ナンプレふぁんのひとりごと

ナンプレは初級から上級に行くにつれて解きにくいですね。

簡単な新しい原則を見つけましたので、是非ご覧ください。

「ありえへん!」

2021-11-28 08:16:16 | ひとりごと

今回の題材は、いちごナンプレ研究所さんの作品で作家さん本人が「ありえへん!」と銘打った問題で次の図です。

        

「世界一の難問」と同じぐらいの難問だそうです。まず、候補数字を入力します。

        

この図から解き始めますが、実は「ミックスサンド」と同じく三回楽しめます。

 

Ⅰ.いちごナンプレとして答えを出す。

 

        

確定している数字に「性格の不一致の別居」を使うと、

        

黄色く塗った数字が全て削除されます。後は芋づる式に決まりますので省略します。

 

Ⅱ.点対称10型で答えを出す。

 

        

早速、点対称10型専用の手法を使います。

        

には1と9の二択が入っていますが、180度回転すると重なりますので、違う数字が入ります。(足すと10になるので)

        

のそれぞれと共通の領域であるには1と9は入れませんので、は削除されます。

        

が入るとが入りが入ります。

        

二択マスには必ず別の色の数字が入りますので、が入ります。従って、は削除されます。

        

6が確定しましたので、進めます。

        

同じ手法で、は削除されます。

        

4で進めて、

        

ブロックの中で Loop が出来ますので、は削除されます。

        

進めて、

        

Bahamut です。は180度回転すると重なります。しかも同じ領域にありますので、は入ることが出来ません。従って、の数字は全て削除されます。

        

3で進めて、

        

5で進めて、

        

1で進めて、

        

6で進めて、

        

9で進めて、

        

4で進めて、

        

7で進めて、

        

ここで止まりますが、大丈夫です。

        

には別の数字が入ります。

        

のそれぞれと共通の領域であるには3と7は入れませんので、は削除されます。

        

3で進めて、

        

7で進めて、

        

2で進めて、

        

4で進めて、

        

3で進めて、

        

8で進めて、

        

9で進めて、

        

1で進めて、

        

7で進めて、

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

これが最終図です。

しかし、作家さんは「ミックスサンド」と違いまして、この作品を「三回楽しめる」と謳っていません。ですので、特殊ナンプレにしか使用できない手法を使うのは邪道です。申し訳ありませんでした。ⅠとⅡは参考としてスルーしてください。

 

Ⅲ.通常ナンプレとして解く。

        

        

これからが本筋です。点対称10型で使った手法は使用しません。

        

4個在るのどれが入ってもが入ります。

        

に対抗してが入ります。

        

が入るとが入ります。

        

に対抗してが入りますの、は削除されます。

        

が入りますと、が入ります。

        

そして、が入りますとが入り、が削除されてブロック内に二択の Loop が出来ます。

        

従って、は削除されます。

        

6で進めて、

        

4で進めて、

        

が入りますと、が入ります。は一心同体では有りませんが強リンクの両端です。

        

また、が入りますとに3個在るの一つが入ります。これもと同じです。つまり、にはのどちらかが必ず入ることに成ります。

        

そうすると、にものどちらかが必ず入ることに成ります。

        

のどちらかは必ず入りますので、は削除されます。

        

7で進めて、

        

3で進めて、

        

8で進めて、

        

8の X-Wing で、は削除されます。

        

三国同盟で、

        

は一心同体です。

        

そして、も一心同体です。

        

のどちらか1個がに入りますので、のどちらかは必ず入ります。従って、は削除されます。

        

4で進めて、

        

二国同盟で、

        

7で進めて、

        

3で進めて、

        

9で進めて、

        

2で進めて、

        

4で進めて、

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

1で進めて、

        

5で進めて、

        

正解です。

        

最初に解いた手順はもっと長手順だったのですが、投稿寸前により短い手順に気が付きましたので差し替えを致しました。結果、通常ナンプレと点対称10型の長さが同じになってしまいました。これは通常に解いて いちご になる作品なので、候補数字が絞られるからだと思います。

 

次回は、この「ありえへん!」と比べてどちらが体感難度が高いかを体験するために、「世界一の難問」をU字型抜きで解いてみました。

        

根拠の無い仮置き矛盾探しをしないで、そしてU字型も使わないでこの作品が解けるのか疑問に思われるかも知れませんが、「唯一解の問題は仮定法無しで必ず解ける」が、私の信条ですので。

        

