレルソン）が現れ、この地で期間限定展示される秘法“ナポレオン・ダイヤモンド”を盗む気だろう、と言い執拗に付き纏い始める。盗むという行為に芸術性を感じているマックスは・・・という設定。

犯罪映画ではあるが、内容的には緩く、それが笑いにもなり、楽しい作品。久々に観たＰ・ブロスナン、それなりに格好良いけど、ずっと無精髭なのは、ちょとな。しかし、本作でのＳ・ハエックは肌の露出度も高めだし、スタイルもよいし、相変わらず美しいので、またまた惚れちゃうｗ

炎のメモリアル

今宵は2004年制作の「炎のメモリアル　(PREMIUM EDITION)」！
初回限定アウターケース付き仕様。
9.11米国での同時多発テロの現場で英雄的活躍を黙々と繰り広げた消防士達へ心からの尊敬の念を捧げたいという思いから作られた感動大作。

穀物倉庫で大規模な火災が発生。現場へ駆けつけた消防士達は消火活動と建物内に取り残された人の救出にあたっていた。ジャック・モリソン（ホアキン・フェニックス）は、爆発の危険性のある建物の12階で取り残された生存者の救出に全力を尽くし、無事救出をしたかにみえた瞬間、爆発で内部の床が崩落し、瓦礫と共に落下してしまう、という展開。

現在と回想を繰り返す展開も、観るものを惹きつける構成になっているし、本物の火を使った火災シーンも大迫力。上司マイク役のジョン・トラボルタが良い味を出して演じている。ラストは・・・言えない。でも“今日も名もなきヒーローたちが、情熱だけで命を救う” まさにその通りだ。

ティム・バートンのコープス ブライド

今宵は2005年制作の「ティム・バートンのコープス ブライド」
ナイトメアーから12年ぶりのティム・バートン監督による、ストップモーション・クレイ（粘土）アニメ。「コマ撮り」で撮影された映像は、秀逸。

19世紀の欧州の片田舎を舞台に、名声が欲しい成金魚商のヴァン・ドート家とお金が欲しい没落貴族のエヴァーグロット家の間で、政略結婚がなされようとしていた。気乗りしないドート家の息子ヴィクター(ジョニー・デップ)だったが、ヴィクトリアに会い気持ちが傾き、愛が芽生えようとしていた。しかし、結婚式のリハーサルでミスをしてしまったので、ひとりで誓いの言葉の練習するため森の中で木の枝と思われるものに指輪をはめたところ・・・という展開。

“死者の世界”を色鮮やかに“生者の世界”をモノトーンに近い感じで仕上げてあるところは、バートンの感性そのもので、なかなか面白い。内容的には、とても切ないファンタジーなので、ちょっとだけ心の琴線に触れる。

ブラインド ホライズン

今宵の友は2003年制作の「ブラインド ホライズン」
初回限定アウターケース付き仕様。
頭を撃たれ、記憶を失った男がフラッシュバックする記憶の断片の中で大統領暗殺の陰謀の存在を思いだし、真実を明らかにしていくサスペンス。

病院に頭を撃たれ、意識不明の一人の男(ヴァル・キルマー)が収容される。看護師リズ(エイミー・スマート)の呼びかけと煙草の煙がきっかけとなり意識を取り戻すのだが、記憶を失っていた。そして、時々頭の中で蘇る記憶の映像は何故だか、遊説中の大統領暗殺に関わるものばかりであった。真実とも妄想ともつかぬまま、時間が経過するのだが、という設定。

いきなり記憶を失った男から物語が始まるので、謎が謎をよぶスリリングな展開で最後まで目が離せず、面白い。何だか怪しい雰囲気の人物も沢山出るし（笑　リズ役のＡ・スマートもクローイ役のネーヴ・キャンベルもなかなか映える女優さんだ。うーむ、フェイ・ダナウェイ・・・やはり歳とったなｗ

６０セカンズ

今宵は2000年制作の「６０セカンズ　(SPECIAL EDITION)」！
24時間で50台の高級車を盗み出すという、一世一代の強奪計画を立案し、実行する車泥棒一味を描いたカー・アクション・ムービー。1974年の「バニシングIN６０」がモチーフとなっている。

既に足を洗い、堅気の生活を送っていたメンフィス(ニコラス・ケイジ)の元へ昔の仲間が尋ねてきて、メンフィスの弟キップがドジを踏み、地元を仕切っているカリートリーの怒りを買い、命が危ないのだと告げる。弟を助ける為にメンフィスは、一度は止めた車泥棒を再開する、という設定。

