あざみ野荘つれづれgooブログ

おもに、サッカー関連のコメントを掲載していきたいです。
’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

高橋大輔 トリノワールド優勝おめでとう!!

2010-03-26 16:45:27 | フィギュアスケート
 
 高橋大輔ついにやりました!!

 2007年、2008年と優勝候補と言われながら、続けてタイトルを逃したあとに、コーチ問題、膝のけが、入院、手術、厳しいリハビリ、復帰後の今期の試行錯誤を乗り越えてのタイトル獲得!特に、今期は、初戦のフィンランディア杯の復帰から、山あり(スケートカナダのフリー、GPFのSP、全日本選手権優勝、オリンピック銅メダル etc) 谷あり(フィンランディアフリーのバテバテ、NHK杯の転倒、GPFのフリーのグダグダ etc )のドラマチックなシーズンでしたが、それらの経験全てを糧にして今回の優勝があるという感じで、その過程を観てきただけに、余計に感無量です。

 今回は、観ているこちらのほうがドキドキしていたのに、本人はショート、フリーとも落ち着いていましたね。ショートの始めのところの不敵ささえ感じさせる笑みや、フリー始まる前の長光コーチに見せた笑みなど。演技的には、ショート、フリーとも、ジャンプ以外の要素は、今回が一番完成度が高かったように思いました。ジャンプは4回転と、3-3のセカンドジャンプが詰まってしまい気味なところなどが課題でしょうか。でも3Aは今回、鉄板でしたね。ステップはいつも通り素晴らしかったですが、スピンは今回が一番よかったと思います。

 SPの「 eye 」、最初に観た時は、正直、ここまでの名プログラムになるとは思いませんでした。ホント、おみそれしました。今回、まったく危なげなかったし。あの、音を全て拾っていくステップは、他の誰にも真似できない高橋大輔にしかできない動きで、改めて只々素晴らしいと思いました。本人はスピード不足と言っていましたが、今期、一番感動しました。

 そして、トリノで演じる「 道 」での金獲得。こちらは、4回転が認定されなかったので、本人的には不満なんでしょうが、”自分の今できるすべてを出し切っての金 ”だと思います。4回転という課題は現役続行のモチベーションにもなるし。ファン的にもよかったかなと思います。

 なにはともあれ、おめでとう!おめでとう!おめでとう!!

バンクーバーEX雑感つづき

2010-03-07 16:45:13 | フィギュアスケート
 タラソワメイドの浅田真央のEX、「カプリース」の、受け取るにはそれなりの感性のいる色気は、単純なカナダの観客にはやはり理解されなかったようですね。(「あっは~ん」、「ばっきゅ~ん」っていうくらいわかりやすくないとだめなのでしょうね。)

 ことしの扇子を有効に使ったステップもよかったが、去年のEX「タンゴ」のステップも素晴らしかった。フランスでは、どちらも大いに受けていたのにね。

 タラソワもモロゾフも、根本のところにステップがあって、(タラソワ=ロドニナ、モロゾフ=ヤグディン等)、ステップで実績を残してきたので、彼等にとって自分たちの脳内で考えたステップを具現できる選手ということでは、タラソワにとっては浅田、モロゾフにとっては高橋は理想的な選手だと思う。殆どの場合、その選手の”できること”でプログラムを作っていく(女子の金メダリストも含めて、)このふたりのように振付家の脳内プログラムを実現できる選手というのは数少ない。

 だから、いろいろ言われているが、浅田真央にとって、あのステップを身に付けられたことは大いな成果なのだ。 
 
 そのバンクーバーのプルシェンコのEXを見て感じた古さ、その音楽にまったく関係なく踏まれるステップのつまらなさ・・。

 トリノ後の男子フィギュアを牽引していたのは、高橋ーモロゾフだったと思う。2007東京ワールドは「オペラ座の怪人」で、あるいは、2008のイェーテボリワールドは、「スワン・レイク」で、高橋がタイトルを獲るべきだったシーズンだった。そのことに文句があるひとでも、2008年2月、韓国での4大陸選手権で高橋が叩き出した、まだ破られていない男子シングルの歴代最高得点264.41点のことはお忘れではないでしょうね。

 このふたつの大会で高橋が、ジャンプと表現を両立させて、予想通りにタイトルを獲っていれば、今回の4回転論争や、プルシェンコの文句は無かった筈。

 高橋の今期のプログラムを見て、あのコーチ問題については、高橋の”意志”もあったのかなと思うようになった。もちろん、あの”怪我”には、長光コーチのコメントからも、”言うに言えない苦しさ”という精神的な危機が関係していたと私は思っているけど。

