前回では、一般的なテイクオフについては2点支持が重要であることをご説明しました。
そして今回は、日本には紹介されていないもう一つのテイクオフ方法について解説します。
して、そのもう一つの方法とは‥。
アメリカ方式です。
これは日本で教えられているテイクオフ方法とは全く違います。
どのように違うかというと、上図のように腕をかなり曲げます。
この腕を曲げる量は、理想的にはメインラインが張ってしまうところまでですが、ラインが張らなければ腕が曲げられるところまで曲げてしまいます。
前回のブログをしっかり読まれた方ならば、この時点で2点支持が出来上がっていることに気付かれると思います。
つまり、グライダーを持つ手のひらと、既に張られたメインラインの付け根。
この二か所で2点支持が出来上がっているのです。
このアメリカ式テイクオフの場合、少し浅めのアタックアングルでグライダーを構え、スタートは前に倒れるように走り始めます。
これは、最初の走りはじめでは、どうしてもグライダーが後に残ってノーズが上がりやすくなるためで、そうならないように、まずはグライダーを先に走らせ、それに人間が追いつくように
するほうが無理がないからです。
このテイクオフ方法の利点は、最初からスパッと加速に入れられて、短い距離でもスピードをのせられることにあります。
それに対し欠点ですが、
まず、長身でなければメインラインを張ることが出来ず、このテイクオフ自体がうまく出来ない。そして、グライダーを腕の力だけで持ち上げられるだけの筋力が必要‥ 。
つまりは、それなりのガタイがなければできないテイクオフ方法なのです。
そのため、小さな体の日本人には不向きなため、日本には普及しなかったのです。
余談ですが、昔のウイルスウイングの機体は、若干テールヘビーが多かったのは、まさにこの理由で、走り始めのアタックアングルが少ないアメリカ方式のテイクオフの場合、実は、ウイルスウイングの機体のバランスは丁度良いものになっていました。
もっとも最近では、一般的なテイクオフ方法でもバランスが良いように考えられて、ウイルスの機体は作られていますからくれぐれもご心配なく‥。
このように、私たちがあまり知らないテイクオフ方法も存在しているのですが、
実は、
実は実は‥。
更にもう一つ、別のテイクオフ方法が存在しているのです。
それは、前回ご説明した一般的なテイクオフ方法と、今回のアメリカ式テイクオフ方法の良いところだけをとったような方法で、最上級のパイロットなどは、長年の経験から無意識のうちに使っている方もおられます。
次回はそのテイクオフ方法についてご説明します。