車がメインの映画。車種の豊富さもそうだし、カーチェイスも充分楽しめる。しかし、Ｎ・ケイジが“60秒でどんな車でも盗み出す”伝説のエキスパートっぽく見えないんだけどな・・・。　あと、アンジーの出番が少ないのが残念ｗ

スティール

今宵は2002年制作の「スティール (DELUXE EDITION)」！
初回限定アウターケース付き仕様。
刺激を求め、銀行強盗を行う若者達をスピード感とエクストリーム・スポーツの要素を取り入れ描いたアクション・ムービー。

スリム（スティーブン・ドーフ）を筆頭にオーティス、フランクと紅一点のアレックスの４人は金もさることながら、刺激を求め銀行強盗を行い、逃走手段もローラーブレードを使い、追っ手を振りきり、まんまと大金をせしめる事に成功する。そして、より刺激を求め次の高額な襲撃目標を決め、襲うのだが、という展開。

知性と運動能力をフルに駆使する銀行強盗集団は、普通の強盗とは一味違い、ローラブレードやパラシュートを使い、なかなか映像的に楽しませてくれる。出演者もインタビューで言っているように、主義・主張やメッセージ性のある映画じゃなく、あれこれ考えずにスカっと観る作品。あれ？・・・橋からパラシュート・・・トリプルxXxでも観たようなｗ

ゴシカ

今宵は2003年制作の「ゴシカ （2DISC SPECIAL EDITION）」！　
女子刑務所に併設された精神病院という閉鎖的な空間の中で、知らぬ間に夫殺しの容疑をかけられた女医が事件の真相を探るホラー・ミステリー。

刑務所の精神病院で働く女医ミランダ（ハル・ベリー）は、物事を論理的に考え、霊的な存在は否定するタイプであった。ある晩、土砂降りの雨の中を帰宅途中、通行止めを迂回したところ、ヘッドライトに少女の姿が浮かび上がった。間一髪、接触を免れたのだが、そこからの記憶が無く、気づくと自分の病院の隔離室の中にいた。いったい何が起こったのか、という展開。

ハル・ベリーの迫真の演技に結構引きつけられる。ホラーだけじゃ無く、謎解き要素も入っているので、楽しめる。“Not Alone”の血文字に込められた意味とか。ペネロペ・クルスは、映画の中よりおまけ収録されているインタビューの方が綺麗で良かったりする（笑

メンフィス・ベル

今宵の友は1990年制作の「メンフィス・ベル」
第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線を舞台に、“メンフィス・ベル”と命名されたB-17爆撃機とその10人のクルーの最後の任務を描いた実話に基づく作品。

唯一、24回の白昼爆撃の任務を遂行していた“メンフィス・ベル”の乗組員は、あと１回の出撃で無事に戻れれば、本国へ帰れると意気揚揚であった。翌朝、最後の攻撃目標がドイツのブレーメンであると告げられ、各員の心は乱れるが、任務を遂行し帰還するのだという強い思いで離陸する・・・という設定。

戦時下を題材にしているが、戦争映画というより、青春映画といった感がある。狭い機内での人間模様や心理描写等、目の離せない展開と映像で作られ、なかなか良い。エンド・ロールの　“国籍を問わず、空に散った若者に捧ぐ”が心を打つ。戦争と無縁の今だからこそ、考えてみるべき内容でもある。現在、同機はテネシー州メンフィスで静かに時に身を委ねているらしい。

スリー・キングス

今宵は1999年制作の「スリー・キングス」
湾岸戦争終結直後、イラクがクウェートから奪い、隠匿していた金塊の強奪を計画したアメリカ兵士の姿を描く、戦争を痛烈に皮肉ったブラックな作品。

停戦が発表された直後のイラク砂漠地帯の米軍基地。投降したイラク兵が隠し持っていた地図を入手したアメリカ軍兵士のトロイ(マーク・ウォールバーグ)とコンラッド(スパイク・ジョーンズ)。その地図が金塊の隠し場所を記したものだと直感した特殊部隊のゲイツ(ジョージ・クルーニー)は、チーフ(アイス・キューブ)を仲間に引き入れ、一獲千金とばかり金塊探しに乗り出すのだが、という展開。

戦いの勝利者が、敗者から戦利品を奪い取るのは、太古ら変わらぬ法則。しかし現代社会に於いては、どうなのかな。一応、結末は安堵したけど。ベトナムの教訓からイラクでは深入りせず、というか、掛けた梯子を外すという荒技を行ったアメリカって何か凄い（悪い意味で）。それをこういった形で映画化して、公開するのだから、また別の意味で凄い（苦笑

