ナンプレふぁんのひとりごと

ナンプレは初級から上級に行くにつれて解きにくいですね。

簡単な新しい原則を見つけましたので、是非ご覧ください。

「西海」

2022-04-28 08:20:32 | X(ツイッター)より

ツイッターで難易度ポイントを公開されている方のポイント付与基準がバージョンアップされまして、現在の基準がより正確に近いと、ご自身のブログに記されています。その新基準での難易度ポイント第1位の528Pを付与された作品は、いちごナンプレ研究所 さん作の「神髄」です。おめでとうございます。ちなみに、同じ基準で「世界一の難問」は389Pです。

 

今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さん作のヒント数字52個の作品で、次の図です。

        

少し前の作品で、付与されたポイント133Pの当時の基準で公開された中での最下位の問題図のように見えましたので、「西海」と名付けました。でも新基準ですと321Pの上級問題です。上級の方でもヒント無しですと解けない方もいらっしゃるかもしれません。

        

候補数字を入れます。ヒントは「相棒ナンプレ」ですが、使わない方が楽しめます。

        

整理するとこの図になりますが、次の一手が難しいのです。

        

この作品の急所はの2との8の両方もしくは片方の数字を消すことです。そうしないと迷路から脱出出来ません。

        

突破口はです。

        

の8をとします。

        

が入るとにもが入ります。

        

の共通の領域であるが入ります。従って、は削除されます。

        

急所の8が削除されました。これで次に進めるとが出来ます。

        

8の奇数個連鎖です。から下へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

進めて、

        

この図になります。次の手に困るように見えますが、奇数個連鎖の効果が出ます。

        

は一心同体です。そして、も一心同体です。

        

が入りますとが入ります。

        

二択マスには反対色の数字が入ります。

        

を残しますと、

        

は腹違いの二国同盟ですので、共通の領域であるは削除されます。

        

8で進めて、

        

5で進めて、

        

2で進めて、

        

正解です。

 

ご覧のように「あのの8が消えればこのロジックが使えるのに」と考えるのも解法の一つです。ですので、の8を消す方法を探すことから始めます。相棒ナンプレですので、全く同じ手順での2も消せます。

 

短手数で終わりましたので、おまけです。いちごナンプレ研究所 さんのヒント数字57個の2問を違った手法で解きます。

 

Ⅰ.強リンクを主にします。

        

奇数数字は全て確定しています。如何にもクセの有りそうなヒント数字配置ですね。とりあえず候補数字を入れます。

        

この図を解きます。

        

4で進めて、

        

6で進めて、

        

4の奇数個連鎖です。から右へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

6の奇数個連鎖も出来ますが、工数が増えるだけですのでここでは割愛します。そして思いがけない現象が発生します。

        

をご覧ください。180度回転すると重なります。

        

が入ると、が入り、が入って、が入ります。占めたと思ってこれで進めると先の方で矛盾が生じます。正しくはを入れてが入らないといけません。Nishio の手法です。気を取り直して本線に戻ります。

        

4の強リンクが在ります。

        

二つののそれぞれと共通の領域であるが入ります。従って、は削除されます。

        

ここにも4の強リンクが在ります。

        

強リンクを伸ばします。

        

のそれぞれと共通の領域であるが入ります。従って、は削除されます。

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

XY-Chain です。 で、の2は削除されます。

        

8で進めて、

        

4で進めて、

        

2で進めて、

        

正解です。

 

Ⅱ.既存のロジックで解く。

        

この作品にはツイッターでの難易度ポイント302Pが付いて、上級テクニック×1、摩天楼×1、XY-Wing×1が必要とされています。私は「鎖とクサリ」と名付けましたが、ロジック3回では解けませんでした。

        

候補数字を入れます。

        

4で進めて、

        

6で進めて、

        

4の奇数個連鎖です。から右上へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。(第7行の4を土台とした変形の摩天楼です)

        

6の奇数個連鎖です。から上へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。(これも)

        

XY-Chain です。 で、の4は削除されます。

        

XY-Chain です。 で、の6は削除されます。

        

6の強リンクが有ります。

        

が入るとが入ります。

        

するとが入りが入りますので、は削除されます。

        

4で進めて、

        

6で進めて、

        

2で進めて、

        

XY-Chain です。 で、の8は削除されます。

        

XY-Chain です。 で、の6は削除されます。

        

XY-Chain です。 で、の2は削除されます。

        

2で進めて、

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

正解です。

 

おまけのおまけです。

 

おまけの2問については、いちごナンプレ研究所 さんは「相棒ナンプレ」と指定していません。ですので、通常ナンプレとして解きますと、

        

この図はあながち誤りではありません。単純な chain です。反対色を入れますと、

        

4の強リンクを加えますと、

        

これは Nice Loop でしょうか? AICでしょうか?

