ナンプレふぁんのひとりごと

ナンプレは初級から上級に行くにつれて解きにくいですね。

簡単な新しい原則を見つけましたので、是非ご覧ください。

「奈落」

2023-12-18 08:17:25 | ブログより

奈落と云う漢字を見ると、一般の方は舞台や花道の床下を想像するかと思いますが、仏教用語では地獄あるいは地獄に落ちる意味があるそうです。明るくない前振りで申し訳ございません。

 

今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さんが、ご自身のブログで いちごナンプレ として公開された作品で、次の図です。

        

このヒント数字配置を見ると、相棒ナンプレでもあります。

        

私はこの作品を「奈落」と名付けました。解き手順としての「ありじごく」初公開だからです。

        

候補数字を入力すると、この図になります。確定する数字が有りませんのでこの図が解き始め図です。

この作品は、相棒で いちごナンプレ ですので、専用の法則を使うと簡単に解けます。

        

いちごナンプレの「性格の不一致の別居」を使用すると、の1はと同居しないし8はと同居しないので、6が確定します。

        

相棒ナンプレの「中心マスは5が確定」を使用すると、第5列の2・5・8が確定し、第5行の2・5・8も確定します。

        

専用手順を使用しないで通常問題として解きます。

        

に4の4個型強リンク有ります。

        

「ありじごく」で、の4が削除されて、の4との6が確定します。4で進めて、

        

2で進めて、

        

3で進めて、

        

5で進めて、

        

6で進めて、

        

正解です。

 

ご覧の通り「ありじごく」の一手詰めです。根拠が無い新手の一手詰めは納得できないと思われる方は多いでしょうね。もう一度解き始め図をご覧ください。

        

この図を眺めていると面白いことに気が付きます。それは、1・2・3・7・8・9の Loop が出来ているとです。これを利用します。

        

1の Loop です。

        

7の Loop です。

        

二つの Loop を重ねます。

        

で一回接触します。

        

共倒れの原則では削除されます。

        

これを4個型強リンクに移します。

        

4と6が確定します。

たまたまの偶然でしょうと言われる方には、「ありじごく」も「共倒れ」も使わない手順を。

        

解き始め図からです。

        

は3・5の二択マスです。

        

が入りますと、が入ります。

        

また、が入りますと、が入りが入ります。

        

この図になります。

        

一方の色が決まっている二択マスには反対色が入ります。

        

従って、の9が確定します。9で進めて、

        

は5・7の二択マスです。全く同じ作業をします。

        

すると、の1が確定しますので1で進めて、

        

この図になります。

        

5で進めるとは削除されます。

        

二国同盟で、

        

2と5と8が確定して、後は芋づる式に決まります。

        

おまけです。

        

この解き始め図に1・2・3・7・8・9の Loop が出来ている事を記しました。

        

その Loop 同士がで一回接触しています。

        

この9個のの内どのを1個選んでも一手詰めです。

 

おまけ2です。 

       

4個型強リンクを眺めていて気が付いた事が有ります。

        

説明のため本文とマスの色を変更しています。良く見るとは同じ列の強リンクで、は同じ行の強リンクで、はブロックの強リンクです。そして、4個の数字4を全て使った Loop は不可能です。

        

3個の4を使って強制 X-Wing が造れるのは1個のみです。そして、仲間外れのの4が確定します。

 

次に Chain の4個型強リンクについてです。        

 

        

先に「やじろべえ」の3個型強強リンクです。上の図をA図とします。

        

この配置ですとに5が有ろうが無かろうがの5が確定します。

        

この配置(B図とします)でも。

        

に5が有ろうが無かろうがの5が確定します。

 

Chain の4個型強リンクは上の2例ののどちらかに別の強リンクが在ると云う事になります。  

        

A図のに別の強リンクが在るとすると、ブロックですのでのどちらかです。

        

何処でも同じ結果になりますので、このとします。

        

X-Wing が造れるのはのこの形のみです。従って、仲間外れのの5が確定します。

根拠は、

        

この図と一緒です。これは ロジック と云うよりも 定跡 と云った方が正しいかもしれません。

そして、に別の強リンクが在ったとしても同じです。

 

次にB図のに別の強リンクが在るとすると、列ですのでのどちらかです。

        

この場合もがどちらに有っても結果は同じです。

        

