あざみ野荘つれづれgooブログ

おもに、サッカー関連のコメントを掲載していきたいです。
’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

「無言館展」

2007-05-06 16:19:38 | 芸術
 最近、長野県上田市にある「戦没画学生慰霊館無言館」(館長・窪島誠一郎)の収蔵作品の展覧会「無言館展」に行った。特に反戦の絵画が展示されているわけでもない、有名な日本画家の子息などの作品もあったが、すべてこれからという無名の画学生の作品で、最初はさらっと観るつもりだったが、作品に添えられた作者・作品紹介の解説を読んでいるうちに、途中からそうはいかなくなった。彼らの生没年、(ほとんどが大正生まれで、二十代前半から三十代前半くらいですべての学生が亡くなっている。)そして、遺族によって語られた作品についてのエピソードを読んでいるうちに涙がこぼれた。そしてあらためて気付いたことは、その多くが、病死や餓死や訓練中の事故や輸送船の沈没などの戦闘行為以外の原因によって亡くなっているということだ。この事実は残された遺族にとって、その死を余計に受け入れがたい不条理なものにしているのではないだろうか。遺族たちは、戦後ずっと亡くなった者への思いを抱えたままそれらの作品を保存し続けたのだ。遺された作品が反戦をテーマにしたものではないだけに、よけいに彼らの残された思いと戦争の不条理さに胸が詰まった。その不条理さを認識できただけでも観てよかったと思うし、その事実は美化したり、ごまかしたりせずに記憶されなければならないと思います。