ちなみに、最初に確定するのはの場所です。U字型の時とは場所が全然違うでしょ。だからナンプレは面白いんです。

 

ご覧頂きまして有難うございました。

        


「巌流島Ⅱ」

2021-11-18 08:15:58 | X(ツイッター)より

以前にも記しましたが既存のロジックだけでは解けない問題は、仮置き問題として嫌われているようです。問題集にもその様な超難問は出題されていません。根拠のない仮置き矛盾探し命の方は別として、ナンプレを楽しむ方は誰でも解きたいと思うでしょう。超難問こそ新手順の宝庫なのです。頭を柔らかくして挑戦してみてください。

 

今回の題材は、ろばくん 作の対角線ナンプレで次の図です。

        

ツイッターでの難易度ポイント520Pの作品で、私は「巌流島Ⅱ」と名付けました。

        

行・列・ブロックに候補数字を入れます。

        

対角線を整理しますと、幾つかの数字が決まります。

        

4で進めて、

        

1で進めて、

        

4で進めて、

        

多国同盟で、

        

3で進めて、

        

6で進めて、

        

は一心同体です。確定する時は一緒に確定し、削除される時は同時に削除されます。

        

のそれぞれと共通の領域であるに対抗としてが入るのですが、三ヶ所在るので決められません。

        

しかし、左上からの対角線ではが入ります。従って、は削除されます。

        

5で進めて、

        

5で進めて、

        

5で進めて、(見やすいように敢えて三回に分けて進めました。)

        

9の奇数個連鎖です。から左下へ 強・弱・弱 で、は削除されます。

        

進めて、

        

ここで止まります。腕に自信の有る方は何とかして解きたいと次に確定する数字を必死に探すのでしょうが、そう簡単に進まないから難問なのです。私のやり方は違います。外堀を埋める、つまり一つの数字の Loop を造るのです。

        

は一心同体です。

        

のそれぞれと共通の領域であるに対抗としてが入ります。従って、は削除されます。

        

は一心同体です。

        

のそれぞれと共通の領域であるに対抗としてが入ります。従って、は削除されます。

        

4で進めて、

        

他の数字が確定しました。7で進めて、

        

9で進めて、        

        

6で進めて、         

        

8で進めて、

        

4の Loop に絡めて6の Loop を造ります。

        

中段ユニットではに対抗して、が入りますのでは削除されます。

        

4と6の Loop が出来上がりましたので、は削除されます。

        

この図は Bahamut の材料にもなりますので、一旦保留します。

        

は一心同体です。

        

のそれぞれと共通の領域であるに対抗としてが入ります。従って、は削除されます。

        

9で進めて、

        

は一心同体です。

        

のそれぞれと共通の領域であるに対抗としてが入ります。従って、は削除されます。

        

二国同盟で、

        

3の X-Wing で、は削除されます。

        

3で進めて、

        

保留しておいた4と6の Loop を現わします。

        

Bahamut です。マスの中にが単独で入っています。青は間違いですので、削除します。4で進めて、

        

2で進めて、

        

9で進めて、

        

3で進めて、

        

2で進めて、

        

8で進めて、

        

正解です。

        

決闘に勝った武蔵は船に乗って帰って行きますが、敗れた小次郎はひっくり返っています。

 

この解き順は参考になると思います。各人楽しみ方はそれぞれですが、もしご自分の進め方で止まってしまったら、是非使ってみてください。

 

次回は、いちごナンプレ研究所さんの作品で、「ありえへん!」と銘打った難問です。

        

ですので、作品名を「ありえへん!」としました。

実はこの作品の記事は非常に長くなりそうなので、本文では前振りが記せないと思います。従って、ここで前振りらしきものを。

 

作家さんのお持ちの難易度判定ソフトによると、この作品の方が「世界一の難問」より数値が上だそうですが、ツイッターで難易度ポイントを公開している方のソフトによると、この作品は279Pで「世界一の難問」は466Pだそうですので、かなりの差で逆転しています。ポイントの付与基準がそれぞれ違うので、どちらの方がより難しいかは不明でしょう。私の体感難度を比べようとしても「世界一の難問」はU字型以外で手を付けていませんので、無理です。

ただ、答えを求めるだけなら「ありえへん!」の方が圧倒的に早いでしょう。何故なら、三回楽しめるからです。

 

ご覧頂きまして有難うございました。       


「お手上げ」

2021-11-08 08:15:46 | ひとりごと

今回の題材は、Yahoo 知恵袋に投稿された質問からで、次の図がその質問図です。

        

