今回の題材は、Yahoo 知恵袋に投稿された質問からで、次の図がその質問図です。
「ナンプレ独学」と云うソフトによると▢に9が確定すると有りますが、その根拠を教えてくださいと云う質問です。
私は次に▢の9が決まると思って考えましたが、どうも違うようです。回答者の常連である「XY-Chain は仮定法」さんも同じように思われたらしく、お手上げの回答でした。超上級者がこの状態なので、私はこの質問図を「お手上げ」と名付けました。
次の次に▢の9が決まるとすれば、二つ有る▢のどちらかに6が決まると良いのですが、中段ユニットの6は Loop になっていますので、不可能です。
次の次の次に▢の9が決まるとすれば、▢の9と▢の4が決まる必要が有ります。
しかし、▢に9が決まると4は Loop になってしまいます。先に▢の4を決めても、今度は9が Loop になってしまいます。つまり、▢の9はもっと後の方で確定すると云うことに成ります。仕方がないので、解いてみました。
XY-Wing です。4・8-8・5-5・4 で、▢の4は削除されます。
4が決まります。
4で進めて、
2で進めて、
8で進めて、
9で進めて、
5で進めて、
3で進めて、
6で進めて、
9で進めて、
ここでやっと▢の場所に9が確定しました。4で進めて、
7で進めて、
5で進めて、
8で進めて、
4で進めて、
2で進めて、
5で進めて、
正解です。
驚かれたと思います。この質問図は詰ナンプレだったのです。そして、▢の9は随分後に確定しました。更に驚いたことには正解手順がもう一つ有るのです。
質問図です。
Nice Loop です。▢の9から 9・6-6-6・4-4・9-9ー で、
同じ領域に9と9が有りますので、9は削除されます。
4で進めて、
2で進みますので、同じく芋づる式に決まります。
これで一件落着と思いましたが、どうも腑に落ちません。こんなに後で決まる▢の9を、「ナンプレ独学」は何故指定したのでしょうか。芋づる式を承知の助言ならば、
次の次に▢の2が決まります。これが普通だと思うのですが。
ですので、私は芋づる式を捨てて中段ユニットだけで考えてみました。
質問図です。
Nice Loop です。質問図で▢の9から 9・6-6-6・4-4・9-9ー で、9が削除され4が確定します。これをA図とします。
Nice Loop です。同じく質問図で▢の4から 4・9-9・6ー6ー6・4-4ー で、4が削除され9が確定します。これをB図とします。
A図とB図を重ねます。4と9が削除され、
更に4と6と9も削除されますので。▢に9が確定します。 多分この手順が質問図に対する本当の答えでしょうか。
おまけです。私の手順解説の色分けについてです。
Nice Loop ですと、
この図の説明は、「▢に6が入りますと▢に9が入ります。また、▢に6が入らないと▢に9が入ります。▢の9と▢の9のどちらかが必ず確定しますので、▢の9と▢の9と同一の領域に在る▢の9は削除されます。」Loop ですので、この論理が成立します。
これに対して、XY-Wing( XY-chain )ですと、
ご覧のように赤と青の色分けをしません。この図の説明は、「8が入ると4が入ります。8が入らないと4が入ります。4と4のどちらか、または両方が確定します。4と4のそれぞれと共通の領域である▢に4は入れませんので、削除されます。」Chain ですのでこの論理となります。
ですので、無理やり赤と青に色分しますと、
この図は誤りとなります。何故なら4と4のどちらも確定するからです。
理解するには厳しいと云う方には、もう少し噛み砕いた説明を、
Nice Loop ですと、▢に6が入りますと▢に6が入り、▢に4が入り、▢に9が入ります。また、▢に9が入りますと▢に6が入り、▢に4が入り▢に9が入ります。 Loop ですので、赤と青のどちらかは必ず確定します。ですので、9と9が一緒に在る領域から9は削除されます。
これに対して、
XY-Wing では、▢に8が入ると▢に5が入り▢に4が入ります。
また、▢に4が入りますと▢の4が消えて、同じく▢に4が入ります。つまり、▢に8が入っても4が入っても▢には4が入ります(これは Nishio の原理です)ので、4は赤と青の色分けが出来ないのです。XY-Wing( XY-chain )が全てこのような状態になる訳ではありませんが、誤りが無いよう赤と青の色分けは出来ないのです。
奇数個連鎖も同じです。偶数個連鎖は Loop ですので、赤と青に色分しますが、奇数個連鎖は Chain なので色分け出来ません。どこかの領域で同じ色がダブるからです。「奇数個連鎖の原則」の記事も参考にしてください。
次回は、ろばくん 作の対角線ナンプレで次の図です。
ツイッターでの難易度ポイントは520Pで、頭が堅い方には難しいかもしれません。私はこの作品を「巌流島Ⅱ」と名付けました。最終図に634と926が在りますので。
ご覧頂きまして有難うございました。
練習問題の最終的な正解だけ書いてあって、そこに至る解法を載せていない参考書とか。
受験生時代、なけなしのお小遣いで買った参考書が、そのような役立たずの使えないタイプと判明した時には絶望感しか抱きませんでした(笑)
皆が皆上級者では無いのですから、
詳しい説明をされた方が親切ですね。
私の解き方は、半分は自己流ですので、
なるべく多くの方に納得頂けるよう、
少し見にくいでしょうが図面に色付けしています。(苦笑)