 欧州選手権で勝って、「3年間頑張ってきた選手に勝ててうれしい」とプルシェンコは言っていたが、トリノ後のフィギュアは、彼のいない間に、彼の方向性とは違う方向に進化していたのだ。彼のEX最後の倒れこむ演出などは、まさに古くさい演出だと思う。私には安易に見える。

 解説でも言っていたように、EXもジャッジはちゃんと見ている。だから、EXできちんと技術や表現力を見せることは重要なのだ。

 ロシア(欧州)VSカナダ(北米)という対立軸ばかりが注目されているけれど、あのぶっちぎりのトリノの時でさえ、プルシェンンコがマークする選手として名前を唯一挙げていたのは高橋だった。今回も、彼が一番意識していたのは、ランビエル、ジュベールなどとともに高橋だったと思う。そういう実績があってこその銅メダルなのだ。しかも怪我を乗り越えての。

バンクーバーオリンピック閉会式&フィギュア雑感つづき

2010-03-04 16:22:03 | フィギュアスケート
 録画しておいたオリンピックの閉会式を、ざっと観て感じたことを少しだけ書いてみたい。
 
 正直、”オー!カナダ ”的、”メイプルリーフ 万歳 ”的、”私もあなたもカナダ人 ”的演出に辟易していた私は、途中、くたびれた初老のロック歌手みたいなひとが出てきた時、またカナダローカルのおっさんシンガーかと、失礼なことを考えていたら、なんとあの ”ハート・オブ・ゴールド ”ニール・ヤングではありませんか!!ぶっとんだ私は、閉会式で、ソチのPR部分とマイケル・J・フォックス(治療がうまくいっているのか元気そうでしたね )以外で唯一画面に釘づけになりました。まあ、ほんとうにカナダ、カナダ、カナダで、あそこまで臆面もなくナショナリズム全開だと・・・、やっぱり辟易するわけですが、先住民族に敬意って言ってる割には、”白人色の濃い”閉会式でしたよね。ほんとうにカナダ人はカナダ人が好きなことはよくわかった・・。まあ、ニール・ヤングに免じて、後半の安っぽいロックコンサート乗りには目をつぶろう。(日本のWカップの時も、あんまり自慢できるようなものではなかったし・・。)ソチのPR部分は、やはり芸術的でした。バレエもよかったし、トリノの金メダリスト、ナフカ/カスタマロフのアイスダンスカップルによる湖畔のダンスの映像はため息が出るほどエレガントでした、ロシアのプライドを感じる演出でしたね。

 さて、まあ、バンクーバーのフィギュアについてとりとめもなく書いてきたんですが、あんまり裏事情など知らない私にも、カナダVSロシアの構図は見えて来るわけで、今回は、カナダ(とローリー・ニコル)の圧勝に終わったわけですが、事前のロビー活動の賜物という側面もあるらしいですが、プルシェンコが金獲れなかったことは私的には納得なんですが、じゃあ、パトリック・チャンを使ってプルシェンコを批判させてたローリー・ニコルの振付がどうかと聞かれると、まあ、チャンを観ても、ライサチェクを観ても、あんまりいいと思わないんですよね。技てんこ盛りの新採点対応プログラムだってことしかわからない。

 それと、オリンピック後、”日本人が日本人の評価を下げるようなロビー活動をしている”としか思えないような発言を多々見るにつけ、こんなことは、カナダやアメリカ、ロシア、韓国では絶対にありえないだろうなあと思ってしまう。公式な意見では無いにしても、インターネット社会では、そういう意見がいつの間にか肥大化して、公式(ジャッジ)見解になってしまうっていうことはありえるし、選手の耳に入るってことも大いにあるから。カナダ人みたいなのもどうかと思うけど、せめて自国選手のあげあし取り発言は止めた方がいい。カナダ人やアメリカ人やロシア人は、絶対に、自国選手が「3Aの軸が曲がっていたから金獲れなかったのも仕方無い」なんて言わないと思う。

 EX再放送されるみたいですね。エキシビション、ペアの川口・スミルノフ組の演技はよかったですね。コミカルさだけでなく、彼らの芸術性と技術もしっかり見せることができたと思います。それと、エキシビションでよくある、ボーカル曲をかけて、なんとなくそれらしくムーディに滑る演技ではなく、高橋大輔の今季EXの、ひとつひとつの音を拾っていく演技は、私的にはツボです。歌子コーチが言っていたように、あの音楽を表現する才能は凄いと思う。手の動きだけ見ていても飽きない。結局、フィギュアの採点を100%客観的にするなんて人間が採点している限り無理なこと。どうしても好みなどが入ってきてしまう。だから上位選手についての、ある程度の実績考慮点は仕方ないと思う。高橋の点数に文句を言っている人に言いたいんですが、自国の選手がジャッジから評価されていることがそんなに腹立たしいんですか?外国から見たら、そういう日本人の特性っておかしいと思う。