        

Nice Loop にしても AIC にしても、は削除されます。しかしこれは誤りです。こそが正解なのです。逆に言えば Nice Loop も AIC も使えないという事になるかもしれません。

        

正しくは、Nishio を使ってこの図になります。( に4が入っても6が入ってもに6が確定する。)

 

これは画期的なことです。Nice Loop や AIC よりも、 共通の領域である▢に反対色を入れる手法の方が優先手筋になっているからです。

 

次回の題材は、いちごナンプレ研究所 さん作の作品で、次の図です。

        

盾が2個向かい合っているように見えたので、私は「楯と盾」と名付けました。作家さんの「相棒ナンプレで中央ブロックは魔法陣」と云うヒントが付いていて、多分色付きブロックにも1~9の数字が入るのでしょう。出題図は点対称では無いので、ヒントを使うと初級問題になってしまいます。ですので、無条件の通常問題として解いてみました。

        

相棒ナンプレに多重解は有りませんので、必ず解けます。自信の有る猛者は挑戦してみてください。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「極寒」

2022-04-18 08:16:14 | ひとりごと

以前、条件付きナンプレは通常ナンプレに比べて、その条件の分だけ難易度が甘くなると感じて「いちご」「対角線」のみを記事にすると記しました。

ところが難問を探しにインターネットを覗いていると、「 Gigazine 」と云うブログの「世界で最も難しいパズル10選」と云う表題の記事の中に「サムナンプレ」の最難問として次の図が載っていました。

        

最難問の字に目を奪われ挑戦することにしました。マスのヒント数字0個のこの図の作品名を「極寒」と名付け、サムナンプレを解くのはこれが最初で最後にします。この図のままだと数字入力が出来ませんので枠を造り直しました。

 

        

ご存知でしょうが青線枠で囲われた数字の合計が左肩の小数字です。これがヒント数字で、通常ナンプレのルールが加わります。

そして、私が気が付いた難問サムナンプレの解法の極意を記します。それは、「マスの左肩にヒント数字がが在りますがその数字だけを追っただけでは決して解けない。」ということです。ご自身であと数個のヒント数字を作成しなければなりません。詳細は本文をご覧ください。

        

この作品の急所はです。この2ヶ所が確定出来れば最後まで決められるでしょう。

では、始めます。

        

第9行のの合計は43ですので▢は2です。(45-43)

        

の2マスの合計は4ですので両方とも1・3の二択になります。(2は入れません)

        

はブロックそのものですので、合計45です。

        

の合計は、8+19+18で45です。従って、Aは同じ数字が入ります。

        

の19マスの合計は、8+19+12+17+26+10で92です。

        

そしてこのの合計は、2列分ですので90です。従って、92-90で2が決まります。

        

の3マスの合計は20ですので、2は入れません。(2が入ると残りの2マスの合計が18になってしまいます)従って、中側ユニットの2は確定します。

        

最初のヒント数字を作ります。上中ブロックの3マスの合計は、45-16-4-2の23です。従って、には6・8・9のいずれかが入ります。そして、Aにも6・8・9のいずれかが入ります。

        

そうすると、こちらの3マスには4・5・7のいずれかが入ります。

        

3マスの合計は9です。第4列は1・2・3は決まっていますので、4・5のどちらかが入ります。

        

第5列の2マスの合計は4または5ですが、2も4も入れませんので両方とも1・3が入ります。従って、5が確定します。

        

2個目のヒント数字を作ります。の14マスの合計は、15+19+15+7+16で72です。

        

1マスと3マスの合計は、72-45-2で25です。

        

3マスの合計は25-(6・8・9)で、19・17・16のいずれかです。5マスの合計27を加えると46・44・43になりますが46は有りませんので、43と44のいずれかになります。従って、中左ブロックの▢には1と2のいずれかが入り、下の▢には4と5のいずれかが入ります。

        

第7行4列には5が確定していますので、同じ行に5は入れません。従って、2と4が確定します。

        