に5が入ると X-Wing は造れません。従って、この図では確定する数字は有りません。つまり、使用不可です。

        

に別の強リンクが在るとすると、列ですのでのどちらかです。

        

何処でも同じ結果になりますので、このとします。3個の4を使って強制 X-Wing が造れるのはの1個のみです。そして、仲間外れのの5が確定します。この仲間外れの数字は必ずブロックに在ります。

これら4例の結果「4個型強リンクの原則(定跡?)」らしきものが見えてきました。それは、

 

解き始め図においては、行・列・ブロックが各1回絡む4個型強リンクが在る場合では。

Ⅰ.蟻地獄型の4個型強リンクは中心の数字が削除される。

Ⅱ.ブロックに始点が在る4個型強リンクは、先頭の数字が確定する。

Ⅲ.Ⅱ以外の場合では、始点と終点の共通の領域に同じ数字が在る場合はその数字のみが削除される。

Ⅳ.Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに該当しない場合は使用不可。

 

これは、5個型奇数個連鎖にも影響を与えます。

 

        

解き始め図で、この数字配置の場合。

        

の5を起点にして右へ 強・ 強・ 強・弱・弱 で、の5が削除されるだけでしたが。

        

強・ 強・ 強・弱・弱 の場合でも、ブロックに始点が在れば、上図の様にの数字が確定する事になります。解き始め図に限りますが、途中図でもこの結果になるとすれば、これは新手鴨。

 

1問のナンプレ作品で、これだけ遊べます。

 

今年はこの作品を締め記事とします。次回は新年で、いちごナンプレ研究所 さんの作品で、以前記事にした「宇宙二位の難問」です。

        

U字型を使わないで解いてみました。勿論既存のロジックだけでは解けません。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「飛鷲」

2023-12-08 08:17:43 | ブログより

ナンプレの答えを出すソフトは、コンピューターに詳しい方ならご自分で作成するのは然程難しくは無いでしょう。でも、解くソフトは、私の知っている限り「数独ソルバー」のみです。しかしながら、いちごナンプレ研究所 さんはご自分のブログで「数独ソルバーが困っている」との記述が少なくありません。ですので、現在の「数独ソルバー」にAIの機能を加えて新手を作る技術を開発させれば「無敵の数独ソルバー」が出現するのではないでしょうか。

今回の題材も、「りゅ~く net のブログ 数独-超難問10選!【解き方やコツ】最難問のナンプレにチャレンジ!」で紹介されている、ヒント数字17個の難問のうち仮定法を複数回使用しないと解けないと云う作品で、次の図です

        

予告で記した様に「居食い」を使用しますので、私はこの作品を「飛鷲」と名付けました。

ちなみに、飛鷲は ひじゅう と読み、角鷹は かくおう と読みます。

        

候補数字を入力しますとこの図になります。そして、前回と同じく幾つかの数字が確定します。

        

左中ブロックの4で進めて、

        

中上ブロックの1で進めて、

        

左上ブロックの5で進めて、

        

第2行の3で進めて、

        

左上ブロックの2で進めて、

        

第1行の8で進めて、

        

右上ブロックの6で進めて、

        

右下ブロックの4で進めて、        

        

ここで止まります。従って、この図が解き始め図です。

        

に3の3個型強リンクが有り、にも3の3個型強リンクが有ります。「やじろべえ」を使いたいのですが、これはどちらかは誤りです。

        

その理由として、単純に繋げるとこの図になります。一見 Loop の様に見えます。しかし、の3から強弱を調べますと 強・強・弱・強・強・弱 となり、偶数個連鎖になりませんですので、これは誤りです。何よりも Loop にすると「やじろべえ」が消えてしまいます。

        

ですので、小さい Loop になります。の Loop とすると、「やじろべえ」でが決まります。

        

また、の Loop とすると、「やじろべえ」でが決まります。従って、 Loop絡みの3個型強リンクが2個有る場合は手が出せない事になります。

        

これは5の3個型強リンクが2個の場合も、同様に手が出せません。

        

「やじろべえ」が使えるのは、の1の3個型強リンクとの2の3個型強リンクになります。

        

「やじろべえ」での1との2が確定します。1で進めて、

        

2で進めて、

        

第7列の5で進めて、

        

第5列の3で進めて、

        

第9列の2で進めて、

        

第3行の6で進めて、

        

第3行の1で進めて、

        