「ナンプレ独学」と云うソフトによるとに9が確定すると有りますが、その根拠を教えてくださいと云う質問です。

私は次にの9が決まると思って考えましたが、どうも違うようです。回答者の常連である「XY-Chain は仮定法」さんも同じように思われたらしく、お手上げの回答でした。超上級者がこの状態なので、私はこの質問図を「お手上げ」と名付けました。

        

次の次にの9が決まるとすれば、二つ有るのどちらかに6が決まると良いのですが、中段ユニットの6は Loop になっていますので、不可能です。

        

次の次の次にの9が決まるとすれば、の9との4が決まる必要が有ります。

        

しかし、に9が決まると4は Loop になってしまいます。先にの4を決めても、今度は9が Loop になってしまいます。つまり、の9はもっと後の方で確定すると云うことに成ります。仕方がないので、解いてみました。

        

XY-Wing です。 で、の4は削除されます。

        

が決まります。

        

4で進めて、

        

2で進めて、

        

8で進めて、

        

9で進めて、

        

5で進めて、

        

3で進めて、

        

6で進めて、

        

9で進めて、

        

ここでやっとの場所に9が確定しました。4で進めて、

        

7で進めて、

        

5で進めて、

        

8で進めて、

        

4で進めて、

        

2で進めて、

        

5で進めて、

        

正解です。

 

驚かれたと思います。この質問図は詰ナンプレだったのです。そして、の9は随分後に確定しました。更に驚いたことには正解手順がもう一つ有るのです。

        

質問図です。

        

Nice Loop です。の9から で、

        

同じ領域にが有りますので、は削除されます。

        

4で進めて、

        

2で進みますので、同じく芋づる式に決まります。

 

これで一件落着と思いましたが、どうも腑に落ちません。こんなに後で決まるの9を、「ナンプレ独学」は何故指定したのでしょうか。芋づる式を承知の助言ならば、

        

次の次にの2が決まります。これが普通だと思うのですが。

ですので、私は芋づる式を捨てて中段ユニットだけで考えてみました。

        

質問図です。

        

Nice Loop です。質問図での9から で、が削除されが確定します。これをA図とします。

        

Nice Loop です。同じく質問図での4から で、が削除されが確定します。これをB図とします。

        

A図とB図を重ねます。が削除され、

        

更にも削除されますので。に9が確定します。 多分この手順が質問図に対する本当の答えでしょうか。 

 

おまけです。私の手順解説の色分けについてです。

Nice Loop ですと、

        

この図の説明は、「が入りますとが入ります。また、が入らないとが入ります。のどちらかが必ず確定しますので、と同一の領域に在るは削除されます。」Loop ですので、この論理が成立します。

 

これに対して、XY-Wing( XY-chain )ですと、

        

ご覧のように赤と青の色分けをしません。この図の説明は、「が入るとが入ります。が入らないとが入ります。どちらか、または両方が確定します。のそれぞれと共通の領域であるに4は入れませんので、削除されます。」Chain ですのでこの論理となります。

ですので、無理やり赤と青に色分しますと、

        

この図は誤りとなります。何故ならのどちらも確定するからです。

 

理解するには厳しいと云う方には、もう少し噛み砕いた説明を、

        

Nice Loop ですと、が入りますとが入り、が入り、が入ります。また、が入りますとが入り、が入りが入ります。 Loop ですので、赤と青のどちらかは必ず確定します。ですので、が一緒に在る領域からは削除されます。

 

これに対して、

         

XY-Wing では、が入るとが入りが入ります。

        

また、が入りますとの4が消えて、同じくが入ります。つまり、が入ってもが入ってもにはが入ります(これは Nishio の原理です)ので、は赤と青の色分けが出来ないのです。XY-Wing( XY-chain )が全てこのような状態になる訳ではありませんが、誤りが無いよう赤と青の色分けは出来ないのです。

 

奇数個連鎖も同じです。偶数個連鎖は Loop ですので、赤と青に色分しますが、奇数個連鎖は Chain なので色分け出来ません。どこかの領域で同じ色がダブるからです。「奇数個連鎖の原則」の記事も参考にしてください。

 

次回は、ろばくん 作の対角線ナンプレで次の図です。

        

ツイッターでの難易度ポイントは520Pで、頭が堅い方には難しいかもしれません。私はこの作品を「巌流島Ⅱ」と名付けました。最終図に634と926が在りますので。

 

ご覧頂きまして有難うございました。