3マスの合計は45-17-10-2の16となりますので、の数字は25-16の9が確定します。そして上中ブロックの他の▢とAの9は削除されます。最初の急所です。

        

なるべく多くの数字が決まるように候補数字が4個以下のマスを埋めていきます。2マスの合計は16-2の14ですが、6と7と8は入れないので両方とも5・9の二択になります。

        

2マスの合計は19-9の10ですが、1と2と4と5と6と8と9は入れないので両方とも3・7の二択になります。

        

2マスの合計は10ですが、右のには2と3と4と5と7と8と9は入れないので1・6の二択になります。従って、左のは4・9の二択になります。

        

マスの合計は16ですが、7は入れないので両方とも6・8の二択になります。

        

マスの合計は20ですが、左のには1と2と3と5と9は入れないので4・6・7・8が候補になります。また、右のは1と2と3と5と6と7と8は入れないので4・5・7・9が候補になります。

        

マスには4・7・9のいずれかが入ります。

        

の2マスには1・6・8のいずれかが入ります。

        

の2マスには4・6・7・8のいずれかが入ります。

        

の2マスの合計は7ですが、下のには1・3・6のいずれかが入りますので、上のには1・4・6のいずれかが入ります

        

の2マスの合計は7ですが、2と5は入れないので1・3・4・6のいずれかが入ります。

        

の2マスの合計は7ですが、上のには2と5と6は入れないので1・3・4のいずれかが入ります。従って、下のには3・4・6のいずれかが入ります。

        

3個目のヒント数字を作ります。の11マスの合計は、26+12+12+10の60です。

        

ですので、の合計は60-45の15になります。の両方とも6・7・8・9のいずれかが入ります。

        

の合計は12ですので、6は入れません。故にには7・8・9のいずれかが、には3・4・5のいずれかが入ります。従って、には6・7・8のいずれかが入ります。ここで重要なのは「+3=」であることです。

        

更に続きます。に6が入ると2マスに3・4が決まりますので、に3は入れません。これはヒント数字違反です。従って、に6は入れないことになります。

        

この図になります。この結果に満足せず、更に攻撃は続きます。

        

Nishio です。に7が入りますとに8が、に6が、に8が入りますので、に6が入ります。

        

そしてに8が入りますと、同じくに6が入ります。

        

が7でも8でもに6が入ります。従って、の6が確定します。二つ目の急所です。この先は然程難しくはありません。

        

の6を確定して進めるとの4と3が確定します。

        

3で進めます。

        

2個と合計は17です。1は必ず入りますので1と7と9が入ります。

        

第6列で5はにしか入れませんので、確定して進めます。

        

は両方とも7・8が入りますので、進めると幾つかの数字が確定します。

        

8で進めます。

        

3個の中マスは1~5が候補ですが、1・2・3は入れませんので4と5が入ります。

        

そうすると、下マスは1と2が候補ですが1は入れませんので、2が確定し中マスは4が確定します。

        

3個のマスは合計が8ですが、2と3と4は入れないので1と5が確定します。

        

3個のマスは3と7と9が候補ですので、上の図になります。

        

3個のマスは3と5と9が候補ですので、上の図になります。

        

は10ですのでの候補は1・7ですが、7は入れませんので1が確定します。

        

進めます。

        

3個のマスは3と9が候補です。

        

3個のマスは4と5と8が候補ですので、上の図のように確定し進めます。

        

は7が確定します。

        

2個のマスは2と6が候補ですが、上の図のように確定します。

        

3個のマスは4と7と8が候補ですので、上の図のように7が確定し4・8の二択になります。

        

3の X-Wing で、に7が確定します。

        

に7が確定すると、上の図のように進みます。

        

3個のマスの合計は15ですので、上の図のように1と6と8が確定します。

        

2個のマスには2と5が確定します。そうすると二択マスの全てが確定します。

        

2個のマスには1と9が確定します。

        

2個のマスには2と9が確定します。

        

2個のマスには5と7が確定します。

        

正解です。

        

結局3ヶ所でヒント数字を作成しました。手前味噌ですが解き手順はこの記事の手順の他には無いと信じたいです。難問サムナンプレに挑戦される方は、この手法のように何処かでヒント数字を作成するようにすると、良い結果が生じると思います。

 

次回は、いちごナンプレ研究所 さんのヒント数字52個の作品で、次の図です。

        