ブラザーズ・グリム

今宵の友は2005年制作の「ブラザーズ・グリム」
グリム童話の作者であるグリム兄弟の不思議な冒険かつ童話の誕生秘話を描く大人向けのファンタジー。

兄ウィル（マット・デイモン）と弟ジェイコブ（ヒース・レジャー）は、フランス占領下のドイツで、いかさまの魔物退治をしつつ賞金稼ぎをしていた。しかし、遂にそのいかさまが露呈し、フランスの将軍に逮捕されてしまう。本来なら死罪に値するのだが、その罪の軽減と引換に、森で少女たちが失踪するという奇怪な事件の謎解きを要求される・・・と言う展開。

映像のあちらこちらに、童話の登場人物が散りばめられていて、何の話だったか思い起こさせる作りになっている。また鏡の女王役のモニカ・ベルッチの美しさは一見の価値がある。そういえばグリム童話って、ちゃんと読むと内容はダークなものが多く童話と言う範疇に入るのかなと、ふと思った。

フィフス・エレメント

今宵は1997年制作の「フィフス・エレメント
(ADVANCED COLLECTOR'S EDITION）」！
リュック・ベッソンが己の趣味に巨費（100億円）を投じて描いた、SF超娯楽大作。ストーリーよりも映像を重視し、豪華キャストで描かれた作品。

23世紀、巨大で邪悪な知的エネルギー体が地球に迫ってきていた。そんな時、退役軍人のコーベン・ダラス(ブルース・ウィリス)の運転するタクシーに突然、赤毛の少女リールー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が上から突っ込んでくる。取り巻く警官隊が彼女の引渡を要求し、一度は応じようとするダラスだったが、彼女の美しさと涙に惹かれ、警官隊を振り切って逃げ去り、コーネリアス神父の元へ届ける事にするのだが、という展開。

ストーリーは単純明快、展開も読めてしまうが、それを補って余りあるキャストと映像美が楽しませてくれる。昨日の16ブロックの渋さもいいけど、ブルースはやはりアクションが映える俳優だね。ミラもまだ成熟仕切っていない感じだけど、それなりの美しさはでてるし、全体的に観て損はしない作品だ。

１６ブロック

今宵の友は2006年制作の「１６ブロック」
留置所から16ブロック（約1.6kmらしい）先の裁判所まで証人護送を任された刑事が途中で様々なトラブルに巻き込まれていくリアルタイム・ムービー。

刑事ジャック（ブルース・ウィリス）は、囚人エディ（モス・デフ）を裁判所で証言させるために護送を任される。夜勤明けで気分の乗らないジャックだが、仕方なしに車に乗り込み移動を開始する。だが、その途中、何者かに襲撃され、撃ち合いとなる。２人は近くのビルにあるバーに逃げ込み身を潜め、救援を要請。やがて、元相棒フランク（デヴィッド・モース）が現れるが…という展開。

Ｂ・ウィリスが、アルコール漬け、中年太り、引きずる痛めた足といった感じで、今までのワイルドで精悍なイメージを見事に覆して演じている。そんなくたびれた中年刑事が徐々に正義感を取り戻していく姿に何故だか惹かれる。劇場公開版と別エンディング版が収録されているが、どちらのラストが良いかは観る人それぞれの感性だろな。

エネミー オブ アメリカ

今宵は1998年制作の「エネミー オブ アメリカ　(SPECIAL EDITION)」！
本人が気づかないまま暗殺事件の証拠を手にしたことにより、追われる身となったひとりの男とNAS（国家安全保障局）の戦いを描いたサスペンス。

弁護士ディーン(ウィル・スミス)は、偶然に出会った大学時代の同級生から謀殺現場が映ったビデオテープを知らぬ間に押しつけられる。このテープを巡りNSAに出向中の行政官レイノルズ(ジョン・ヴォイト)は、己の出世と保身のために、ディーンを追いつめていく。一方、ディーンも訳の分からぬまま命を狙われる中、元NSAのブリル(ジーン・ハックマン)に助けを求め、逆襲を仕掛ける、という設定。

テンポ良く、話が展開していくので、中弛みもなく２時間超が気にならない。プライバシーって保護されてるようで、実は無防備かつ侵害されやすいもので、あながち本作の内容が絵空事ではないと感じさせる作品。ま、本当に国家を相手にしたら、軽く捻られちゃうだろうけどねｗ