第9行の4で進めて、

        

第7列の6で進めて、

        

中下ブロックの8で進めて、

        

右中ブロックの7で進めて、

        

最初の1の「やじろべえ」は正しい事の説明の為の手順ですので、2の「やじろべえ」だけで此処まで来た様なものです。

        

「居食い」の出番です。6の Loop が出来ています。

        

2回接触の数字を探しますと、で7が該当します。

        

「居食い」では削除されます。

        

7が消えたので次に進めます。

        

二国同盟で、

        

9で進めて、

        

8で進めて、

        

7で進めて、

        

6で進めて、

        

4で進めて、

        

9で進めて、

        

正解です。

 

「やじろべえ」「居食い」と「二国同盟」の3手順で解けました。でも、先の2手順を知らない方には超難問だと思います。

 

おまけです。

 

「やじろべえ」は、正しいと云う根拠がないので使えないと云う御仁に、「やじろべえ」を使わない手順を。

        

解き始め図から。

        

三国同盟で、

        

ロジックを使ったので「やじろべえ」は禁止です。

        

に1の強リンクが有ります。

        

が決まりますと、第7列に7・9の二国同盟が出来て、が決まります。

        

また、が決まりますと、が決まります。

        

一方の色が決まっている二択マスには反対色が決まります。

        

との共通の領域に有るが入ります。従って、は削除されます。

        

6で進めて、

        

第8列の1で進めて、

        

第9行の4で進めて、

        

二国同盟で、

        

右下ブロックでが決まります。

        

青色数字は誤りなので、全て削除されます。

        

が決まります。この続きは本文と同じになりますので割愛します。

        

そして、は2の3個型強リンクですので、「やじろべえ」が正しいと云う証明になるのではないかと思います。

 

それでもまだ疑念が残ると云う方には、おまけ2です。

        

ふたたびの、解き始め図です。

        

正解図から3と5を抜粋した図です。

        

それぞれの強制 Loop を造ります。一見どちらも正しい様に見えますね。

        

をご覧ください。が接触してますね。誰が見てもこのマスから2・6・9が削除されるのは明らかです。

        

以前の記事の「共倒れの原則」の中で、 Loop と Loop が一回接触の時は双方の数字は共に削除されると云う証明をしました。ですので、3と5の片方もしくは両方ともこの Loop では無い事が判ります。

        

3はの Loop ですので、第3行7列の3が確定して の「やじろべえ」が存在し、

        

そして、5はの Loop ですので、第6行5列の5が確定して の「やじろべえ」が存在して、3個型強リンクの中央が確定すると云う手法が正しい事になります。

        

この図が3と5の「やじろべえ」です。

 

この結果を見てロジックとしての「やじろべえ」の定義が出来た様に思えます。

 

解き始め図に於いて、

Ⅰ.数字Aの3個型強リンクが1個存在している場合は、その中心の数字が確定する。

Ⅱ.数字Bの3個型強リンクが複数存在している場合は、その中の1個のみが正しい。

ⅲ.数字Aの中心と数字Bの中心が接触しているマスが在している場合は、数字Aが確定する。

 

おまけ3です。

 

「居食い」の進化形です。

        

おまけで4・7・9の三国同盟を使った後の図です。

        

良く見ると4の Loop が出来ています。

        

この Loop に2回接触する数字がに在ります。

        

1と8の二数字が該当します。以前接触する数字2個在る時は「居食い」は使えないとしましたが、この場合は同じマスですので、特例として使えます。

        

1が誤りとすると、は削除されます。

        

また、8が誤りとすると、は削除されます。

        

発想の転換をすると、1と8のどちらかは必ず残ると云う事になります。従って、この特殊な数字配置の場合は2回接触する数字以外が削除されると云う「居食い」になります。ナンプレって面白いですね。

 

次回は、いちごナンプレ研究所 さんがご自身のブログで公開された作品で、次の図です。

        

私はこの作品を「奈落」と名付けました。作家さんはこの作品を「いちごナンプレ」と記しています。

この作品は通常に解いて、結果が いちごナンプレ になる問題図ですので、初中級の方は難しいと思ったら「にじおとめ」で使った「性格の不一致の別居」若しくは「足して15」を使用したら宜しいかと。上級の方は通常問題として解いた方が面白いでしょう。

 

ご覧頂きまして有難うございました。