私はこの作品を「西海」と名付けました。ツイッターでの難易度ポイントは133Pで断トツの最下位ですが、決して初級問題では有りません。答えを出すのは簡単ですが、解けた方は上級階へのエスカレーターに乗っていると思います。何故なら現在の基準ですと321Pとされています。

※ 断トツの最下位 表現が矛盾していますが、断トツとは断然トップではなく大差をつけてという意味でも使われています。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「神髄」

2022-04-08 08:16:56 | X(ツイッター)より

ツイッターでの難易度ポイントの付与基準が変わりまして「天魔」に代わり「傾城」が首位になりましたが、追加基準にて「傾城」も順位が下がり、今回の題材の「神髄」が第2位(ブログ内で)になりました。再度追加する要素が有るようなので、この作品が第2位に留まっているかは不明です。ちなみに、順位表では首位になっています。

 

いちごナンプレ研究所 さん作で、私が「神髄」と名付けた作品です。

        

難易度ポイントは527Pで、解くのに必要な手法は、上級テクニックは12回・三国同盟レベルは1回・XY-Wing レベルは1回だそうです。上級テクニックが何を指しているのかは公開していません。

候補数字を入れます。

        

幾つかの数字が決まります。

        

5で進めて、

        

4で進めて、

        

9で進めて、

        

この図から解き始めます。これから先は多くの色を使って強リンクを造ります。神髄たる所以です。お見苦しい点がございましたらご容赦願います。

        

の7との7は一心同体です。

        

この7をとします。

        

第3行をご覧ください。が入れるのは第5列だけです。

        

の7との7は強リンクですので、が入ります。従って、は削除されます。この色分けを基準とします。

        

が入るとのどちらかにが入ります。3個ののそれぞれと共通の領域である▢にが入りますので、は削除されます。

        

同じ手法で、3個ののそれぞれと共通の領域である▢にが入りますので、は削除されます。

        

が入るとのどちらかにが入ります。

        

3個ののそれぞれと共通の領域であるが入りますので、は削除されます。

        

の共通の領域であるは削除されます

        

この図になります。一旦色を消します。

        

5の Loop を造ります。肝心なののルートに同じ色の5は入らないと云うことです。

        

ですので、反対色の5が入ります。この二つの5はそれぞれが3個型の強リンクの始点です。

        

との共通の領域であるは削除されます。

        

5の Loop が出来上がりました。

        

5の Loop に4の Loop を絡ませます。4・5の二択マスが無いので、4の Loop を別の色分けにします。

        

をご覧ください。のどちらかが確定します。どちらが確定してもは削除されますので、は誤りでが正しいことになります。

        

誤りのは削除されます。

        

4で進めるとこの図になります。

        

保留してあった7の色分けを復活させますと、は誤りですので削除されます。

        

7で進めて、

        

1で進めて、

        

5の Loopを復活させます。が入りますと、(が二択マスですとなのですが、三択マスなので別の色分けにします。)

        

が入ります。

        

そうすると、が入ります。

        

とのそれぞれと共通の領域であるが入ります。従って、は削除されます。

        

8で進めて、

        

2の色分けを伸ばします。

        

2の Loop と5の Loop が出来上がりました。

        

二つののは一心同体です。

        

三つ目のにもが入ります。

        

3個ののそれぞれと共通の領域であるに反対色のが入ります。従って、は削除されます。

        

に1が確定しますので、は入れません。従って、は削除されます。

        

1で進めて、

        

2で進めて、

        

5で進めて、

       

3で進めて、

        

8で進めて、

        

は誤りと判明したので、で進めます。

        

6で進めて、

        

9で進めて、

        

6で進めて、

        

4で進めて、

        

3で進めて、

        

8で進めて、

        

9で進めて、

        

6で進めて、

        

正解です。

 

随分と枝分かれの多い作品でしたね。既存のロジックだけでは解けないかもしれません。上級テクニック12回とありますが、どういう手法を使うのか知りたいです。

 

次回は、条件付きナンプレで次の図です。

        

サムナンプレと云うそうで、その中でも世界最難問ですと紹介されています。寒いの極め付きと云うことで、私は「極寒」と名付けました。初めて挑戦してみましたが、ロジックより算数の方が重要です。根拠の無い仮置き矛盾探しで無く10個の数字が確定出来れば、同じ手法で最後まで解けます。ちなみに、私は10時間掛かりました。

 

ご覧頂きまして有難うございました。