あざみ野荘つれづれgooブログ

おもに、サッカー関連のコメントを掲載していきたいです。
’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

「今のマスコミがあかんのや」 後藤田正晴

2005-09-22 01:21:41 | 政治・経済
 歴代の自民党内閣で官房長官や副総理などの要職を歴任した、元自民党の大物議員後藤田正晴氏が19日に肺炎で亡くなられたそうだ。
 
 自民党の中枢部にいた氏の全てを知っているわけではないが、その発言に耳を傾けたいと思わせる数少ない政治家だった。その人の思考、哲学は、声の出し方やしゃべり方にも表れると思うが、その点からも、落ち着いた諭すようなしゃべり方が本人の誠実さ、聡明さを感じさせた。今の日本の政治家は、残念ながら、しゃべればしゃべるほど、胡散臭く、誠実でないと感じる人が多いのは、志、哲学の点で氏に遠く及ばない人ばかりなのであろうという気がする。
 91歳と御高齢であったので仕方の無いことだとは思うが、衆議院での自民党の大勝、民主党の党首に改憲派の前原氏就任という、何か浮ついて一方的な改憲論議の流れの中での、後藤田氏の死去がとても残念でなりません。「小泉君は戦争を知らない。まったく知識がない」と自衛隊のイラク派遣を強行した小泉首相を批判した氏の正論を、自分達は現実主義者だと思っている彼らは全く無視しています。そのことは、氏にとって日本の戦後60年の平和外交の努力を振り出しに戻す動きとして到底容認できない腹立たしいものだったと思います。もし、一対一の討論であれば、今いる改憲論者の誰一人として、彼の言葉に反論できる者はいないと思う。そして、そういう人が自民党の中枢部にいたということがとても意味のあることだったと思う。

 今年の6月8日のTBSのニュース23での後藤田氏の小泉外交批判の発言をまとめたものを、以前、私のBBSの方に掲載したのですが、その文章を下記にコピーして貼り付けておきます。

  6月8日のTBSの「ニュース23」で元自民党の大物議員、後藤田正晴氏が小泉総理の外交を、靖国問題を取り上げて、ばっさり批判していた。氏は、「外交には戦略的判断が必要であるが、今の日本の外交は行き当たりばったりである」とし、先の、靖国参拝問題についての、河野衆議院議員の小泉総理への申し入れについての阿倍氏の批判、(「外交権は行政の長にある云々・・」)は、「阿倍氏の批判は議会制民主主義の観点から見てもおかしい」とし、また、町村外務大臣の同問題に対する発言も、「言葉遣いや言葉が不適格で思慮に欠ける、もっと言動に注意するべき」と苦言を呈していた。そして、「昭和53年にA級戦犯を祀った靖国神社に参拝するのはおかしい」、「私としては分祀をしてもらいたい」、「小泉総理は、総裁選挙時の公約と言う背景があるのだろうが、個人の信条と内閣総理大臣の言動は区別してもらわないと困る」、彼らの言動は「日本は東京裁判を受け入れることでサンフランシスコ平和条約を締結したという歴史を忘れているが、そのことを忘れてはいけない」とし、最近の日本人の傾向として、「情緒的反応ばかりで、何かことが起きる→マスコミが騒ぐ→それに対して付和雷同し、”ちょっと待て”という感じが無くなっている」と述べられていた。こういう「先輩の正論」はきちんと聞くべきだと思うのですがね。

 ご冥福をお祈りします。


追記:それにしても、昨日の国会初日の各テレビ局のニュースはどれもこれも本当に「何ですか?あれは?」というばかばかしいものばかりだった。各局とも相変わらずお決まりのように話題の新人議員を追っかけていて、特に自民党最年少議員の杉村某氏をまるでスターのように延々と取り上げていたのには全く辟易してあきれた。最も、彼が注目されることは自民党にしたら痛し痒しだと思う。かなりの党のイメージダウンにつながりかねないので。まあ、他の新人議員の方々の顔ぶれを見て、国民の改革への民意が反映されたと喜んだ人はさすがにあまりいないだろうから、今回の選挙のばかばかしさが露呈したという意味ではよかったのかもしれないが。