エアーインディア旅客機墜落…。
また大変な航空機事故が発生してしまいました。
まずは亡くなられた方の御冥福をお祈りいたします。
…。で、この事故ですが…。
実に不思議な事故なんです!
まだこのことに気づいている方は、ほとんどいないのではないでしょうか?
基本的にこんな事故はあり得ないはずなんです…。
まずこの事故について、私はネットの中だけですが、あらゆる情報をとってみました。
しかし…。
動画などの情報は、見当違いとしか思えないものばかり…。
正直、良い言い方ではありませんが、中途半端な飛行機の知識で公表しているとしか、私には思えません!
…。ただ、下にあげた情報については、私は注目すべきと考えています。
・離陸前、エアコンが効かず、客室のモニタなどが使えない状態だった。
・離陸時に、フラップが動作していなかった。
・離陸後、引き込み脚が出たままだった。
実はこれらの情報から、私は…。
離陸滑走時に、飛行機の電源系がすべて落ちてしまった可能性があるのではないか?
そんな考えに現在至っています。
何故そんなことが言えるのか…。
それをご説明いたします。
まず、同旅客機の墜落動画を検証してみたのですが…。
明らかに、離陸上昇中に、2発あるエンジンの両方が、同時にパワーダウンしています。
コレ、2発とも独立したシステムを持つ旅客機のエンジンとしては、あり得ないことなんです!
ただ一つの理由を除けば…。
そのただ一つの理由とは、
同時に飛行機の電源系が全部おちてしまった時!
万一、飛行機の電源系が、同時にすべて落ちてしまった場合、燃料ポンプも動作しなくなります!
この結果、エンジンに燃料が送れなくなるので、数秒間エンジンは動きますが、その後、両方のエンジンがほぼ同時に止
まります。
まさに今回の事例と同じ…。
今回事故に遭ったボーイング787で、電源系が全て落ちてしまったとすると、他にも起こり得ることとして…。
まずフラップが動作しません!そして、引き込み脚が収納できなくなります!
恐ろしいくらい、今回の事例と同じことが起こってしまうんです!!
…。
これらの飛行機の制御に関わる重要な機器として、APUというものがあります。
これは、飛行機の制御に必要な、電気、油圧、空気圧を作り出す装置です。
メインエンジンが始動していない時は、旅客機はこのAPUにて必要な電気や油圧、空気圧を作り出しています。
そして、メインエンジンを始動するときは、このAPUにて作り出された高圧空気を、メインエンジンのスターターに送り
出すことにより行っています。
一度、メインエンジンが始動してしまうと、メインエンジンでも電気、油圧、空気圧を作り出すことが出来るため、飛行
機の制御に必要な電気、油圧、空気圧は、2発のメインエンジン、APUと、三重の体制となるわけです。
ただ…。
今回事故を起こしたボーイング787については、他の旅客機とは全く違うシステムを、初めて導入しています。
その初めてのシステムとは…。
空気圧を全く導入せずに、それらで動作していた装置は、すべて電動に置き換わっています。
また、動力電源も、今までのボーイング社の飛行機は、400HzAC115Vを使用していましたが、これが400Hz
AC230Vに変わっています。
これらは飛行機を軽量化するための変更で、既に軍事機では実績のある事なのだそうです。
今まで旅客機では、空気圧で動かしていたものは、上にご紹介したエンジンスタータ―、それと、フラップの動作でした
が…。
ボーイング787ではフラップの動作も電気で行っているため、電源が全部落ちてしまった場合、フラップが動かなくな
るのです。
他のエルロンやエレベータ、ラダーなどの動翼は、油圧で動作するため、たとえ電源が全部落ちても動かすことが可能で
す。
エアーインディア機の墜落動画を見てみると、パイロットは最後に機体の引き起こし動作をしているので、やはり、油圧
は生きていたと思われます。
ボーイング787は、今まで実績のあったシステムを大幅に変更し、独特な制御システムにした…。
このことが非常に個人的には引っ掛かっているのです。
今回の事故の原因として、エンジンに不調が生じたことも考えられますが…。
同時に2発のエンジンが止まるなんて考えられません!
また、エンジンに鳥が吸い込まれる「バードストライク」もあり得ますが、この場合、エンジンの停止に伴う「黒い煙」
が一瞬出るはずです。
エンジンの故障についても、やはり、同じようにこの黒い煙が出ます。
今回のように、黒い煙を出さずにエンジンの出力低下が起こるものとして、燃料の枯渇の可能性が一番高いです。
動画などでは、フラップを動作させなかったから墜落した!なんてものもありましたが…。
旅客機って、離陸滑走中、たとえエンジンが片方止まっても、もう片方で離陸できるだけの滑走距離を確保しています!
フラップがたとえ動作していなくても、エンジンさえ好調なら、余裕でテイクオフできます!
また、ある動画では「パイロットが引き込み脚を収納し忘れていた!」なども言っていましたが、これもちょっと考え難
い…。
なぜならば、飛行機は離陸後すぐに引き込み脚を収納することが義務付けられているからです。
これは、万一胴体着陸となったときの安全策のためで、脚を収納することにより、着陸時の衝撃を和らげることが出来る
ためです。
これについても、電源系が落ちていたため、操作はしたが引き込脚が動作しなかったと考えるのが自然のように思えま
す。
あともう一つ…。
離陸途中で片方のエンジンが止まってしまい、このとき、パイロットが慌てて正常に動作しているエンジンの燃料の供給
を、間違えてOFFしてしまうことも考えられますが…。(過去に事例あり)この場合、まずは片方のエンジンが止まるた
め、推力の不釣り合いで飛行機が斜めになりながら飛行するはずです。
エアーインディア機の場合、どう見ても同時に両方のエンジンの推力が落ちたように見えるので、この可能性も低いと思
います。
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