あざみ野荘つれづれgooブログ

おもに、サッカー関連のコメントを掲載していきたいです。
’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

中村哲さんの深い知 (鈴木宗男発言、加筆、修正しました)

2005-10-25 00:08:51 | 政治・経済
本当は、ヨン様や韓流スターについて書こうと思っているのだが、私にしては忙しい日が続いていて中々書けないので(そんな大そうなことを書こうとしているのではないのですが)最近読んだ本の紹介をしながら、つれづれな感じで書いてみます。
 
 『中村哲さん講演録 平和の井戸を掘る アフガニスタンからの報告』(ピースウォーク京都)を読んだ。中村哲さんの言葉は心の深い所に届いてくる。中村さんの困っている人々を見過ごせない正義感、勇気、行動力、そして自分達のやっていることを決して驕って自慢することのない言葉の謙虚さ等々。こういう言葉で讃えることがためらわれるほどの現地での過酷な活動なのだと思うけれど、中村さんの言葉からは悲壮さや気負いは微塵も感じられない。危険な現地での活動の中、これまで生き延びてこられたことについて質問されて、「運がよかったんでしょう。」と答えられていますが、ペシャワール会が「現地協力」と呼んでいる現地の人々にとって本当に必要な活動をしているからこそ現地の人々の協力も得られ安全確保の情報も入ってくることによって活動が続いているのだと思う。そこに、この方やペシャワール会の活動の強さの秘密があるのではと思う。
 巻末の「中村哲氏 著作紹介」の項で引用されていた言葉から印象に残った部分を紹介してみます。

 ――亡命アフガン人医師との会話 
 「先生は日本にいればそう苦労はないものを、何を好んでこんなところで働いているのですか。」
 「ドクター、これは単にアッラー(神)の配慮に過ぎない。偶然と呼ぶならそれでもよい。君をペシャワールに留めている、そのものと多分同じだろう。確かに我々はこの困難の前には虫けらだ。巨象を相手に這いずり回る蟻にすぎない。しかし、どんなに世界が荒れすさんでも、人の忘れてならぬものがある。そのささやかな灯りになることだ。自分は決して善良な人間ではないが、これもアッラーの御心ならば仕方ないではないか。これは我々のジハード(聖戦)なのだ。」 (『ペシャワールにて』より)(※筆者注:中村さんはクリスチャンです。)
 
 
 (バーミヤンの仏像破壊について謝罪する現地スタッフの手紙を読んでの訓辞)
 
 「今世界中で仏跡破壊の議論がさかんであるが、我々は非難の合唱には加わらない。私たちの信仰は大切だが、アフガニスタンの国情を尊重する。暴に対して暴を以って報いるのは、我々のやり方ではない。餓死者百万と言われるこの状態の中で、今石仏の議論をする暇はないと思う。・・・・・」 (『医者井戸を掘る』より) 

 ――一命をとりとめた患者との会話
 「ほら吸え、日本のタバコ、『アラーム(平和)』だ。約束どおりお前にもやるよ。」
 「あなたは日本人ですか?」
 「俺の国? わが故郷はカシミール。」
 これは、「誰にとっても自分の故郷がカシミール(自分の故郷が一番)」という諺をふざけてもじり、「どこだっていいじゃないか」と言いたかったのだが、シャレが通じなかった(現地の者は「外国人はパシュトゥ語をしゃべらない」と決めてかかっているのである)。
 「ドクターは、カシミールの者ですか!」と真顔になったので、周囲の者がどっと笑った。笑いが静かな水面に小石を投げてできる水の輪のように、広がっていった。  (『医は国境を越えて 』より  以上の著作は全て石風社より出版されてます。)

 (ぎりぎりの状況で吐かれるこのようなユーモアに中村さんの深い知と行動力を支えている本当の強靭さの秘密を感じます。)

 また、中村さんは最近の憲法改正に向けての世の中の流れに対して、「改憲論者は平和ボケ」 「九条こそが歯止め。このたがを外した瞬間から、際限もなく広がるというのが歴史の教訓だ。」「・・・平和憲法はそうした犠牲の結論だった。戦死者を悼むなら、なぜ先輩の出した結論、残した遺産をぶち壊すようなようなことをするのか。」と、明快に断言されています。
 彼のようなリアリストの言葉に私たちは耳を傾けなければならないと思います。
 そして、もし今でもまだ残っているとしての話ですが、中東における日本や日本人に対する好印象を支えているのは、政府や外務省が「アメリカに旗を見せるだけのため」に莫大な費用(税金)を遣って行っている自衛隊の活動なんかではなく、こういう民間の地道な活動なのだということは明らかです。


 それにしても佐藤ゆかりさん、子どもたちに与える影響を考えると、ジャガイモとサツマイモの違いくらいは把握しておくべきだったのではないですかね?いくら世間知らずのお嬢様だとしても・・・。(10/24の朝ズバッ!より)

 追記:10/25のスーパーモーニングの特集『鈴木宗男vs外務省 真紀子氏騒動舞台裏』の鈴木宗男氏の発言は割りに面白かった。更迭された川島事務次官があの騒動時に真紀子氏のことを「あの婆さん」呼ばわりをして外務大臣からの追い落としに協力するように頼んできたことや、その後の宗男氏追い落とし時に「ムネオハウス」や「北方領土不要論」などの外務省内部文書の流出や情報リークが外務省によって積極的に行われたこと、真紀子氏について、「田中大臣の感覚はよかったが、持って行き方、進め方がよくなかった」など。鈴木氏はかなり抑えて発言しているように見えましたが、この辺りの事情をもっと掘り下げてほしい気はしました。外務省の問題はもう一件落着して幕引きみたいな形で更迭された方々も、現在はまた重要なポストでご活躍の様子みたいなので・・。官僚の堕落、腐敗、怠惰を正すには政権交替しかないと思いますが。

 今日の格言:政治家のスキャンダルや犯罪は、権力による政敵追い落としという裏がある


 ↑こう思わざるを得ない事例があまりにも多いと思います。マスコミの挑発に乗ってあまり単純な正義感を発露させすぎないようにしましょう。