バンクーバーフィギュア雑感つづき ~ EXのことなど

2010-03-01 16:45:22 | フィギュアスケート
 チリ地震による津波警報で、ゆっくりEXを観戦と言った気分ではなく、画面右下に日本地図が一日中貼り付いているし(被害が少なくてよかったというべきでしょうが、)フィギュアファン的には、残念な一日でした。
 
 そのEXですが、なんでしょうか、あの明らかな欧米向け演出は。今回のカナダのEXの演技順番は、全米のTV放送向けに、下位→上位ではなく、欧米にとって、上位でも、”彼らにとってはどうでもよいアジア系”を初めの方に回して、あとに主に、カナダとアメリカの選手を、という演出に見えました。銅メダルの高橋大輔が、まるでチャンや長洲未来よりも格下のように、しょっぱなに演技させられるなんて、自国代表以外のアジア系の選手を彼らがどう見ているかの深層心理を、よ~くあらわしていましたね。多くの欧米人にとって、現在の日本人選手の活躍は、積極的に認めたくないことなのでしょう。欧米で日本選手に最も好意的なのは、フランスと、コーチや振付で関わりの深いロシアくらいでしょうか。もちろん、フィギュアの専門家のスケート選手や解説者やコアなフィギュアファンは日本人選手の実力をきちんと認めてくれてますが、不特定多数の欧米人にとっては、いくら日本人がよい演技をしようが、「フィギュアは我々白人のもの」という意識が根底にあって、スルー対象なのでしょうね。金メダルを獲ったら仕方無く放送するけれど、というくらいの。伝統を考えると仕方無いことではありますが、そういう白人至上主義的価値観が ”なんぼのもんじゃい!”と思うところもありまして、ある意味、カナダとロシアの代理戦争+アメリカというのが、ジャッジも含めた現在のフィギュアの勢力地図なのでしょうが、( もちろん日本はロシア側 、韓国はカナダ側、)、そういう欧米系人種にひそむあからさまな、あるいはカムフラージュされたアジア人への蔑視に気付かずに、欧米系の選手だけをうっとり見ているひとを見るとなんだかなあと思う。

 だから、今回、高橋が、SPとEX の”純日本制”プログラムで評価されたことは、特筆に値することだと私は思うのです。そして、他の日本選手の演技にも見られる、”繊細さ”は誇っていいことだと思う。

 今回の放送を見ていて、自国の選手と超有名選手にのみ盛り上がるカナダの観客を見て、全ての国の選手に拍手や声援を送る日本の観客ほど暖かい観客はいるだろうか、と思った。外国の選手に、日本ほどアウェイ感を感じさせない国は無いんじゃないだろうかと思うし、少女マンガの主人公のような選手にキャーキャー言うのを、どうこう言うつもりはないですが、向こうはまったくこっちには関心ないですよ~と思ったりする。

 それにしても、タラソワって、いろいろ言われますが、ほんとうに芸術至上主義者!そこが好きです!「鐘」は難しすぎたと思うが。

 そして、カナダ国民の趣味が、アイスダンス金のカナダペアのEXみたいなのだとしたら、私はロシア派ですね。というかタラソワ派&大輔派。パトリック・チャンの演技には、感情に訴えかけてくるものが何も無い。ただ、振りをなぞっているだけのように見える。彼の不用意な発言のように、どこか繊細さに欠ける。北米の客には受けるんだろうが。
 
 プルシェンコやチャンの発言をどうかと思ったり、自国の選手にしか興味なさそうなカナダの観客のことをどうかと思ったり(カルガリーの頃はそんなでもなかった気がするが、)もするんですが、でも、本人が自己の能力にそれくらい自信を持って、周囲のみんながその選手の才能を愛し、リスペクトするような環境でないと、金メダルなんて獲れないような気がする。出る杭を打つように、ひとの才能に嫉妬し、悪意を持って隙あらばひとの足をひっぱろうとする人間が多い国では、良いか悪いかは別にして、なかなか彼らのようなメンタルは生れて来ないだろう。自分の方向性とは全くかけ離れているように見えるプルシェンコの演技に惜しみない拍手を贈り、「点が低すぎる」と発言するタラソワを見ていると、こういう人間に囲まれていてこそ、選手は自己の能力を信じて才能を発揮できるのではないだろうかと思えてくる。(プルシェンコのEXのステップ、ただ速く動いているだけで、私はちっともいいとは思わないのですが。)